関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうも皆様こんばんわ、関ヶ原です。
十月も終わり、十一月になりました。
巷では風邪がはやっているようですが、皆様は大丈夫ですか?
私は大丈夫です。
荒ぶるマスクの中を、飄々としています。
さて、思っていたよりもずいぶんと長引いてしまった今回は、あやさきけ。
待っていた方はお待ちかね、久方ぶりのアイカ嬢の登場です。
久しぶりにアイカを使ったので、キャラを思い出すのに苦労したのは秘密。
アイカもだんだんと大きくなって、少しずつ大人になっていってます。
そんな感じのお話を書いたつもりです。
相変わらず乱文拙文なのですが……それでも読んでいただけると嬉しく思います。
さて今月なのですが、就職活動に向けての大学での活動が本格化する時期でもあります。
所属するゼミや、資格試験等、忙しさが何時も以上に増すと思います。
なので今月は(も……?)日記中心の更新になると思われます。
こちらの都合で申し訳ございません。
ただ日記等のコメントには、その日のコメント欄もしくは次回の日記にて返信したいと思いますので、良かったら飽きずに見てやってください。
前回の返信
>セイバーさん
そうですね、気づきませんでしたw
毎回日記のタイトルは適当に考えてるので被ること多いんですよね(笑
気をつけます。ハロウィン話、何とか書きたいところです。ヒナ魔も全然書けてないですし、時間の使い方が上手くなくて申し訳ないです。
↑こんな感じで返信のほうを行いたいと思います。
それでは長くなりましたが、本編の方に移りたいと思います。
長くはないですすいません。
ではどうぞ~ ノシ
『秋』
十月も下旬。
例年よりも低い気温のためか、冬と秋が同時に訪れたかのような日が続いている。
「うひゃー、寒いねパパ」
「そうだね」
秋物ではなく、冬物の上着に袖を通した僕とアイカは現在、ヒナギクに頼まれた買い物を終えての帰り道だ。
顔に当たる風は冷たく、氷をぶつけられたかのように痛い。本当、十一月にもなっていないのに冬道を歩いている気分である。
「今年は冷え込むなぁ……」
「なんか、カメムシがたくさん出たから今年は凄く寒いってニュースで言ってたよ」
「へぇ、そうなんだ」
少し立ち止まって、傍らの街路樹に目をやる。
見てみれば、木々の枝にはまだ葉がついている。
というか、葉はまだ赤々としていた。
言うところの紅葉、というやつだ。
「この寒さで季節的には秋って言うんだから、冬はどれくらい寒くなるのかな」
「……想像もつかないね」
この紅葉を見ると、季節はまだ秋なのだと実感する。いや、『ようやく秋になった』と思わされるのだから、何とも不思議な気持ちだった。
九月が過ぎ、十月に入っても中々『秋』というものを実感できずにいたのだ。寒さの影響もあるのか分からないけれど、一ヶ月ほど前にこの街路樹を見たときは、ここまで紅葉が進んでいなかったように思う。
「寒いのは嫌だよぅ」
「冬生まれが何を言うか」
寒さにコートの襟を寄せるアイカに苦笑しつつ、同じように僕も襟を寄せる。
寒い。とにかく、寒い。
秋がここまで寒い年も珍しいのではないかと思うくらい。
「パパだって冬生まれじゃん」
「あはは、そうだったね」
アイカが生まれて、もう九度目の秋。
一、二年前までは、例え真冬だろうが関係なしに外で遊んでいたアイカが『寒さが苦手』と呟くのを聞くと、それ程年月が経ったんだなぁ、と感じずにはいられない。
そう思ったから、僕はアイカに言う。
「でも去年のアイカなら、この寒さでも元気に外で遊んでいたけどなぁ」
「へ? そうだっけ?」
「うん。上着も大して着込まないで走り回っていたよ」
「んー、良く覚えてない」
「そっか」
もしかしたら、本人は自覚していないだけで、こういう小さな変化は、子供を何時も見ている親だからこそ分かるものなのかもしれない。
