関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうも、関ヶ原ですこんばんわ。
タイトルの通り、モンハン3rdをやっていたら日記の更新忘れてました。
すみません。
ジンオウガの装備作れました、すいません。
流石受験生キラー、嵌るとなかなかやめられません。
二週間後にはTOEICがあるというのに……。
ある程度やったら、それに向けての勉強をしないと。
十二月突入ということで、師走がやってまいりました。
バイト、大学、日常生活、どれにおいても段々慌しくなってきています。
皆さんもこれからどんどん忙しくなると思いますが、身体は壊さないようにしてくださいね。
前回の返信
>ベディアンさん
ありがとうございます! こちらもフォローさせていただきました!
>月風丸さん
サイトで顔馴染みの方からフォローいただけると凄く嬉しいです! よろしくお願いします!
>かさだ丸さん
初めまして! ようこそいらっしゃいました。
そうですね、私個人的には凄く面白いと思います。バンブレはアニメもありますので、そちらから見ても良いと思います。
タイトルの通り、モンハン3rdをやっていたら日記の更新忘れてました。
すみません。
ジンオウガの装備作れました、すいません。
流石受験生キラー、嵌るとなかなかやめられません。
二週間後にはTOEICがあるというのに……。
ある程度やったら、それに向けての勉強をしないと。
十二月突入ということで、師走がやってまいりました。
バイト、大学、日常生活、どれにおいても段々慌しくなってきています。
皆さんもこれからどんどん忙しくなると思いますが、身体は壊さないようにしてくださいね。
前回の返信
>ベディアンさん
ありがとうございます! こちらもフォローさせていただきました!
>月風丸さん
サイトで顔馴染みの方からフォローいただけると凄く嬉しいです! よろしくお願いします!
>かさだ丸さん
初めまして! ようこそいらっしゃいました。
そうですね、私個人的には凄く面白いと思います。バンブレはアニメもありますので、そちらから見ても良いと思います。
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が最終巻だということを知った関ヶ原です。
こんばんわ。
いやー……ハガレンに続き、大好きだった漫画がまた一つ終わりを迎えたそうで、滅茶苦茶寂しいです。
小学校低学年の頃剣道をやっていたせいもあって、BAMBOO BLADE略してバンブレは本当に大好きな漫画でした。
土塚先生、五十嵐先生本当にお疲れ様でした!
コジローとキリノというキャラが出てくるんですが、本当にこのCPが好きで、どんくらい好きかっていうとハヤヒナに負けないくらいに好きでした。
この二人が見れなくなると思うと……。
で、そのバンブレの最終巻を買ってやろうと思って大学帰りに車で書店へ言ったのですが、
~回想~
「あのーすいません、BAMBOO BLADE(以降バンブレ)の14巻が今日入荷されていると思うんですが、場所を教えてもらえませんか?」
「バンブレですね? 少々お待ちください」
「あ、はい」
…PCで書籍検索中
「えーと、バンブレ(ファンブック)は新刊コーナーにあります」
「いえあの……そこにはバンブレのファンブックしかなくて……(バンブレでしか検索しなかったなこの店員)」
「あ、そうですか。わかりました」
「はい」
…再び検索中
「お客様お待たせしました」
「あ、全然大丈夫です」
「バンブレの14巻なんですが」
「はい」
高まる期待
「この地区ですと入荷は明日になりますね」
「……え? あ、はい。わかりました。ありがとうございます」
押し寄せる絶望感。
「えーと……じゃあこれ、お会計お願いします」
「ありがとうございます」
店員にバンブレ(ファンブック)と長門有希ちゃんの消失(2)、僕は友達が少ない(5)を差し出す関ヶ原。
「じゃあこれでお願いします」
「ありがとうございました~」
車へ戻る関ヶ原、車内にて。
「…………なんでファンブックと一緒に来ないんだよ!」(帯に書かれた『14巻、ファンブック、小説同時発売!』の文字を見て)
~回想終了~
さて茶番でした。
というわけで明日、即効で最終巻ゲットしたいと思います。
ファンブックには最終巻の内容も書かれててネタバレ食らった気分です(涙)
でもコジキリの読みきり読めたからテンション回復。
さらに有希ちゃんの消失も面白かったので収穫は大であることを確信。
明日への活力になりました。
今現在フォレスト用のヒナ魔を書いている途中ですが、これが終わり次第コジキリも書いてみようかと思っていたり思わなかったり。
そんなことをツイッターでつぶやいたりしてますので、PCでこのサイトを閲覧されてる方はよろしかったらフォローお願いします。
さて長々と書いてしまいましたのでそろそろ話を切りましょうか。
バンブレが終わってこのダメージ、ハヤテが終わったときどんな絶望が待っているのか、今から恐々しています。
最後に、土塚先生、五十嵐先生、本当におつかれさまでした!
では~ ノシ
前回の返信
>ベディアンさん
そうですね……そろそろ彼らにもスポットライトを当ててもいいかもしれないですね(笑)
今度出すときは、crapの続き、という形で出したいです!
>月風丸さん
そう考えると、ハヤテサイトの付き合いもその年月というわけで……なんだか感慨深いものがありますね! インターネットコミュニティというものを大学でならったのですが、ハヤテサイトの繋がりも一種のコミュニティなのではないかと思います。
>KOUさん
東宮夫妻も綾崎夫妻もきっといつまでもラブラブでしょう(笑)
マリアさんじゅうななさいもどんどん登場させたいんですが、相手となりそうな人物が中々原作で登場しなくて……。なるべく結婚相手は原作キャラにしたいなと思っていますので。
ちなみに一時期考えていたのがマリア×マキナでした。
でも「どっちも苗字ねーじゃん!」ということに気づきボツに(泣)
>セイバーさん
ありがとうございます。
惰性と気まぐれで書いてきたら、こんなに歳を重ねていました(笑)
「そうだ、小説でも書いてみよう」という気まぐれで始めたものが、今では趣味と呼べるものまでになりました。
小説というのは、作者の自己満足だと私は思っています(異論は大いに認める)。
その自己満足が、文章という媒体を通してこうして皆様方に楽しんでいただけること、共有していただけることが嬉しくて、今日までやってこれたのかな、と思います。惰性と気まぐれだけじゃないですね、すいません。
小説でも絵でも、歌でも。
自分が『続けられる』と思ったことが趣味に繋がるのではないのでしょうか。
こんばんわ。
いやー……ハガレンに続き、大好きだった漫画がまた一つ終わりを迎えたそうで、滅茶苦茶寂しいです。
小学校低学年の頃剣道をやっていたせいもあって、BAMBOO BLADE略してバンブレは本当に大好きな漫画でした。
土塚先生、五十嵐先生本当にお疲れ様でした!
