関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうも関ヶ原です。
言っておいた通り、新作です。
といってもすでにピクシブのほうでは挙がっているのですが(汗
今回は普通のハヤヒナを書かせていただきました。
理由は特にないです(笑
ただ初めてピクシブの方に小説をアップするので、普通のほうがいいかなと思ったので。
相変わらずの拙文ですが、良かったら見てくださいね!
では~ ☆
『夏の日』
「暑いわ」
八月も中旬にさしかかり、テレビでは連日甲子園が流れている、そんな夏の日。
生徒会室の椅子に腰掛けながら、ヒナギクさんがそんなことを言った。
「暑いですねぇ」
白皇学院は現在夏休み真っ只中。
しかし生徒会長であるヒナギクさんには、そんな長期休暇でも仕事があるらしい。
どこまで生徒任せな学校なのだろうか、と思わなくもない。
「ていうか、ハヤテ君はどうしてここにいるのよ? 生徒会の役員でもないのに」
休暇が休暇じゃなくなっているヒナギクさんに心の中で同情していると、件のヒナギクさんが僕に問いかけてきた。
ナギお嬢様の執事である僕が、仕事もしないでここにいるのだから不思議に思うのも無理はない。
「まぁ……理由なんていいじゃないですか」
「良くないわよ。仕事手伝ってもらってるこっちとしては非常にありがたい話だけど」
まぁこっちの方が話が書きやすいだとか、そんなご都合主義的な理由もあるのだけれど、実際の理由は別にあったりもする。
ヒナギクさんには、言えないけれど。
言えないからこそ、はぐらかすしかないのだ。
「ありがたい話なら、別にいいでしょ?」
「……それで済ませると、なんだかパッとしないのよ」
ハヤテ君だって仕事あるんでしょ? と言いながら、ヒナギクさんは頬を机にくっつける。
「何してるんですか?」
「いや……冷たいのかなーって」
その姿勢のまま答えたヒナギクさんに、思わず苦笑する。
「仕事放棄ですか?」
「ハヤテ君が曖昧なこと言うからよ」
余計なこと考えて、余計に熱くなっちゃったじゃない、とはヒナギクさんの言葉。
考えることも放棄してくれたらしい。
そりゃ、この暑さなわけだし、少しでも涼しいものがあれば縋りたくなる気持ちもわからなくないけれど、それでもヒナギクさんのその姿は、なんだかとても可愛らしいものがある。
「それはすいません。でもヒナギクさん」
「何よ?」
「ヒナギクさんのその格好、何だか可愛いですね」
「―――っ」
僕がここにいる理由をはぐらかしてしまったので、今度は思ったことを率直に言ってみよう。
そういうわけで言ってみたわけだが、そのせいでヒナギクさんの顔が真っ赤になった。
「な、な、何言い出すのよ突然!?」
机にはっつけていた顔を勢い良く離し、叫ぶようにヒナギクさんが僕に言う。
「か、か、か……」
「いや……思ったことをそのまま言っただけですけど」
「だから!」
その顔は相変わらず赤いままで、照れているのだろう、言葉の後半は小さくて聞き取れない。
……うん。可愛い。
「暑くてだらけているヒナギクさんが可愛かったものですから、つい本音がポロッと」
「本音って……! うぅ……」
別にからかっているわけでもなく、面白がっているつもりもない。
可愛いと思ったから、可愛いと言っただけ。
ただそのせいで、ヒナギクさんの体温がかなり上昇しているように見える。
今にも倒れそうな位に顔も赤いし。
「あはは、すいません。驚かせるつもりはなかったんですけど」
「つもりはなかったって……かなり驚いたわよ。倒れるかと思ったわ」
あー暑い、と手でぱたぱたと顔を仰ぐヒナギクさん。
「…………」
「? どうしたのハヤテ君? 私の顔に何か付いてる?」
「いや……」
その行動を可愛いと思ってしまうのは、きっと僕だけじゃないはず。
「やっぱり、可愛いですねヒナギクさんは」
「―――!!」
だから考える前に口に出して言ってしまうのは、仕方のないこと。