子供に関心を持っているからこそ分かる、僅かな子供の成長なのかもしれない。
そう思うと、こんな自分でもそれなりにこの子の親をやっていけているのだと思える。
「どうしたのパパ? ニヤニヤして」
「えっ」
アイカの怪訝そうな声にハッとする。
僕譲りの空色の目が、不思議そうにこちらを見ていた。
「何か面白いものでもあったの?」
「い、いや全然」
「? そう?」
嬉しくなって少し気が緩んでいたようだ。
誤魔化すようにわざとらしい咳をして、
「それよりアイカ。寒いから早く帰ろうか」
「ん。そだね」
どうやら誤魔化すことには成功したようだ。
いや、そもそも大した関心がなかっただけかもしれないけど。
「ほらアイカ」
そんなアイカに、僕は手を差し出した。
もっと早くこうするべきだったな、と思いながら。
「寒いからね」
「……ありがと、パパ」
差し出された手を、ぎゅっとアイカは握った。
冷気ですっかり冷たくなった掌に、小さな熱を感じる。
僕の手をしっかりと握りながら、アイカは言った。
「帰ったら一緒にお風呂入ろう!」
「…………そういう所は変わってほしい、かな」
「えー」
「えーじゃないよ」
変わるところもあれば、変わらないところもある、か。
不満げに口を尖らせるアイカに苦笑しながらも、紅葉に染まった並木道を僕たちは再び歩きはじめた。
十一月も眼前に迫った、十月の下旬。
紅葉も終わっていない頃。
小さな秋ならぬ小さな娘の変化を見つけた、とある帰り道のことだった。
End
十月も終わり、十一月になりました。
巷では風邪がはやっているようですが、皆様は大丈夫ですか?
私は大丈夫です。
荒ぶるマスクの中を、飄々としています。
さて、思っていたよりもずいぶんと長引いてしまった今回は、あやさきけ。
待っていた方はお待ちかね、久方ぶりのアイカ嬢の登場です。
久しぶりにアイカを使ったので、キャラを思い出すのに苦労したのは秘密。
アイカもだんだんと大きくなって、少しずつ大人になっていってます。
そんな感じのお話を書いたつもりです。
相変わらず乱文拙文なのですが……それでも読んでいただけると嬉しく思います。
さて今月なのですが、就職活動に向けての大学での活動が本格化する時期でもあります。
所属するゼミや、資格試験等、忙しさが何時も以上に増すと思います。
なので今月は(も……?)日記中心の更新になると思われます。
こちらの都合で申し訳ございません。
ただ日記等のコメントには、その日のコメント欄もしくは次回の日記にて返信したいと思いますので、良かったら飽きずに見てやってください。
前回の返信
>セイバーさん
そうですね、気づきませんでしたw
毎回日記のタイトルは適当に考えてるので被ること多いんですよね(笑
気をつけます。ハロウィン話、何とか書きたいところです。ヒナ魔も全然書けてないですし、時間の使い方が上手くなくて申し訳ないです。
↑こんな感じで返信のほうを行いたいと思います。
それでは長くなりましたが、本編の方に移りたいと思います。
長くはないですすいません。
ではどうぞ~ ノシ
『秋』
十月も下旬。
例年よりも低い気温のためか、冬と秋が同時に訪れたかのような日が続いている。
「うひゃー、寒いねパパ」
「そうだね」
秋物ではなく、冬物の上着に袖を通した僕とアイカは現在、ヒナギクに頼まれた買い物を終えての帰り道だ。
顔に当たる風は冷たく、氷をぶつけられたかのように痛い。本当、十一月にもなっていないのに冬道を歩いている気分である。
「今年は冷え込むなぁ……」
「なんか、カメムシがたくさん出たから今年は凄く寒いってニュースで言ってたよ」
「へぇ、そうなんだ」
少し立ち止まって、傍らの街路樹に目をやる。
見てみれば、木々の枝にはまだ葉がついている。
というか、葉はまだ赤々としていた。
言うところの紅葉、というやつだ。