コジローとキリノというキャラが出てくるんですが、本当にこのCPが好きで、どんくらい好きかっていうとハヤヒナに負けないくらいに好きでした。
この二人が見れなくなると思うと……。
で、そのバンブレの最終巻を買ってやろうと思って大学帰りに車で書店へ言ったのですが、
~回想~
「あのーすいません、BAMBOO BLADE(以降バンブレ)の14巻が今日入荷されていると思うんですが、場所を教えてもらえませんか?」
「バンブレですね? 少々お待ちください」
「あ、はい」
…PCで書籍検索中
「えーと、バンブレ(ファンブック)は新刊コーナーにあります」
「いえあの……そこにはバンブレのファンブックしかなくて……(バンブレでしか検索しなかったなこの店員)」
「あ、そうですか。わかりました」
「はい」
…再び検索中
「お客様お待たせしました」
「あ、全然大丈夫です」
「バンブレの14巻なんですが」
「はい」
高まる期待
「この地区ですと入荷は明日になりますね」
「……え? あ、はい。わかりました。ありがとうございます」
押し寄せる絶望感。
「えーと……じゃあこれ、お会計お願いします」
「ありがとうございます」
店員にバンブレ(ファンブック)と長門有希ちゃんの消失(2)、僕は友達が少ない(5)を差し出す関ヶ原。
「じゃあこれでお願いします」
「ありがとうございました~」
車へ戻る関ヶ原、車内にて。
「…………なんでファンブックと一緒に来ないんだよ!」(帯に書かれた『14巻、ファンブック、小説同時発売!』の文字を見て)
~回想終了~
さて茶番でした。
というわけで明日、即効で最終巻ゲットしたいと思います。
ファンブックには最終巻の内容も書かれててネタバレ食らった気分です(涙)
でもコジキリの読みきり読めたからテンション回復。
さらに有希ちゃんの消失も面白かったので収穫は大であることを確信。
明日への活力になりました。
今現在フォレスト用のヒナ魔を書いている途中ですが、これが終わり次第コジキリも書いてみようかと思っていたり思わなかったり。
そんなことをツイッターでつぶやいたりしてますので、PCでこのサイトを閲覧されてる方はよろしかったらフォローお願いします。
さて長々と書いてしまいましたのでそろそろ話を切りましょうか。
バンブレが終わってこのダメージ、ハヤテが終わったときどんな絶望が待っているのか、今から恐々しています。
最後に、土塚先生、五十嵐先生、本当におつかれさまでした!
では~ ノシ
前回の返信
>ベディアンさん
そうですね……そろそろ彼らにもスポットライトを当ててもいいかもしれないですね(笑)
今度出すときは、crapの続き、という形で出したいです!
>月風丸さん
そう考えると、ハヤテサイトの付き合いもその年月というわけで……なんだか感慨深いものがありますね! インターネットコミュニティというものを大学でならったのですが、ハヤテサイトの繋がりも一種のコミュニティなのではないかと思います。
>KOUさん
東宮夫妻も綾崎夫妻もきっといつまでもラブラブでしょう(笑)
マリアさんじゅうななさいもどんどん登場させたいんですが、相手となりそうな人物が中々原作で登場しなくて……。なるべく結婚相手は原作キャラにしたいなと思っていますので。
ちなみに一時期考えていたのがマリア×マキナでした。
でも「どっちも苗字ねーじゃん!」ということに気づきボツに(泣)
>セイバーさん
ありがとうございます。
惰性と気まぐれで書いてきたら、こんなに歳を重ねていました(笑)
「そうだ、小説でも書いてみよう」という気まぐれで始めたものが、今では趣味と呼べるものまでになりました。
小説というのは、作者の自己満足だと私は思っています(異論は大いに認める)。
その自己満足が、文章という媒体を通してこうして皆様方に楽しんでいただけること、共有していただけることが嬉しくて、今日までやってこれたのかな、と思います。惰性と気まぐれだけじゃないですね、すいません。
小説でも絵でも、歌でも。
自分が『続けられる』と思ったことが趣味に繋がるのではないのでしょうか。
すでに一年以上過ぎていたことに驚いた関ヶ原です。
2009年って……今2010年で、これから2011年になるわけで……。
月日が流れるのが早いのです。
風吹く別荘がすべての始まりですが、それも合わせるともう五年は続いてるのかー……。
歳をとったものです。
まだ二十歳ですが。
深夜の風にあたったせいか、それとも満月のせいか、そんなことを考えてました。
取り敢えずそろそろ寝るとします。
では~ ノシ
前回の返信
>KOUさん
えぇそうです。アテネさんはお茶目なのです。ここまでお茶目にするつもりはなかったのですが……。
でも一度書いてしまったものは仕方ないので、このままさらに悪化させる形でどんどん登場させます(笑)
正直原作読むまでキャラがよく分からなかったので今までベンチを暖めてもらっていたのですが、ようやくマウンドに上がる機会が出来てよかったです。
>ベディアンさん
気遣いのコメントありがとうございます。気をつけます。
アテネさんは原作の動向に人一倍敏感なお方なのです。
もし彼女が原作で何らかのアクションを起こした場合、こっちのアテネさんも原作通りの行動を行うでしょう。歳も関係なしに。
まぁ最近出番のない東宮夫妻が『夫妻』の時点で原作と大きくかけ離れているわけですが(汗)
2009年って……今2010年で、これから2011年になるわけで……。
月日が流れるのが早いのです。
風吹く別荘がすべての始まりですが、それも合わせるともう五年は続いてるのかー……。
歳をとったものです。
まだ二十歳ですが。
深夜の風にあたったせいか、それとも満月のせいか、そんなことを考えてました。
取り敢えずそろそろ寝るとします。
では~ ノシ
前回の返信
>KOUさん
えぇそうです。アテネさんはお茶目なのです。ここまでお茶目にするつもりはなかったのですが……。
でも一度書いてしまったものは仕方ないので、このままさらに悪化させる形でどんどん登場させます(笑)
正直原作読むまでキャラがよく分からなかったので今までベンチを暖めてもらっていたのですが、ようやくマウンドに上がる機会が出来てよかったです。
>ベディアンさん
気遣いのコメントありがとうございます。気をつけます。
アテネさんは原作の動向に人一倍敏感なお方なのです。
もし彼女が原作で何らかのアクションを起こした場合、こっちのアテネさんも原作通りの行動を行うでしょう。歳も関係なしに。
まぁ最近出番のない東宮夫妻が『夫妻』の時点で原作と大きくかけ離れているわけですが(汗)
どうも皆様こんばんわ。
最近風邪が治り掛けの関ヶ原です。
今回は、サイトでお世話になっている方の誕生日ssです。
あやさきけを希望されたのであやさきけで。
ただ今回のあやさきけはいつもと違います。
その理由はタイトル。
そう、満を持して、彼女がいよいよ登場です。
予定よりずいぶん早く登場しましたが、書いていてかなり話が作りやすいキャラクターだと実感しました。
これからはハヤテssでも使っていきたいと思います。
毎度のことながら拙文ですが、読んでいただけると幸いです。
では話が長くなるといけませんので、コメント返信後に本編の方を。
前回の返信
>ちぃさん
はじめまして! 嬉しいコメントありがとうございます!