もはや、反射の域といっても過言ではない。
「あれ? ヒナギクさん?」
「…………」
「ヒナギクさーん?」
「……うぅ」
ヒナギクさんの顔の熱が下がったのはほんの一瞬で、僕の言葉によって再びその顔は真っ赤になった。
ただ今回違うのは、大きな声が返ってこないということと。
「…………」
そのまま、机に伏せてしまったこと。
「頭から湯気が出てる……」
「……誰のせいよ」
言葉を返す気力すら奪われたかのような、小さな返答だった。
「もぅ……ハヤテ君の馬鹿。ヘンタイ」
「ヘンタイは言いすぎかと」
苦笑はするが、笑顔にもなる。
こうしてヒナギクさんと話す時間が楽しいから。
「ハヤテ君のせいで、仕事に集中できないじゃない……」
「それじゃあもう少し、僕と話しましょう」
僕が生徒会室にいる理由。
ご都合主義とか、そんなことを言ったのだけれど本当の理由は。
「僕はもっとヒナギクさんとお話したいので」
好きな女の子と一緒にいたいから。
こんな理由できっと彼女は納得しないだろうけど、もっと可愛い姿をみせてくれるはずだろう。
そんなことを考えてしまう僕こそ、ひょっとしたら暑さでおかしくなっているのかもしれない。
End
言っておいた通り、新作です。
といってもすでにピクシブのほうでは挙がっているのですが(汗
今回は普通のハヤヒナを書かせていただきました。
理由は特にないです(笑
ただ初めてピクシブの方に小説をアップするので、普通のほうがいいかなと思ったので。
相変わらずの拙文ですが、良かったら見てくださいね!
では~ ☆
『夏の日』
「暑いわ」
八月も中旬にさしかかり、テレビでは連日甲子園が流れている、そんな夏の日。
生徒会室の椅子に腰掛けながら、ヒナギクさんがそんなことを言った。
「暑いですねぇ」
白皇学院は現在夏休み真っ只中。
しかし生徒会長であるヒナギクさんには、そんな長期休暇でも仕事があるらしい。
どこまで生徒任せな学校なのだろうか、と思わなくもない。
「ていうか、ハヤテ君はどうしてここにいるのよ? 生徒会の役員でもないのに」
休暇が休暇じゃなくなっているヒナギクさんに心の中で同情していると、件のヒナギクさんが僕に問いかけてきた。
ナギお嬢様の執事である僕が、仕事もしないでここにいるのだから不思議に思うのも無理はない。
「まぁ……理由なんていいじゃないですか」
「良くないわよ。仕事手伝ってもらってるこっちとしては非常にありがたい話だけど」
まぁこっちの方が話が書きやすいだとか、そんなご都合主義的な理由もあるのだけれど、実際の理由は別にあったりもする。
ヒナギクさんには、言えないけれど。
言えないからこそ、はぐらかすしかないのだ。
「ありがたい話なら、別にいいでしょ?」
「……それで済ませると、なんだかパッとしないのよ」
ハヤテ君だって仕事あるんでしょ? と言いながら、ヒナギクさんは頬を机にくっつける。
「何してるんですか?」
「いや……冷たいのかなーって」
その姿勢のまま答えたヒナギクさんに、思わず苦笑する。
「仕事放棄ですか?」
「ハヤテ君が曖昧なこと言うからよ」
余計なこと考えて、余計に熱くなっちゃったじゃない、とはヒナギクさんの言葉。
考えることも放棄してくれたらしい。
そりゃ、この暑さなわけだし、少しでも涼しいものがあれば縋りたくなる気持ちもわからなくないけれど、それでもヒナギクさんのその姿は、なんだかとても可愛らしいものがある。
「それはすいません。でもヒナギクさん」
「何よ?」
「ヒナギクさんのその格好、何だか可愛いですね」
「―――っ」
僕がここにいる理由をはぐらかしてしまったので、今度は思ったことを率直に言ってみよう。
そういうわけで言ってみたわけだが、そのせいでヒナギクさんの顔が真っ赤になった。
「な、な、何言い出すのよ突然!?」
机にはっつけていた顔を勢い良く離し、叫ぶようにヒナギクさんが僕に言う。
「か、か、か……」
「いや……思ったことをそのまま言っただけですけど」