「この寒さで季節的には秋って言うんだから、冬はどれくらい寒くなるのかな」
「……想像もつかないね」
この紅葉を見ると、季節はまだ秋なのだと実感する。いや、『ようやく秋になった』と思わされるのだから、何とも不思議な気持ちだった。
九月が過ぎ、十月に入っても中々『秋』というものを実感できずにいたのだ。寒さの影響もあるのか分からないけれど、一ヶ月ほど前にこの街路樹を見たときは、ここまで紅葉が進んでいなかったように思う。
「寒いのは嫌だよぅ」
「冬生まれが何を言うか」
寒さにコートの襟を寄せるアイカに苦笑しつつ、同じように僕も襟を寄せる。
寒い。とにかく、寒い。
秋がここまで寒い年も珍しいのではないかと思うくらい。
「パパだって冬生まれじゃん」
「あはは、そうだったね」
アイカが生まれて、もう九度目の秋。
一、二年前までは、例え真冬だろうが関係なしに外で遊んでいたアイカが『寒さが苦手』と呟くのを聞くと、それ程年月が経ったんだなぁ、と感じずにはいられない。
そう思ったから、僕はアイカに言う。
「でも去年のアイカなら、この寒さでも元気に外で遊んでいたけどなぁ」
「へ? そうだっけ?」
「うん。上着も大して着込まないで走り回っていたよ」
「んー、良く覚えてない」
「そっか」
もしかしたら、本人は自覚していないだけで、こういう小さな変化は、子供を何時も見ている親だからこそ分かるものなのかもしれない。
子供に関心を持っているからこそ分かる、僅かな子供の成長なのかもしれない。
そう思うと、こんな自分でもそれなりにこの子の親をやっていけているのだと思える。
「どうしたのパパ? ニヤニヤして」
「えっ」
アイカの怪訝そうな声にハッとする。
僕譲りの空色の目が、不思議そうにこちらを見ていた。
「何か面白いものでもあったの?」
「い、いや全然」
「? そう?」
嬉しくなって少し気が緩んでいたようだ。
誤魔化すようにわざとらしい咳をして、
「それよりアイカ。寒いから早く帰ろうか」
「ん。そだね」
どうやら誤魔化すことには成功したようだ。
いや、そもそも大した関心がなかっただけかもしれないけど。
「ほらアイカ」
そんなアイカに、僕は手を差し出した。
もっと早くこうするべきだったな、と思いながら。
「寒いからね」
「……ありがと、パパ」
差し出された手を、ぎゅっとアイカは握った。
冷気ですっかり冷たくなった掌に、小さな熱を感じる。
僕の手をしっかりと握りながら、アイカは言った。
「帰ったら一緒にお風呂入ろう!」
「…………そういう所は変わってほしい、かな」
「えー」
「えーじゃないよ」
変わるところもあれば、変わらないところもある、か。
不満げに口を尖らせるアイカに苦笑しながらも、紅葉に染まった並木道を僕たちは再び歩きはじめた。
十一月も眼前に迫った、十月の下旬。
紅葉も終わっていない頃。
小さな秋ならぬ小さな娘の変化を見つけた、とある帰り道のことだった。
End
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バイトの休憩中。
抜かれた親不知も血がとまり、経過は上々といえましょう。
でも、私の親不知との戦いはこれでは終わりじゃなかったんだよ!
ΩΩΩ<な、なんだってー!?
今から数えて約二週間後、今度は左上の親不知を撃退します。
新作(と呼んでいいのか今だに疑問ではあるけど)でハヤテが抜かれた歯は右上の奥。つまり今回私が抜かれた歯も右上の奥というわけです。
ハヤテは炎症起こってなかったんですが、私の場合、初診の時に炎症が起こっていまして。
抗生物質を駆使しながら抜いたのであります。
その時に左上の奥も親不知が生えていることが発覚。
こちらは炎症は起こっていないものの、やはり親不知と奥歯の間の溝に滓が溜まり、虫歯になりかけているそうです。
抜けるものなら抜いてしまいたい。
汚物は消毒だ--!!