私の自己満足の拙文ですが、良かったらこれからも見てあげてください!
>ベディアンさん
私もこんなハイペースでテンションおかしくなって風邪を引きました(笑) できれば次回もこんなペースでガンガン書いていきたいです。
>KOUさん
お久しぶりです! しばらく顔を見せられないので心配しました。元気そうで何よりw
11/11……ハヤテの誕生日だったぁぁぁ! 母親の誕生日が一緒なので、そっちばかりに気をとられてましたw まぁハヤテの誕生日は、ヒナギクが自身にリボンを巻いてげふんげふん。
>イクサさん
ありがとうございます……><
いろいろと停滞してますが、これからも頑張って書いていきたいと思います!
では本編をどうぞ~ ノシ
「お姉ちゃん、誰……?」
私が扉を開けると、目の前には凄く綺麗な人がいた。
「こんにちは。お父さんはいるかしら?」
「パパ?」
その人にパパのことを聞かれて、改めてその人をまじまじと見る。
ナギ姉ちゃんに負けず劣らずな位美しい金髪に、すらっとした体躯、そしてママよりも圧倒的にある胸の質量。
はっきり言って、ないすばでぃ、というやつだった。
「えーと……パパに何か用……ですか?」
思わず見とれてしまいそうな位綺麗なその人に尋ねると、その女の人は、まるで。
「ええ。お父さんに『女神が来た』って言えば分かるはずだから」
まるで。
言葉のごとく――女神のような笑みを浮かべて、その人は言った。
『女神、襲来。』
「パ、パパ!」
「おおっと」
大慌てでリビングに飛び込んできたアイカに、くつろいでいた僕とヒナギクは少し驚く。
「ど、どうしたのアイカ……? そんな慌てて」
「そ、それが……」
ヒナギクが心配そうにアイカに聞くが、アイカの息はまだ整っていない。
「はい、取り敢えずこれ飲んで」
「あ、ありがと……」
手元にあった水をアイカに手渡すと、もの凄い勢いでそれを飲み干し、ようやく一息つけたようだ。
「それで? どうしたのアイカ」
改めて僕がアイカに聞くと、
「そ、そう! なんかすっごく綺麗な人がパパ呼んできてって!」
「凄く……綺麗な人?」
『綺麗な人』にヒナギクが僕を凄い目で睨んでくる。
「何ハヤテ……『また』誰か助けたの……?」
「こ、今回はそんなことないと思うけど……」
残念ながら、そんな記憶はない。
というか、ヒナギクの嫉妬が怖いからそんなこと出来ないし。
「ごめん、僕にも検討がつかないよ」
というわけで皆目検討もつかない僕だったが。
「何かその人のことが分かるようなことないかな?」
「分かるようなこと……あ」
「何かあるの?」
僕だったが。
「そうそう。『女神が来た』って伝えてくれって言われたんだけど」
アイカの言葉を聞き終えるまでもなく、僕は玄関へ駆け出していた。
「アーたん!?」
久しぶりに見る彼女は、玄関で手持ち沙汰な様子で、まっすぐ立っていた。
「あ。久しぶり、ハヤテ」
「久しぶり……」
驚きの中で彼女に微笑まれ、思わず僕も笑みが浮かぶ。
「来ちゃった♪」
天王洲アテネ。
この世で最も偉大な女神の名前。
それが彼女の名前。
「来ちゃったって……どうして急に?」
「まぁ良いじゃない。それともハヤテは嬉しくないのかしら?」
「いや嬉しいけど、いきなりで驚いちゃって……。取り敢えず上がってよ」
「ええ。お邪魔するわ」
「て、天王洲さん!?」
「久しぶり桂さん。いえ……今は綾崎さん、かしら」
「ひ、久しぶり……」
リビングに現れた彼女を見て、ヒナギクもかなり驚いたようだ。
そりゃそうだよなぁ……なんてったってアーたんがいきなり現れたんだから。
「ねーねーパパ。この綺麗な人、誰?」
そんな中一人事情が分からないアイカだけが、不満顔で僕の袖を引っ張ってきた。
なんだかのけ者にされたようで嫌だったんだろう。
「あーごめんアイカ。今紹介するよ。彼女は……」
「あら、さっきの可愛いお嬢さん。やっぱりハヤテたちのお子さんだったのね」
僕の言葉を遮って、アーたんがアイカの手をとった。
「こんにちはお嬢さん。私の名前は天王洲アテネ。この世で最も偉大な女神の名前よ」
「アテネ……お姉さん?」
「あら、アテネ、で良いわよ?」
アーたんに微笑まれ、アイカの顔が赤くなる。
それよりもアーたん……その歳になってもその自己紹介なんだね……。
実年齢よりずっと若く見えるからまぁ、アリなんだろうけど。
「不愉快なことを考えてたわね、ハヤテ」
「おわっ」
そんなことを思っていると、いつの間にか眼前にアーたんの傘の先端が来ていた。
「何? デリカシーのなさは相変わらずということ?」
「え? あ、あははー嫌だな……そんなことないって」
「そんなことあるでしょう」
ヒナギク、なんてことを言うんだい。
「あの……」
「ん?」
二人の美女からジト目で見られたじろいでいたところに、救いの手が差し伸べられる。
「あの……アテネお姉さんは、パパとはどういった関係……なんでしょうか?」
あのアイカが恐縮している……。
なんとも珍しい光景を見た。
質問を受けたアーたんは、僕に向けていたものとは思えないくらい優しい目をアイカに向けて、一言。
「元カノよ」
「ふぇ!?」
率直過ぎる答えを言った。
「も、もももももも元カノ!? パパの!?」
「えぇ。加えるなら、アイカちゃんのパパのファーストキスを奪ったのも私よ♪」
「ファーストキス!?」
「え!? ヒナギクも驚くところなの!?」
アイカだけでなく、ヒナギクも僕とアーたんを交互に見ながらわたわたとしていた。
「ちょ、ちょっとパパ!? 一体どういうこと!?」
アイカがもの凄い剣幕で僕に詰め寄ってきた。
おぉ……これは、怖いぞ……。
「い、いやどういうことって……昔のことだし」
「昔!? じゃ、じゃあ事実ってこと……!?」
余りの形相だったので素直に答えたわけだが、逆効果だったようだ。
額に手を当てながら、ふらふらとソファに座り込んだ。
「な、なんてこと……! ママならいざ知らず、こんな綺麗な人まで……」
「あらありがとう」
そんなアイカとは対照的に、アーたんは上機嫌のようだった。
アイカの頭に手を乗せて優しく撫でた、その後に。
「ちなみに高校時代もハヤテとキスしたのよ」
「ふにゃぁぁああ!?」
「はぁぁぁぁ!?」
「ちょ、ちょっとアーたん!? その情報は必要ないんじゃない!?」
アーたんの爆弾発言に、女性から悲鳴が上がった。
僕も心の中で絶叫が上がったよ!