「だから!」
その顔は相変わらず赤いままで、照れているのだろう、言葉の後半は小さくて聞き取れない。
……うん。可愛い。
「暑くてだらけているヒナギクさんが可愛かったものですから、つい本音がポロッと」
「本音って……! うぅ……」
別にからかっているわけでもなく、面白がっているつもりもない。
可愛いと思ったから、可愛いと言っただけ。
ただそのせいで、ヒナギクさんの体温がかなり上昇しているように見える。
今にも倒れそうな位に顔も赤いし。
「あはは、すいません。驚かせるつもりはなかったんですけど」
「つもりはなかったって……かなり驚いたわよ。倒れるかと思ったわ」
あー暑い、と手でぱたぱたと顔を仰ぐヒナギクさん。
「…………」
「? どうしたのハヤテ君? 私の顔に何か付いてる?」
「いや……」
その行動を可愛いと思ってしまうのは、きっと僕だけじゃないはず。
「やっぱり、可愛いですねヒナギクさんは」
「―――!!」
だから考える前に口に出して言ってしまうのは、仕方のないこと。
もはや、反射の域といっても過言ではない。
「あれ? ヒナギクさん?」
「…………」
「ヒナギクさーん?」
「……うぅ」
ヒナギクさんの顔の熱が下がったのはほんの一瞬で、僕の言葉によって再びその顔は真っ赤になった。
ただ今回違うのは、大きな声が返ってこないということと。
「…………」
そのまま、机に伏せてしまったこと。
「頭から湯気が出てる……」
「……誰のせいよ」
言葉を返す気力すら奪われたかのような、小さな返答だった。
「もぅ……ハヤテ君の馬鹿。ヘンタイ」
「ヘンタイは言いすぎかと」
苦笑はするが、笑顔にもなる。
こうしてヒナギクさんと話す時間が楽しいから。
「ハヤテ君のせいで、仕事に集中できないじゃない……」
「それじゃあもう少し、僕と話しましょう」
僕が生徒会室にいる理由。
ご都合主義とか、そんなことを言ったのだけれど本当の理由は。
「僕はもっとヒナギクさんとお話したいので」
好きな女の子と一緒にいたいから。
こんな理由できっと彼女は納得しないだろうけど、もっと可愛い姿をみせてくれるはずだろう。
そんなことを考えてしまう僕こそ、ひょっとしたら暑さでおかしくなっているのかもしれない。
End
どうもこんばんわ、関ヶ原です。
言っていた通り、新作です。
今回の話は原作からネタを貰いました。
コミックス派の方はコミックスを買った際、なんの話なのか確認してみてくださいね!
深夜でテンションがおかしいです。
文章もおかしいかもしれません。
でも気にしません。
ワードのスペルチェックを信じてますから!
間違っていた部分等ありましたら颯の如く直します。
よく見られるのが空白ミスや字被りなんですよね……。
うp前にチェックしてるんですが、それでもミスがあるのは関ヶ原七不思議です。
視力落ちたのかな……今まで生きてきて落ちたこと一回もないのに……。
まぁそんな与太話はここまでにして、良かったら読んでみてください。
それでは~☆
「そういえば」
期末試験が終わって、我が白皇学院では夏休みが始まっていた。
といっても課題は多いし、三年生にとっては全然休みではない時期なのだけど。
「ヒナギクさん、耐性が付きましたよね」
「は?」
そんな時期。
私の部屋でテーブル向かいに座っていたハヤテ君が唐突に言った言葉に、私は頭に疑問符を浮かべた。
「耐性?」
「はい、耐性」
頷くハヤテ君を見て何のことだろうかと考える。
しかし全然、皆目見当も付かない。
「えーと……ハヤテ君、何の話かしら?」
ここは素直に聞いたほうが手っ取り早いだろう、ということでハヤテ君に問いかけると、
「恋愛の耐性が付いたなぁ、と思いまして」
―――そんなお返事が返ってきた。
「……恋愛?」
「はい。恋愛の耐性です」
………………はい?
『恋愛耐性』
三点リーダを六個も使ってしまったが、相変わらずハヤテ君の言っていることが理解できない私がいた。
(え? 何? 恋愛? 耐性?)