親不知が生えない人が羨ましいです……。
ましてやハヤテみたいに、ヒナギクのような存在がいないので……(´;ω;`)ぶわっ
まぁそんなことはさておき。
そろそろ秋も深まって、色々秋の風味が楽しめる時期になりつつありますね。
秋はある意味ネタの宝庫。
いつも以上にネタを探していきたいですね!
抜かれた親不知も血がとまり、経過は上々といえましょう。
でも、私の親不知との戦いはこれでは終わりじゃなかったんだよ!
ΩΩΩ<な、なんだってー!?
今から数えて約二週間後、今度は左上の親不知を撃退します。
新作(と呼んでいいのか今だに疑問ではあるけど)でハヤテが抜かれた歯は右上の奥。つまり今回私が抜かれた歯も右上の奥というわけです。
ハヤテは炎症起こってなかったんですが、私の場合、初診の時に炎症が起こっていまして。
抗生物質を駆使しながら抜いたのであります。
その時に左上の奥も親不知が生えていることが発覚。
こちらは炎症は起こっていないものの、やはり親不知と奥歯の間の溝に滓が溜まり、虫歯になりかけているそうです。
抜けるものなら抜いてしまいたい。
汚物は消毒だ--!!
親不知が生えない人が羨ましいです……。
ましてやハヤテみたいに、ヒナギクのような存在がいないので……(´;ω;`)ぶわっ
まぁそんなことはさておき。
そろそろ秋も深まって、色々秋の風味が楽しめる時期になりつつありますね。
秋はある意味ネタの宝庫。
いつも以上にネタを探していきたいですね!
どうもこんばんわ、関ヶ原です。
新作です。
どうしようもないくらい酷いものが完成しました。
ヤマがあるわけでもなく、オチがあるわけでもない。
甘くもなければ、苦くもない。
本当、日記のような作品が出来上がりました。
無心で書き上げた結果がこれだよ!
ぶっちゃけUPしていいものかと激しく迷ったんですが、折角書いたので上げます。
思い入れがあって書き上げたものではありませんので、食べ物の種類別名称を見るみたいな感覚でお読みください。
つまり、今まで以上にかるーく読んでください。
ぶっちゃけた話、私の体験談を元ネタに、ハヤヒナ夫婦のやり取りをプラスしただけの話なので。
歯医者でのやりとりが体験談、ハヤヒナ夫婦の会話が私の妄想、というわけでございます。
まぁその点、甘くなく、本当に普通の夫婦のようなハヤヒナが書けたのは新鮮な感じがします。
次回こそ……甘い内容を書きたいなぁ。
ではどうぞー☆
「ん?」
変哲もない朝。
何時も通りに起きて、ヒナギクの美味しい朝食を腹に納めて、エチケットとして歯を磨いていた時のことだ。
「なんだこれ?」
右の奥歯の更に奥――本来ならば存在しないところに、違和感を覚えた。
気持ちが悪くて、ブラシをその部位に当てる。
――ゴシッ
すると、確かにブラシは己の仕事をするべくして、その部分を『磨いた』。
「あちゃー……」
もしかして、と思っていたが、どうやらそうらしい。
ブラシを洗って、口を漱いだ後、苦笑交じりに僕は言った。
「親知らず、生えちゃったか」
『親不知』
歯磨きを終えた僕は、その事をヒナギクに伝えた。
「え? 親知らず?」
キッチンで皿を洗っていたヒナギクがその手を一旦止めて、僕を見る。
「生えたの?」
「うん、そうみたい」
「ちょっと見せて」
ヒナギクは布巾で水のついた手を拭うと、「ほら口開けて」と言ってきた。
「どこ?」
「右上の奥」
あー、と大きく開けた口の中をヒナギクが見る。
妻とはいえ、口の中をまじまじと見られるのは中々恥ずかしい。
「あー……確かに生えてるわね。痛む?」
「いや全然」
親知らずを細い指で突かれながら(くすぐったい)、僕は答える。
ちょっと口の中に違和感を感じる位で、痛みといったものは今のところない。