なんてこと言い出すんだ!
「あら、大事なことじゃない。原作の重大パートよ?」
「ワケのわからないこと言わないで!」
「ひ、否定していない……」
「ハヤテ……あなた」
「あ、アイカ……? ヒナギク……?」
ヒナギクとアイカはもう泣きそうだった。
ヒナギクなんか、もう目に涙が浮かんでいる。
泣きたいのはこっちなのに。
「あ、アーたん! どうにかしてよ!」
「あら、やっぱりここはハヤテの仕事でしょう。夫の、父親の、ハヤテが」
「うっ……」
アーたんに助けを求めれば、有無を言わせぬ意味深な笑顔しか返ってこない。
そもそもアーたんが余計なことを言わなければ、この現状は生まれなかったはずなんだけど。
「あー、えーと、ヒナギク? アイカ?」
「なによぉ……」
弱弱しい目を向けられて、胸が痛む。
過去のこと、しかも僕とアーたんの問題を解決した大事な思い出ではあるけれど、今は家族に不安を与えるものである。
僕の中でその思い出はとても美しく、切ないものだったはずなのだけど……。
「…………」
「ん? 何かしらハヤテ?」
横目で眺める彼女は澄まし顔で、でもどこか楽しそうにも見えた。
その表情が何を思っているのか、僕には分からないけれど。
「いや、なんでもない」
僕にやれ、というのだから、きっと僕がやらなければならないことなのだろう。
もしかしたら、ヒナギクたちにこのことを知らせるのが彼女の目的だったのかもしれない。
どんなに僕が綺麗だと思っている思い出でも、ヒナギクたちにとってそれは、気分の良いものではないもののはずだから。
「アイカ、ヒナギク」
それが彼女の伝えたい、僕にやらせたいことなのなら。
再び最愛の家族に視線を戻す。
二人の瞳は、まだ不安に揺れている。
二人の不安を取り除くことが、僕に求められる最低限の、最高の結果のはずだから。
「僕が愛しているのは、二人だから」
だから、二人の目を見てはっきりと伝えた。
嘘偽りの一切ない、正直な気持ちを。
「……本当? パパ……」
「うん、本当だよ」
「嘘……だったら殺すわよ?」
「嘘じゃないから殺せないよ」
物騒だぞマイワイフ。
「とにかく昔の話だから……」
「……それなら」
「良かったぁ」
ヒナギクとアイカが大きなため息をつく。
その様子を見る限りどうやら最高の結果を残せたようで、僕も心底ほっとした。
僕ら三人の様子を見て、アーたんが楽しそうに笑っていた。
「ふふ……ちゃんと父親出来てるのね、ハヤテ」
「もぅ……誰のせいだと思ってるんだよ」
「自分のせいでしょ?」
「アーたんのせいである部分が大きいと思います!」
「あらそうだったかしら?」
けらけらとアーたんは笑って、「でも」と言葉を続けた。
「でもこれで、些末事ではあるけれど……隠し事はなくなったんじゃない?」
「……アーたん、やっぱり……」
どうやら、僕の思っていた通りだったようだ。
自分との過去が、僕たち家族にとって不安の種であると、アーたんは感じていたのだ。
だからこうやって、いきなり我が家にやってきて、カミングアウトして……。
自己犠牲、と言って良いのか分からないが、ずっと僕のことを心配してくれる彼女に胸が熱くなる。
彼女に出会えて、本当に良かったと、心から思う。
「……ありがとう、アーたん」
色々伝えたいこともあったけど、その言葉しか言えなかった。
本当、彼女には頭が下がるばかりだ。
「私は何もしてないわ。ハヤテが一人で解決したのよ」
「うん。でも、お礼を言いたかったんだ」
「……そう」
本当にありがとう、アーたん。
改めて心の中で、頭を下げた。
感謝の気持ちで一杯で、溢れそうだった。
だから。
「――あ、そうそうハヤテ」
「え?」
だから。
「一つ言わなくてはならないことがあったのだけど」
「うん、何?」
――だから、出来れば次の言葉は聞きたくなかったよ、アーたん。
「あなたとの過去をあなたの家族にばらしたのはね、ばらしたら面白いかなーって思ったのが大半の理由なのよ」
「それは今すぐ僕に謝るべきだよアーたん!」
本当、よく彼女と付き合っていたものだ。
当時の自分に拍手を送りたくなった。
…
「今日は楽しかったわ♪」
「僕は疲れたよ……」
「私も……」
「出来れば今回みたいなことは、もうしないようにお願いしたいわね……」
夕方。
僕たち三人は玄関で、アーたんの見送りをしていた。
あの後何だかんだで一緒に夕食を食べて、食べ終えて間もないうちに「そろそろお暇するわ」とアーたんが言ったのだ。
「それと、次来る時は事前に連絡してほしいな。今回はなんのもてなしも出来なかったから」
「そうよ。こちらとしてはもう少しちゃんとしたもの食べてもらいたかったんだから」
ヒナギクがため息をつきながら僕の言葉に便乗してくる。
どうやら今回の一件で、ヒナギクの中のアーたん像が崩れ去ったようだ。
「ふふ……。そういうことなら、次来る時はちゃんと連絡するようにするわね」
「そうしてね」
「そういえば……」
ふと気づいたように、アイカが口を開く。
「どうしてアテネ姉ちゃんは、今日私の家に来たの?」
どうやらアイカもアーたんのイメージが大幅修正されたようだった。
「どうしてってそれはアイカ、僕たちの……」
「でもそれ、今日じゃなくても良かったよね? 私なんかは今日、アテネ姉ちゃんと初対面だったわけだし」
「え?」
アイカの言葉に、返答に困る。
そう言われてみればそうなのだろうけど、でも僕たちのことを思ってアーたんは来てくれたのだ。
だが、やはり彼女は一味も二味も違った。
僕が悩んでいる返答を、アーたんは何も迷うことなく、こう答えた。
「原作の出番が余りにもないから、思わず来ちゃったのよ」
『…………へ?』
「それじゃあね。お邪魔しました♪」
僕たちが反応する前に彼女はそういい残し、軽やかに去って行った。
まるで何事もなかったかのように、あっさりと。
「……本当、大した女神様だよ」
「本当ね」
「……凄い」
自分の家なのに置いてけぼりを食らったような気持ちになって、僕たち家族三人は顔を見合わせながら、苦笑を浮かべたのだった。
全く本当。
気まぐれな女神には困ったものだな、と。
それでも悪い気が全然しないのはやはり彼女が女神だからなのかな。
そんな馬鹿らしいことを考えながら、僕は玄関扉を閉めたのだった。
End
最近風邪が治り掛けの関ヶ原です。
今回は、サイトでお世話になっている方の誕生日ssです。
あやさきけを希望されたのであやさきけで。
ただ今回のあやさきけはいつもと違います。
その理由はタイトル。
そう、満を持して、彼女がいよいよ登場です。
予定よりずいぶん早く登場しましたが、書いていてかなり話が作りやすいキャラクターだと実感しました。
これからはハヤテssでも使っていきたいと思います。
毎度のことながら拙文ですが、読んでいただけると幸いです。
では話が長くなるといけませんので、コメント返信後に本編の方を。
前回の返信
>ちぃさん
はじめまして! 嬉しいコメントありがとうございます!