ハヤテ君の言葉を頭で何度もリピートするが、全然意味が分からない。
というか、手っ取り早く答えを知ろうと思って聞いたのに、ますますこんがらがった気がする。
「あのー……ハヤテ君?」
「はい、何でしょう?」
ニコり、と優しげな笑みを浮かべてハヤテ君がこちらを見た。
思わずときめいてしまったがしかし、今は言葉の意味を理解しないと。
「その……どういう意味?」
素直に聞いたからこんがらがってしまったのだけど、それでもまた聞くしかない。
だって、分からないんだもの。
「恋愛の耐性ってどういうこと?」
恋愛と耐性のそれぞれの意味なら分かるけれど、その二つの単語がどういう意味を持って組み合わさるのかが分からない。
頭の疑問符を増やしながらハヤテ君の解答を待っていると、
「あ、すいません。伝わりにくかったですね」
にくかった、というか伝わらなかったんだけど。
脳内でそうツッコミを入れて、ハヤテ君の言葉の続きを待つ。
「まぁ簡単に言いますと、恋愛に慣れてきたってことです」
ハヤテ君は、そう言葉を続けた。
「……慣れる? 恋愛に?」
「はい」
なるほど、先ほどよりは分かりやすい答えになったのだけど……。
「……それってなんだか、私が悪い女みたいに聞こえるのだけど……」
恋愛に慣れている、って確かそういう意味合いがあったんじゃないっけ? 詳しくは分からないんだけど。
付き合ったことのある男の人が多いから、恋愛慣れしてるっていう。
「あれ? ひょっとして私、ハヤテ君に誤解されてるの?」
「え?」
だって、つまりハヤテ君は私のことを『恋愛経験豊富な女』って認識してるってことになるじゃない。
……そんな!
「失礼ね! ハヤテ君以外と付き合ったことなんてないわよ!」
「すいませんすいません! そういう意味じゃないんです!」
「じゃあどういう意味よ!」
大好きな人にそんなことを思われていたなんて、怒り心頭というよりも、悲しさのほうが大きい。
初恋の相手が彼氏なのに、どうやって他の男の子と付き合えっていうのよ……。
「これですよ、これ!」
憤る私に、酷く慌てた様子でハヤテ君はテーブルのグラスを指差した。
ハヤテ君が来たときに私が持ってきたのだ。
私のコップは空だけど、ハヤテ君のはまだ少し残っている。
「? これがどうしたっていうのよ」
「さっきヒナギクさん、僕のコップに口をつけましたよね」
「え? まぁハヤテ君のコップで飲んだけど……」
それがどうしたというのだろうか。
もし話を逸らそうというのなら、そんなことで話を逸らせるほど私は甘くない。
というか、もしそうならハヤテ君に幻滅する。
「だから! それがどうしたというのよ!」
「それってほら、間接キスじゃないですか」
「……へ?」
ハヤテ君が続けた言葉に、ぽかんとなる。
間接キス?