「そう……」
「どうしようか。抜いたほうが良いんだっけ? 親知らずって」
「そうねぇ……生えない人には生えないって言うけれど、ハヤテは生えてるわけだしね……」
その話は聞いたことがある。
親知らずは人によっては一生生えない場合もあるが、生えた場合、虫歯や炎症の原因となる。
親知らずと奥歯の間に出来た小さな溝に粕が溜まり、その小さな溝には歯ブラシでも磨くことは難しい。
取り除かれなかった溝の粕の部分から虫歯や炎症が起こるとも言われているそうだ。
「そうだね。このまま放置、っていうわけにもいかないから、抜こうか」
「そうしましょうか」
僕自身一応口内にも気を使って歯磨きをマメにしてはいたが、こればかりは仕方ない。
親知らずを抜く意思をヒナギクに伝えると、
「じゃあ歯医者に電話ね。予約って出来たかしら……ハヤテ、あまり親知らず弄らないようにね」
そう言って電話帳を調べ始めた。
「弄らないでって……子供じゃないんだから」
子供に言いつけをするみたいに言われて思わず苦笑するが、自分のために動いてくれるヒナギクを見るのは、嬉しかった。
…
「綾崎ハヤテさーん」
「はい」
数時間後。
僕は近くの歯医者にきていた。
ヒナギクが電話で予約をしてくれたらしいが、当日に見てもらえるのは幸いだ。
歯医者は以外にも診療を受ける人が多くて、予約をするにも一ヶ月後、ということもある。
勧められた椅子に腰掛け、先生に大まかな事情を説明する。
事情を大体に伝えると、
「分かりました。それでは口の中を見せてもらえますか?」
「はい」
「椅子倒しますねー」
腰掛けていた椅子の背もたれが下がり、眼前をライトが照らす。
「じゃあ口を開けてください」
「はい」
「痛かったら左手を挙げてくださいね」
言われるままに口を開き、先生が親知らずの辺りを突いたりする。
痛みはないが、くすぐったい。
それに、やはり口内を他人に見られるというのは恥ずかしい。
「はい、口を閉じてください」
一分ほど経って、口内を見終えた先生が話しかけてくる。
「確かに親知らずが生えてますね。今のところは炎症などは見られませんが」
「そうですか……やっぱり抜いたほうが良いですかね?」
炎症などは見られない、ということに安心しつつ、僕は尋ねた。
今のところは、ということはこの先炎症を起こすかもしれないということだろう。
「そうですね。このまま伸びてしまっても『噛み合う』歯がありませんので、抜いても良いかもしれません」
「じゃあお願いします」
経過を見ながら抜くよりも、今のうちに抜けるのなら抜いてしまいたい。
「わかりました。それでは麻酔を打つための薬を塗りますので」
「はい」
そんなわけで、親知らずは抜かれることになったのだった。
…
結論から言おう。
親知らずは抜かれた。
「お疲れ様でした。明日消毒しますので、明日も来てくださいね」
「はい。ありがとうございました」
受付のお姉さんに笑顔で見送られながら、僕は右頬をさすった。
「うーん……気持ち悪さが倍増したな」
あの後麻酔を打って、ぐっぐと歯を引き抜かれたわけなのだが、親知らずとはいえ今まで歯があった場所に歯がないというのは落ち着かない。
抜かれた部分に挟まれた止血用ガーゼの存在も、かなり際立っている。
「あ、おかえり」
「ただいま」
なるべくそのガーゼを動かさないよう家に帰ると、ヒナギクが駆け寄ってきた。
歯は閉じたまま唇を動かすので何とも話しづらいことだ。
「その様子じゃ抜いてきたのね」
「うん。とりあえずあまりガツガツご飯食べるなだって」
「そりゃそうね」
これが抗生物質と痛み止め、と渡された薬をヒナギクに差し出す。
「朝昼晩の食後に一錠ずつ、ね。分かったわ」