私の自己満足の拙文ですが、良かったらこれからも見てあげてください!
>ベディアンさん
私もこんなハイペースでテンションおかしくなって風邪を引きました(笑) できれば次回もこんなペースでガンガン書いていきたいです。
>KOUさん
お久しぶりです! しばらく顔を見せられないので心配しました。元気そうで何よりw
11/11……ハヤテの誕生日だったぁぁぁ! 母親の誕生日が一緒なので、そっちばかりに気をとられてましたw まぁハヤテの誕生日は、ヒナギクが自身にリボンを巻いてげふんげふん。
>イクサさん
ありがとうございます……><
いろいろと停滞してますが、これからも頑張って書いていきたいと思います!
では本編をどうぞ~ ノシ
「お姉ちゃん、誰……?」
私が扉を開けると、目の前には凄く綺麗な人がいた。
「こんにちは。お父さんはいるかしら?」
「パパ?」
その人にパパのことを聞かれて、改めてその人をまじまじと見る。
ナギ姉ちゃんに負けず劣らずな位美しい金髪に、すらっとした体躯、そしてママよりも圧倒的にある胸の質量。
はっきり言って、ないすばでぃ、というやつだった。
「えーと……パパに何か用……ですか?」
思わず見とれてしまいそうな位綺麗なその人に尋ねると、その女の人は、まるで。
「ええ。お父さんに『女神が来た』って言えば分かるはずだから」
まるで。
言葉のごとく――女神のような笑みを浮かべて、その人は言った。
『女神、襲来。』
「パ、パパ!」
「おおっと」
大慌てでリビングに飛び込んできたアイカに、くつろいでいた僕とヒナギクは少し驚く。
「ど、どうしたのアイカ……? そんな慌てて」
「そ、それが……」
ヒナギクが心配そうにアイカに聞くが、アイカの息はまだ整っていない。
「はい、取り敢えずこれ飲んで」
「あ、ありがと……」
手元にあった水をアイカに手渡すと、もの凄い勢いでそれを飲み干し、ようやく一息つけたようだ。
「それで? どうしたのアイカ」
改めて僕がアイカに聞くと、
「そ、そう! なんかすっごく綺麗な人がパパ呼んできてって!」
「凄く……綺麗な人?」
『綺麗な人』にヒナギクが僕を凄い目で睨んでくる。
「何ハヤテ……『また』誰か助けたの……?」
「こ、今回はそんなことないと思うけど……」
残念ながら、そんな記憶はない。
というか、ヒナギクの嫉妬が怖いからそんなこと出来ないし。
「ごめん、僕にも検討がつかないよ」
というわけで皆目検討もつかない僕だったが。
「何かその人のことが分かるようなことないかな?」
「分かるようなこと……あ」
「何かあるの?」
僕だったが。
「そうそう。『女神が来た』って伝えてくれって言われたんだけど」
アイカの言葉を聞き終えるまでもなく、僕は玄関へ駆け出していた。
「アーたん!?」
久しぶりに見る彼女は、玄関で手持ち沙汰な様子で、まっすぐ立っていた。
「あ。久しぶり、ハヤテ」
「久しぶり……」
驚きの中で彼女に微笑まれ、思わず僕も笑みが浮かぶ。
「来ちゃった♪」
天王洲アテネ。
この世で最も偉大な女神の名前。
それが彼女の名前。
「来ちゃったって……どうして急に?」
「まぁ良いじゃない。それともハヤテは嬉しくないのかしら?」
「いや嬉しいけど、いきなりで驚いちゃって……。取り敢えず上がってよ」
「ええ。お邪魔するわ」
「て、天王洲さん!?」
「久しぶり桂さん。いえ……今は綾崎さん、かしら」
「ひ、久しぶり……」
リビングに現れた彼女を見て、ヒナギクもかなり驚いたようだ。
そりゃそうだよなぁ……なんてったってアーたんがいきなり現れたんだから。
「ねーねーパパ。この綺麗な人、誰?」
そんな中一人事情が分からないアイカだけが、不満顔で僕の袖を引っ張ってきた。
なんだかのけ者にされたようで嫌だったんだろう。
「あーごめんアイカ。今紹介するよ。彼女は……」
「あら、さっきの可愛いお嬢さん。やっぱりハヤテたちのお子さんだったのね」
僕の言葉を遮って、アーたんがアイカの手をとった。
「こんにちはお嬢さん。私の名前は天王洲アテネ。この世で最も偉大な女神の名前よ」
「アテネ……お姉さん?」
「あら、アテネ、で良いわよ?」
アーたんに微笑まれ、アイカの顔が赤くなる。
それよりもアーたん……その歳になってもその自己紹介なんだね……。
実年齢よりずっと若く見えるからまぁ、アリなんだろうけど。
「不愉快なことを考えてたわね、ハヤテ」
「おわっ」
そんなことを思っていると、いつの間にか眼前にアーたんの傘の先端が来ていた。
「何? デリカシーのなさは相変わらずということ?」
「え? あ、あははー嫌だな……そんなことないって」
「そんなことあるでしょう」
ヒナギク、なんてことを言うんだい。
「あの……」
「ん?」
二人の美女からジト目で見られたじろいでいたところに、救いの手が差し伸べられる。
「あの……アテネお姉さんは、パパとはどういった関係……なんでしょうか?」
あのアイカが恐縮している……。
なんとも珍しい光景を見た。
質問を受けたアーたんは、僕に向けていたものとは思えないくらい優しい目をアイカに向けて、一言。
「元カノよ」
「ふぇ!?」
率直過ぎる答えを言った。
「も、もももももも元カノ!? パパの!?」
「えぇ。加えるなら、アイカちゃんのパパのファーストキスを奪ったのも私よ♪」
「ファーストキス!?」
「え!? ヒナギクも驚くところなの!?」
アイカだけでなく、ヒナギクも僕とアーたんを交互に見ながらわたわたとしていた。
「ちょ、ちょっとパパ!? 一体どういうこと!?」
アイカがもの凄い剣幕で僕に詰め寄ってきた。
おぉ……これは、怖いぞ……。
「い、いやどういうことって……昔のことだし」
「昔!? じゃ、じゃあ事実ってこと……!?」
余りの形相だったので素直に答えたわけだが、逆効果だったようだ。
額に手を当てながら、ふらふらとソファに座り込んだ。
「な、なんてこと……! ママならいざ知らず、こんな綺麗な人まで……」
「あらありがとう」
そんなアイカとは対照的に、アーたんは上機嫌のようだった。
アイカの頭に手を乗せて優しく撫でた、その後に。
「ちなみに高校時代もハヤテとキスしたのよ」
「ふにゃぁぁああ!?」
「はぁぁぁぁ!?」
「ちょ、ちょっとアーたん!? その情報は必要ないんじゃない!?」
アーたんの爆弾発言に、女性から悲鳴が上がった。
僕も心の中で絶叫が上がったよ!