「付き合い始めの頃とか、手を繋ぐだけでもヒナギクさんは恥ずかしがっていたでしょう? だから、平然と間接キスをするヒナギクさんを見て、慣れたなぁと思ったんですよ」
……えーと。
「あ、恋愛慣れってそういうこと?」
「そうですそうです。だから、別にヒナギクさんが軽い女とか、そんな意味じゃ全くないんですよ」
誤解させる言い方ですいません、とハヤテ君は頭を下げた。
それを見て、私は安堵の息をもらす。
「良かった……。もしハヤテ君にそんな風に思われていたんだったら、ハヤテ君を殺して私も死ぬところだったわよ」
「あはは……それは急死に一生を得ました」
ちなみに冗談で言ったわけでなかったりする。
しかし本当に良かった。
「もう……慌てさせないでよね」
「本当にすいません」
「私はハヤテ君一筋なんだから」
私はそう言って、もう一度ハヤテ君の飲み物を口に含む。
大きな声を出したから喉が渇いてしまった。
「んー」
「どうしました?」
「いや……」
冷たい飲み物が喉を通るのを感じながら、ハヤテ君の言葉を考えてみる。
確かに、ハヤテ君の言う通りかもしれない。
「私、あまり照れなくなったわね、確かに」
「でしょ?」
「うん」
付き合い始めの頃は実際、手を繋ぐどころか一緒に帰ることすら照れくさかったものだ。
間接キスなんて論外もいいところ。
「間接キスが全然恥ずかしいとは思えなくなってるもの、私」
それが今は、こんなにも平然とハヤテ君の飲んだ物を口に含むことが出来る。
随分と進歩したものだ、としみじみ思う。恋愛に進歩があるかどうかは分からないけれど。
「これが慣れっていうのなら、確かにそうかもしれないわ」
「でも慣れるのは良いことだと思います」
「そうなの?」
「はい」
だって、とハヤテ君は言葉を続けた。
「それって今以上にヒナギクさんと仲良く出来るってことじゃないですか」
「へ?」
「今までは手を握っても恥ずかしがられてましたけど、そういうのが大丈夫だってことですし」
「まぁ……そうだけど」
改めて言われると照れる。
慣れたって言ったって恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
「あれ? ヒナギクさん照れてます?」
「……うるさいわね。誰のせいよ」
「ヒナギクさん、可愛いです」
「……ふんだ」
まずそのニヤケ顔をやめてくれないかしら? 腹が立つから。
そんなことを言っても、この赤い顔をどうにかしないと意味がないと思うけれど。
「あれ? もう少し慌てると思ったんですけど」
「……余り私を甘く見ないで貰いたいわね」
意味がないと思うけれど、悔しいから反抗。
ジト目でハヤテ君を睨みながらそう言うと、
「はは、すいません」
「…………」
相変わらずの笑顔で笑っていた。
その顔は正直言って、ずるいと思う。
「ヒナギクさん」
「……何よ」
「キス、しましょうか」
その顔でそんなこと言われたら、嫌なんて言えないじゃない。
「……そういうのは一々確認しないで勝手にしなさいよ」
「え?」
だから。
―――素直に頷きたくないから、こう言ってやるのだ。
「――――恋愛耐性、付いたんでしょ?」
もう少し耐性が付いたのなら、今度はこっちからハヤテ君を照れさせてやろう。
そんなことを思いながら、私は目を閉じてハヤテ君の唇を待つ。
End
言っていた通り、新作です。
今回の話は原作からネタを貰いました。
コミックス派の方はコミックスを買った際、なんの話なのか確認してみてくださいね!
深夜でテンションがおかしいです。
文章もおかしいかもしれません。
でも気にしません。
ワードのスペルチェックを信じてますから!
間違っていた部分等ありましたら颯の如く直します。
よく見られるのが空白ミスや字被りなんですよね……。
うp前にチェックしてるんですが、それでもミスがあるのは関ヶ原七不思議です。
視力落ちたのかな……今まで生きてきて落ちたこと一回もないのに……。
まぁそんな与太話はここまでにして、良かったら読んでみてください。
それでは~☆
「そういえば」
期末試験が終わって、我が白皇学院では夏休みが始まっていた。
といっても課題は多いし、三年生にとっては全然休みではない時期なのだけど。
「ヒナギクさん、耐性が付きましたよね」
「は?」
そんな時期。
私の部屋でテーブル向かいに座っていたハヤテ君が唐突に言った言葉に、私は頭に疑問符を浮かべた。
「耐性?」
「はい、耐性」
頷くハヤテ君を見て何のことだろうかと考える。
しかし全然、皆目見当も付かない。
「えーと……ハヤテ君、何の話かしら?」
ここは素直に聞いたほうが手っ取り早いだろう、ということでハヤテ君に問いかけると、
「恋愛の耐性が付いたなぁ、と思いまして」
―――そんなお返事が返ってきた。
「……恋愛?」
「はい。恋愛の耐性です」
………………はい?
『恋愛耐性』
三点リーダを六個も使ってしまったが、相変わらずハヤテ君の言っていることが理解できない私がいた。
(え? 何? 恋愛? 耐性?)