忘れないようにしなくちゃ、とそれらをキッチンの引き出しにしまって、
「じゃあ今日のご飯は簡単に食べれるものにしましょうか」
「お願いします」
「ふふっ。了解」
じゃあ取り敢えず昼食準備するわね、と冷蔵庫を調べ始めた。
「手伝おうか?」
「大丈夫よ。それよりハヤテは少し休んだほうがいいわよ? そろそろ麻酔が切れ始めるから」
そういえば、麻酔が切れたら少し痛むかもしれないと言っていたな。
ヒナギクの言うとおり、仮に痛みが来たとしても寝ていれば感じる痛みも小さいかもしれない。
「そう? じゃあごめん、少し横にならせてもらうね」
「お大事に」
そのヒナギクの優しい笑顔に見送られながら僕は寝室へ向かう。
「親知らず……か」
向かう途中に、思う。
手を沿える位置は、少し前まで親知らずがあった場所。
気持ち悪くて抜いたというのに、抜いたことによって更に気持ち悪くなる。
しかし。
「でもまぁ、ヒナギクに心配されるのは嬉しいし……」
歯を抜いて、ヒナギクは色々と心配してくれるし、手厚くしてくれている。
「――まぁ、たまには良いのかもな、こういうのも」
妻の優しさを何時も以上に感じての一言だった。
我ながら馬鹿なことを考えていると思う。
口内は気持ち悪さが残っているが、自分の考えも相当だ。
しかし、それらも麻酔のせいで頭が鈍っているからだと言えば、言い訳にもなる。
「……痛みが来たら、ヒナギクにキスでもしてもらって和らげてもらおうかな」
そんな、本当にどうしようもない事を考えながら、僕は寝室へと入っていったのだった。
僕がヒナギクにキスしてもらったかどうかは、皆さんの想像にお任せすることにする。
End
新作です。
どうしようもないくらい酷いものが完成しました。
ヤマがあるわけでもなく、オチがあるわけでもない。
甘くもなければ、苦くもない。
本当、日記のような作品が出来上がりました。
無心で書き上げた結果がこれだよ!
ぶっちゃけUPしていいものかと激しく迷ったんですが、折角書いたので上げます。
思い入れがあって書き上げたものではありませんので、食べ物の種類別名称を見るみたいな感覚でお読みください。
つまり、今まで以上にかるーく読んでください。
ぶっちゃけた話、私の体験談を元ネタに、ハヤヒナ夫婦のやり取りをプラスしただけの話なので。
歯医者でのやりとりが体験談、ハヤヒナ夫婦の会話が私の妄想、というわけでございます。
まぁその点、甘くなく、本当に普通の夫婦のようなハヤヒナが書けたのは新鮮な感じがします。
次回こそ……甘い内容を書きたいなぁ。
ではどうぞー☆
「ん?」
変哲もない朝。
何時も通りに起きて、ヒナギクの美味しい朝食を腹に納めて、エチケットとして歯を磨いていた時のことだ。
「なんだこれ?」
右の奥歯の更に奥――本来ならば存在しないところに、違和感を覚えた。
気持ちが悪くて、ブラシをその部位に当てる。
――ゴシッ
すると、確かにブラシは己の仕事をするべくして、その部分を『磨いた』。
「あちゃー……」
もしかして、と思っていたが、どうやらそうらしい。
ブラシを洗って、口を漱いだ後、苦笑交じりに僕は言った。
「親知らず、生えちゃったか」
『親不知』
歯磨きを終えた僕は、その事をヒナギクに伝えた。
「え? 親知らず?」
キッチンで皿を洗っていたヒナギクがその手を一旦止めて、僕を見る。
「生えたの?」
「うん、そうみたい」
「ちょっと見せて」
ヒナギクは布巾で水のついた手を拭うと、「ほら口開けて」と言ってきた。
「どこ?」
「右上の奥」
あー、と大きく開けた口の中をヒナギクが見る。
妻とはいえ、口の中をまじまじと見られるのは中々恥ずかしい。
「あー……確かに生えてるわね。痛む?」
「いや全然」