なんてこと言い出すんだ!
「あら、大事なことじゃない。原作の重大パートよ?」
「ワケのわからないこと言わないで!」
「ひ、否定していない……」
「ハヤテ……あなた」
「あ、アイカ……? ヒナギク……?」
ヒナギクとアイカはもう泣きそうだった。
ヒナギクなんか、もう目に涙が浮かんでいる。
泣きたいのはこっちなのに。
「あ、アーたん! どうにかしてよ!」
「あら、やっぱりここはハヤテの仕事でしょう。夫の、父親の、ハヤテが」
「うっ……」
アーたんに助けを求めれば、有無を言わせぬ意味深な笑顔しか返ってこない。
そもそもアーたんが余計なことを言わなければ、この現状は生まれなかったはずなんだけど。
「あー、えーと、ヒナギク? アイカ?」
「なによぉ……」
弱弱しい目を向けられて、胸が痛む。
過去のこと、しかも僕とアーたんの問題を解決した大事な思い出ではあるけれど、今は家族に不安を与えるものである。
僕の中でその思い出はとても美しく、切ないものだったはずなのだけど……。
「…………」
「ん? 何かしらハヤテ?」
横目で眺める彼女は澄まし顔で、でもどこか楽しそうにも見えた。
その表情が何を思っているのか、僕には分からないけれど。
「いや、なんでもない」
僕にやれ、というのだから、きっと僕がやらなければならないことなのだろう。
もしかしたら、ヒナギクたちにこのことを知らせるのが彼女の目的だったのかもしれない。
どんなに僕が綺麗だと思っている思い出でも、ヒナギクたちにとってそれは、気分の良いものではないもののはずだから。
「アイカ、ヒナギク」
それが彼女の伝えたい、僕にやらせたいことなのなら。
再び最愛の家族に視線を戻す。
二人の瞳は、まだ不安に揺れている。
二人の不安を取り除くことが、僕に求められる最低限の、最高の結果のはずだから。
「僕が愛しているのは、二人だから」
だから、二人の目を見てはっきりと伝えた。
嘘偽りの一切ない、正直な気持ちを。
「……本当? パパ……」
「うん、本当だよ」
「嘘……だったら殺すわよ?」
「嘘じゃないから殺せないよ」
物騒だぞマイワイフ。
「とにかく昔の話だから……」
「……それなら」
「良かったぁ」
ヒナギクとアイカが大きなため息をつく。
その様子を見る限りどうやら最高の結果を残せたようで、僕も心底ほっとした。
僕ら三人の様子を見て、アーたんが楽しそうに笑っていた。
「ふふ……ちゃんと父親出来てるのね、ハヤテ」
「もぅ……誰のせいだと思ってるんだよ」
「自分のせいでしょ?」
「アーたんのせいである部分が大きいと思います!」
「あらそうだったかしら?」
けらけらとアーたんは笑って、「でも」と言葉を続けた。
「でもこれで、些末事ではあるけれど……隠し事はなくなったんじゃない?」
「……アーたん、やっぱり……」
どうやら、僕の思っていた通りだったようだ。
自分との過去が、僕たち家族にとって不安の種であると、アーたんは感じていたのだ。
だからこうやって、いきなり我が家にやってきて、カミングアウトして……。
自己犠牲、と言って良いのか分からないが、ずっと僕のことを心配してくれる彼女に胸が熱くなる。
彼女に出会えて、本当に良かったと、心から思う。
「……ありがとう、アーたん」
色々伝えたいこともあったけど、その言葉しか言えなかった。
本当、彼女には頭が下がるばかりだ。
「私は何もしてないわ。ハヤテが一人で解決したのよ」
「うん。でも、お礼を言いたかったんだ」
「……そう」
本当にありがとう、アーたん。
改めて心の中で、頭を下げた。
感謝の気持ちで一杯で、溢れそうだった。
だから。
「――あ、そうそうハヤテ」
「え?」
だから。
「一つ言わなくてはならないことがあったのだけど」
「うん、何?」
――だから、出来れば次の言葉は聞きたくなかったよ、アーたん。
「あなたとの過去をあなたの家族にばらしたのはね、ばらしたら面白いかなーって思ったのが大半の理由なのよ」
「それは今すぐ僕に謝るべきだよアーたん!」
本当、よく彼女と付き合っていたものだ。
当時の自分に拍手を送りたくなった。
…
「今日は楽しかったわ♪」
「僕は疲れたよ……」
「私も……」
「出来れば今回みたいなことは、もうしないようにお願いしたいわね……」
夕方。
僕たち三人は玄関で、アーたんの見送りをしていた。
あの後何だかんだで一緒に夕食を食べて、食べ終えて間もないうちに「そろそろお暇するわ」とアーたんが言ったのだ。
「それと、次来る時は事前に連絡してほしいな。今回はなんのもてなしも出来なかったから」
「そうよ。こちらとしてはもう少しちゃんとしたもの食べてもらいたかったんだから」
ヒナギクがため息をつきながら僕の言葉に便乗してくる。
どうやら今回の一件で、ヒナギクの中のアーたん像が崩れ去ったようだ。
「ふふ……。そういうことなら、次来る時はちゃんと連絡するようにするわね」
「そうしてね」
「そういえば……」
ふと気づいたように、アイカが口を開く。
「どうしてアテネ姉ちゃんは、今日私の家に来たの?」
どうやらアイカもアーたんのイメージが大幅修正されたようだった。
「どうしてってそれはアイカ、僕たちの……」
「でもそれ、今日じゃなくても良かったよね? 私なんかは今日、アテネ姉ちゃんと初対面だったわけだし」
「え?」
アイカの言葉に、返答に困る。
そう言われてみればそうなのだろうけど、でも僕たちのことを思ってアーたんは来てくれたのだ。
だが、やはり彼女は一味も二味も違った。
僕が悩んでいる返答を、アーたんは何も迷うことなく、こう答えた。
「原作の出番が余りにもないから、思わず来ちゃったのよ」
『…………へ?』
「それじゃあね。お邪魔しました♪」
僕たちが反応する前に彼女はそういい残し、軽やかに去って行った。
まるで何事もなかったかのように、あっさりと。
「……本当、大した女神様だよ」
「本当ね」
「……凄い」
自分の家なのに置いてけぼりを食らったような気持ちになって、僕たち家族三人は顔を見合わせながら、苦笑を浮かべたのだった。
全く本当。
気まぐれな女神には困ったものだな、と。
それでも悪い気が全然しないのはやはり彼女が女神だからなのかな。
そんな馬鹿らしいことを考えながら、僕は玄関扉を閉めたのだった。
End
どうも皆様こんばんわ、関ヶ原です。
前々から言っていたハロウィンのss、出来たのでうpします。
つーか我ながらずいぶん早い更新になりました。
その分内容が紙、ということなのか……?