親知らずを細い指で突かれながら(くすぐったい)、僕は答える。
ちょっと口の中に違和感を感じる位で、痛みといったものは今のところない。
「そう……」
「どうしようか。抜いたほうが良いんだっけ? 親知らずって」
「そうねぇ……生えない人には生えないって言うけれど、ハヤテは生えてるわけだしね……」
その話は聞いたことがある。
親知らずは人によっては一生生えない場合もあるが、生えた場合、虫歯や炎症の原因となる。
親知らずと奥歯の間に出来た小さな溝に粕が溜まり、その小さな溝には歯ブラシでも磨くことは難しい。
取り除かれなかった溝の粕の部分から虫歯や炎症が起こるとも言われているそうだ。
「そうだね。このまま放置、っていうわけにもいかないから、抜こうか」
「そうしましょうか」
僕自身一応口内にも気を使って歯磨きをマメにしてはいたが、こればかりは仕方ない。
親知らずを抜く意思をヒナギクに伝えると、
「じゃあ歯医者に電話ね。予約って出来たかしら……ハヤテ、あまり親知らず弄らないようにね」
そう言って電話帳を調べ始めた。
「弄らないでって……子供じゃないんだから」
子供に言いつけをするみたいに言われて思わず苦笑するが、自分のために動いてくれるヒナギクを見るのは、嬉しかった。
…
「綾崎ハヤテさーん」
「はい」
数時間後。
僕は近くの歯医者にきていた。
ヒナギクが電話で予約をしてくれたらしいが、当日に見てもらえるのは幸いだ。
歯医者は以外にも診療を受ける人が多くて、予約をするにも一ヶ月後、ということもある。
勧められた椅子に腰掛け、先生に大まかな事情を説明する。
事情を大体に伝えると、
「分かりました。それでは口の中を見せてもらえますか?」
「はい」
「椅子倒しますねー」
腰掛けていた椅子の背もたれが下がり、眼前をライトが照らす。
「じゃあ口を開けてください」
「はい」
「痛かったら左手を挙げてくださいね」
言われるままに口を開き、先生が親知らずの辺りを突いたりする。
痛みはないが、くすぐったい。
それに、やはり口内を他人に見られるというのは恥ずかしい。
「はい、口を閉じてください」
一分ほど経って、口内を見終えた先生が話しかけてくる。
「確かに親知らずが生えてますね。今のところは炎症などは見られませんが」
「そうですか……やっぱり抜いたほうが良いですかね?」
炎症などは見られない、ということに安心しつつ、僕は尋ねた。
今のところは、ということはこの先炎症を起こすかもしれないということだろう。
「そうですね。このまま伸びてしまっても『噛み合う』歯がありませんので、抜いても良いかもしれません」
「じゃあお願いします」
経過を見ながら抜くよりも、今のうちに抜けるのなら抜いてしまいたい。
「わかりました。それでは麻酔を打つための薬を塗りますので」
「はい」
そんなわけで、親知らずは抜かれることになったのだった。
…
結論から言おう。
親知らずは抜かれた。
「お疲れ様でした。明日消毒しますので、明日も来てくださいね」
「はい。ありがとうございました」
受付のお姉さんに笑顔で見送られながら、僕は右頬をさすった。
「うーん……気持ち悪さが倍増したな」
あの後麻酔を打って、ぐっぐと歯を引き抜かれたわけなのだが、親知らずとはいえ今まで歯があった場所に歯がないというのは落ち着かない。
抜かれた部分に挟まれた止血用ガーゼの存在も、かなり際立っている。
「あ、おかえり」
「ただいま」
なるべくそのガーゼを動かさないよう家に帰ると、ヒナギクが駆け寄ってきた。
歯は閉じたまま唇を動かすので何とも話しづらいことだ。
「その様子じゃ抜いてきたのね」
「うん。とりあえずあまりガツガツご飯食べるなだって」
「そりゃそうね」
これが抗生物質と痛み止め、と渡された薬をヒナギクに差し出す。
「朝昼晩の食後に一錠ずつ、ね。分かったわ」
忘れないようにしなくちゃ、とそれらをキッチンの引き出しにしまって、
「じゃあ今日のご飯は簡単に食べれるものにしましょうか」
「お願いします」
「ふふっ。了解」
じゃあ取り敢えず昼食準備するわね、と冷蔵庫を調べ始めた。
「手伝おうか?」
「大丈夫よ。それよりハヤテは少し休んだほうがいいわよ? そろそろ麻酔が切れ始めるから」
そういえば、麻酔が切れたら少し痛むかもしれないと言っていたな。
ヒナギクの言うとおり、仮に痛みが来たとしても寝ていれば感じる痛みも小さいかもしれない。
「そう? じゃあごめん、少し横にならせてもらうね」
「お大事に」
そのヒナギクの優しい笑顔に見送られながら僕は寝室へ向かう。
「親知らず……か」
向かう途中に、思う。
手を沿える位置は、少し前まで親知らずがあった場所。
気持ち悪くて抜いたというのに、抜いたことによって更に気持ち悪くなる。
しかし。
「でもまぁ、ヒナギクに心配されるのは嬉しいし……」
歯を抜いて、ヒナギクは色々と心配してくれるし、手厚くしてくれている。
「――まぁ、たまには良いのかもな、こういうのも」
妻の優しさを何時も以上に感じての一言だった。
我ながら馬鹿なことを考えていると思う。
口内は気持ち悪さが残っているが、自分の考えも相当だ。
しかし、それらも麻酔のせいで頭が鈍っているからだと言えば、言い訳にもなる。
「……痛みが来たら、ヒナギクにキスでもしてもらって和らげてもらおうかな」
そんな、本当にどうしようもない事を考えながら、僕は寝室へと入っていったのだった。
僕がヒナギクにキスしてもらったかどうかは、皆さんの想像にお任せすることにする。
End
資格勉強にかまけて全然更新してなかった関ヶ原です。
来週に資格試験を控え、テンションもいい感じに降下中。
さらにバイトのミスも相成ってなかなかにヘビィです。
いや、金銭関係のミスだと結構気にしちゃいますよね……。
ま! こういう日もあるさ(キリッ
資格試験受かれば、テンション急上昇なんですけどね……。
頑張ります、受かるように。
そうそう、前回の記事で、コメントに昔仲良くさせていただいたハヤテサイトの方がコメントしてくださっていて、テンション上がりました(笑)
半年以上前に閉鎖されたサイトで、随分と仲良くさせていただいたのを今でも覚えてます。
こういう繋がり、嬉しいですよね。
毎回コメント下さる方、拍手下さる方、様々な人によってこのサイトは支えられてるものなので、大事にしていきたいです。
私にしてみれば長たらしい日記になりましたけど、この辺で ノシ
資格とれるといいなぁ……。
来週に資格試験を控え、テンションもいい感じに降下中。
さらにバイトのミスも相成ってなかなかにヘビィです。
いや、金銭関係のミスだと結構気にしちゃいますよね……。
ま! こういう日もあるさ(キリッ
資格試験受かれば、テンション急上昇なんですけどね……。
頑張ります、受かるように。
そうそう、前回の記事で、コメントに昔仲良くさせていただいたハヤテサイトの方がコメントしてくださっていて、テンション上がりました(笑)
半年以上前に閉鎖されたサイトで、随分と仲良くさせていただいたのを今でも覚えてます。
こういう繋がり、嬉しいですよね。
毎回コメント下さる方、拍手下さる方、様々な人によってこのサイトは支えられてるものなので、大事にしていきたいです。
私にしてみれば長たらしい日記になりましたけど、この辺で ノシ
資格とれるといいなぁ……。
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