どうせ紙ならB5サイズがいい。
使いやすいから。
そんな戯言は置いておいて、今回の作品も短くなってしまいました。
一年ほど前に書いたハロウィンssとはエライ違いです。
短いから出来たの早かったのか……。
ま、まぁいいでしょう。
細かいことを気にしては駄目な気がする。
量より質も大事!
量も質もないかもしれないけれど!
でも心の広い皆様なら分かってくれる……よね?
分かってくれますよね?
ごめんなさい許してください悪気なんてなかったんです。
次回から頑張ります、多分。
さてお話も長くなりましたし、前回の返信をさせていただいてから本編といきましょう。
前回の返信
>ベディアンさん
気遣いのコメントありがとうございます。健康だけが取り得なので頑張ります。
年を重ねることに大きくなり、少しずつ変わっていくアイカ嬢ですが、根本はやっぱりアイカなのです。
そんなアイカが大好きなんだと思います、ハヤヒナ夫婦は。
さて、それでは本編をどうぞ ノシ
『あやさきさん家のハロウィン』
「そういえば今日ってハロウィンなんだよねー」
夕食の席についたアイカが、ふと思い出したようにそんなことを言い出したのは、十月も最後の日となった十月三十一日。
いわゆるトリックオアトリート、ハロウィンだ。
「うん、そうだね」
「だから一応、今日の夕飯にはカボチャとか使ってるんだけど」
アイカの言葉に私もハヤテもうなずく。
「というか結構ハロウィンに関係のあるもの置いてたりしてたんだけど……気づかなかった?」
「え? そうなの?」
「そうよ。玄関とかにあったじゃない」
「ちょっと見てくる」
私たちの言葉を受けて、アイカが席を立った。
去年のハロウィンはハヤテが一人で頑張ってちょっとしたパーティ会場を用意してくれたので、今年はあまり無理をせずにハロウィンっぽいことをしよう、というのが私たちの間での決定だった。
だから身近なところで、仄かにハロウィンを感じられるようにしていたのだ。
玄関に小さなカボチャの置物を置いたり、夕飯にカボチャを多く使ったり。
「本当だね。全然気づかなかったよ」
玄関を見てきたアイカも、ハロウィングッズに気づいたようだ。
「結構分かりやすいと思うんだけど……」
「あはは」
「……なんで気づかなかったのかな?」
アイカは今まで気づかなかったようだけれど、このリビングの所々にも、自己主張の弱いハロウィンらしきものがある。
小さなカボチャとか、カボチャを象ったランプとか、電話機の近くにあるメモ用紙がカボチャだったりとか。
「……というかカボチャばっかりだね」
「そこは突っ込まない」
それなりの数があったが、その全てがカボチャだった。
「なんで?」
不思議がるアイカに見つめられ、若干たじろぐ私。
し、仕方ないじゃない。
私とハヤテの中では、ハロウィン=カボチャだったんだから!
「やっぱりカボチャが一番ハロウィンらしいな、と思ったんだよ」
返す言葉に困っている私に、ハヤテが助け舟を出してくれた。
「ふーん……。でも、そうだね。私もハロウィンといったらカボチャのイメージが強いもん」
アイカの思考回路も大体私たちと一緒らしい。
流石は私たちの娘。
「でも今回は仮装とかしないの?」
「え?」
「去年は確か、カボチャとかくり貫いたり色々したよね、パパ」
その娘が言っているのは、去年のハヤテが頑張ったハロウィンのことだろう。
冒頭辺りでも言ったとおり、今年のハロウィンはそこまで力を入れないという方針なので、アイカに返す言葉もそれである。
「そうだね。だから今年のハロウィンは力を入れずに……っていうのは変なんだけど、こんな感じにしようってヒナギクと決めたんだよ」
「そうなの?」
「えぇ」
「そうなんだぁ……」
「そうなんだよ」
ほほーと頷くアイカを少し可笑しく思いながら、私とハヤテは顔を見合わせて微笑む。
去年のようなハロウィンじゃないことをアイカはどう思うのか、と思っていたのだけど、見た感じでは嫌ではなさそうだ。
アイカの思考回路も、私たち夫婦と大体一緒、ということはさっき私が感じたこと。
「それにね、アイカ」
だったら、きっと私が感じていることもアイカはわかってくれるはず。
「こっちの方が私たちらしくっていいでしょ?」
派手ではないけれど。
イベントというには静か過ぎるかも知れないけれど、家族で一つの何かを感じたり、祝ったりすることが出来る。
クリスマスに家族皆でケーキを食べてメリークリスマスと言ったり、お正月にはお餅を食べながら新年の特番を見たり。
そんな感じが、私たちらしいと思ったから、今回のハロウィンを提案したのだ。
去年のハヤテの頑張りを否定するみたいでハヤテに言うのはとても憚られたのだけど、
『うん、僕もそっちの方が僕たちらしいと思う』
そう言ってくれた。
嬉しくてキスしちゃったわよ、思わず。
これが、私たち夫婦の一存で決まったハロウィンの方針なのだった。
「アイカは去年とどっちが好きなのかしら?」
「私、は」
少し前のハヤテとのやり取りを思い出しながら、アイカの返事を待つ。
思案顔をしながら、眼前の夕飯を見て、周りを見回して、そして私たちの顔を交互に見たアイカは。
「……私もこっちの方が良いかな」
そう言ったのだった。
「なんかこっちの方が落ち着くんだもん」
「そっか」
アイカの言葉に私たちは笑った。
アイカが私たちと同じ事を思ってくれたのが、嬉しかった。
「じゃあ夕飯の続きだね」
「そうね」
「うん!」
家族の総意も決まったところで、私たちは再び夕飯を食べ始めた。
「……カボチャのスープちょっと冷めちゃったね」
「暖めなおす?」
「ううん、十分美味しいからいい」
「……そう」
外国でやっているような賑やかなものではない、私たちのハロウィン。
トリックオアトリートであげるようなお菓子もなければ、カボチャの切り抜きもないけれど。
「……本当だ、美味しい」
家族で楽しむ位には十分すぎた事が嬉しくて、私は一人、小さく笑ったのだった。
カボチャのスープは冷めていたけれど、身体が温まったのはきっと、家族のお陰だろう。
…
「トリックオアトリート、ヒナ! お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞー!」
「トリックオアトリート、ヒナちゃん! お菓子をくれなきゃ悪戯するよー!」
「トリックオアトリート! お金貸してヒナ!」
「帰りなさい。特に最後」
その後、突然仮装姿で玄関に現れた友人と姉に言い放った言葉がとても冷ややかなものだったのは、言うまでもない。
End
前々から言っていたハロウィンのss、出来たのでうpします。
つーか我ながらずいぶん早い更新になりました。
その分内容が紙、ということなのか……?
どうせ紙ならB5サイズがいい。
使いやすいから。
そんな戯言は置いておいて、今回の作品も短くなってしまいました。
一年ほど前に書いたハロウィンssとはエライ違いです。
短いから出来たの早かったのか……。
ま、まぁいいでしょう。
細かいことを気にしては駄目な気がする。
量より質も大事!
量も質もないかもしれないけれど!
でも心の広い皆様なら分かってくれる……よね?
分かってくれますよね?
ごめんなさい許してください悪気なんてなかったんです。
次回から頑張ります、多分。
さてお話も長くなりましたし、前回の返信をさせていただいてから本編といきましょう。
前回の返信
>ベディアンさん
気遣いのコメントありがとうございます。健康だけが取り得なので頑張ります。
年を重ねることに大きくなり、少しずつ変わっていくアイカ嬢ですが、根本はやっぱりアイカなのです。
そんなアイカが大好きなんだと思います、ハヤヒナ夫婦は。
さて、それでは本編をどうぞ ノシ
『あやさきさん家のハロウィン』
「そういえば今日ってハロウィンなんだよねー」
夕食の席についたアイカが、ふと思い出したようにそんなことを言い出したのは、十月も最後の日となった十月三十一日。
いわゆるトリックオアトリート、ハロウィンだ。
「うん、そうだね」
「だから一応、今日の夕飯にはカボチャとか使ってるんだけど」
アイカの言葉に私もハヤテもうなずく。
「というか結構ハロウィンに関係のあるもの置いてたりしてたんだけど……気づかなかった?」
「え? そうなの?」
「そうよ。玄関とかにあったじゃない」
「ちょっと見てくる」
私たちの言葉を受けて、アイカが席を立った。
去年のハロウィンはハヤテが一人で頑張ってちょっとしたパーティ会場を用意してくれたので、今年はあまり無理をせずにハロウィンっぽいことをしよう、というのが私たちの間での決定だった。
だから身近なところで、仄かにハロウィンを感じられるようにしていたのだ。
玄関に小さなカボチャの置物を置いたり、夕飯にカボチャを多く使ったり。
「本当だね。全然気づかなかったよ」
玄関を見てきたアイカも、ハロウィングッズに気づいたようだ。
「結構分かりやすいと思うんだけど……」
「あはは」
「……なんで気づかなかったのかな?」
アイカは今まで気づかなかったようだけれど、このリビングの所々にも、自己主張の弱いハロウィンらしきものがある。
小さなカボチャとか、カボチャを象ったランプとか、電話機の近くにあるメモ用紙がカボチャだったりとか。
「……というかカボチャばっかりだね」
「そこは突っ込まない」
それなりの数があったが、その全てがカボチャだった。
「なんで?」
不思議がるアイカに見つめられ、若干たじろぐ私。
し、仕方ないじゃない。
私とハヤテの中では、ハロウィン=カボチャだったんだから!
「やっぱりカボチャが一番ハロウィンらしいな、と思ったんだよ」
返す言葉に困っている私に、ハヤテが助け舟を出してくれた。
「ふーん……。でも、そうだね。私もハロウィンといったらカボチャのイメージが強いもん」
アイカの思考回路も大体私たちと一緒らしい。
流石は私たちの娘。
「でも今回は仮装とかしないの?」
「え?」
「去年は確か、カボチャとかくり貫いたり色々したよね、パパ」
その娘が言っているのは、去年のハヤテが頑張ったハロウィンのことだろう。
冒頭辺りでも言ったとおり、今年のハロウィンはそこまで力を入れないという方針なので、アイカに返す言葉もそれである。
「そうだね。だから今年のハロウィンは力を入れずに……っていうのは変なんだけど、こんな感じにしようってヒナギクと決めたんだよ」
「そうなの?」
「えぇ」
「そうなんだぁ……」
「そうなんだよ」
ほほーと頷くアイカを少し可笑しく思いながら、私とハヤテは顔を見合わせて微笑む。
去年のようなハロウィンじゃないことをアイカはどう思うのか、と思っていたのだけど、見た感じでは嫌ではなさそうだ。
アイカの思考回路も、私たち夫婦と大体一緒、ということはさっき私が感じたこと。
「それにね、アイカ」
だったら、きっと私が感じていることもアイカはわかってくれるはず。
「こっちの方が私たちらしくっていいでしょ?」
派手ではないけれど。
イベントというには静か過ぎるかも知れないけれど、家族で一つの何かを感じたり、祝ったりすることが出来る。
クリスマスに家族皆でケーキを食べてメリークリスマスと言ったり、お正月にはお餅を食べながら新年の特番を見たり。
そんな感じが、私たちらしいと思ったから、今回のハロウィンを提案したのだ。
去年のハヤテの頑張りを否定するみたいでハヤテに言うのはとても憚られたのだけど、
『うん、僕もそっちの方が僕たちらしいと思う』
そう言ってくれた。
嬉しくてキスしちゃったわよ、思わず。
これが、私たち夫婦の一存で決まったハロウィンの方針なのだった。
「アイカは去年とどっちが好きなのかしら?」
「私、は」
少し前のハヤテとのやり取りを思い出しながら、アイカの返事を待つ。
思案顔をしながら、眼前の夕飯を見て、周りを見回して、そして私たちの顔を交互に見たアイカは。
「……私もこっちの方が良いかな」
そう言ったのだった。
「なんかこっちの方が落ち着くんだもん」
「そっか」
アイカの言葉に私たちは笑った。
アイカが私たちと同じ事を思ってくれたのが、嬉しかった。
「じゃあ夕飯の続きだね」
「そうね」
「うん!」
家族の総意も決まったところで、私たちは再び夕飯を食べ始めた。
「……カボチャのスープちょっと冷めちゃったね」
「暖めなおす?」
「ううん、十分美味しいからいい」
「……そう」
外国でやっているような賑やかなものではない、私たちのハロウィン。
トリックオアトリートであげるようなお菓子もなければ、カボチャの切り抜きもないけれど。
「……本当だ、美味しい」
家族で楽しむ位には十分すぎた事が嬉しくて、私は一人、小さく笑ったのだった。
カボチャのスープは冷めていたけれど、身体が温まったのはきっと、家族のお陰だろう。
…
「トリックオアトリート、ヒナ! お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞー!」
「トリックオアトリート、ヒナちゃん! お菓子をくれなきゃ悪戯するよー!」
「トリックオアトリート! お金貸してヒナ!」
「帰りなさい。特に最後」
その後、突然仮装姿で玄関に現れた友人と姉に言い放った言葉がとても冷ややかなものだったのは、言うまでもない。
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