ハヤテ君の言葉を頭で何度もリピートするが、全然意味が分からない。
というか、手っ取り早く答えを知ろうと思って聞いたのに、ますますこんがらがった気がする。
「あのー……ハヤテ君?」
「はい、何でしょう?」
ニコり、と優しげな笑みを浮かべてハヤテ君がこちらを見た。
思わずときめいてしまったがしかし、今は言葉の意味を理解しないと。
「その……どういう意味?」
素直に聞いたからこんがらがってしまったのだけど、それでもまた聞くしかない。
だって、分からないんだもの。
「恋愛の耐性ってどういうこと?」
恋愛と耐性のそれぞれの意味なら分かるけれど、その二つの単語がどういう意味を持って組み合わさるのかが分からない。
頭の疑問符を増やしながらハヤテ君の解答を待っていると、
「あ、すいません。伝わりにくかったですね」
にくかった、というか伝わらなかったんだけど。
脳内でそうツッコミを入れて、ハヤテ君の言葉の続きを待つ。
「まぁ簡単に言いますと、恋愛に慣れてきたってことです」
ハヤテ君は、そう言葉を続けた。
「……慣れる? 恋愛に?」
「はい」
なるほど、先ほどよりは分かりやすい答えになったのだけど……。
「……それってなんだか、私が悪い女みたいに聞こえるのだけど……」
恋愛に慣れている、って確かそういう意味合いがあったんじゃないっけ? 詳しくは分からないんだけど。
付き合ったことのある男の人が多いから、恋愛慣れしてるっていう。
「あれ? ひょっとして私、ハヤテ君に誤解されてるの?」
「え?」
だって、つまりハヤテ君は私のことを『恋愛経験豊富な女』って認識してるってことになるじゃない。
……そんな!
「失礼ね! ハヤテ君以外と付き合ったことなんてないわよ!」
「すいませんすいません! そういう意味じゃないんです!」
「じゃあどういう意味よ!」
大好きな人にそんなことを思われていたなんて、怒り心頭というよりも、悲しさのほうが大きい。
初恋の相手が彼氏なのに、どうやって他の男の子と付き合えっていうのよ……。
「これですよ、これ!」
憤る私に、酷く慌てた様子でハヤテ君はテーブルのグラスを指差した。
ハヤテ君が来たときに私が持ってきたのだ。
私のコップは空だけど、ハヤテ君のはまだ少し残っている。
「? これがどうしたっていうのよ」
「さっきヒナギクさん、僕のコップに口をつけましたよね」
「え? まぁハヤテ君のコップで飲んだけど……」
それがどうしたというのだろうか。
もし話を逸らそうというのなら、そんなことで話を逸らせるほど私は甘くない。
というか、もしそうならハヤテ君に幻滅する。
「だから! それがどうしたというのよ!」
「それってほら、間接キスじゃないですか」
「……へ?」
ハヤテ君が続けた言葉に、ぽかんとなる。
間接キス?
「付き合い始めの頃とか、手を繋ぐだけでもヒナギクさんは恥ずかしがっていたでしょう? だから、平然と間接キスをするヒナギクさんを見て、慣れたなぁと思ったんですよ」
……えーと。
「あ、恋愛慣れってそういうこと?」
「そうですそうです。だから、別にヒナギクさんが軽い女とか、そんな意味じゃ全くないんですよ」
誤解させる言い方ですいません、とハヤテ君は頭を下げた。
それを見て、私は安堵の息をもらす。
「良かった……。もしハヤテ君にそんな風に思われていたんだったら、ハヤテ君を殺して私も死ぬところだったわよ」
「あはは……それは急死に一生を得ました」
ちなみに冗談で言ったわけでなかったりする。
しかし本当に良かった。
「もう……慌てさせないでよね」
「本当にすいません」
「私はハヤテ君一筋なんだから」
私はそう言って、もう一度ハヤテ君の飲み物を口に含む。
大きな声を出したから喉が渇いてしまった。
「んー」
「どうしました?」
「いや……」
冷たい飲み物が喉を通るのを感じながら、ハヤテ君の言葉を考えてみる。
確かに、ハヤテ君の言う通りかもしれない。
「私、あまり照れなくなったわね、確かに」
「でしょ?」
「うん」
付き合い始めの頃は実際、手を繋ぐどころか一緒に帰ることすら照れくさかったものだ。
間接キスなんて論外もいいところ。
「間接キスが全然恥ずかしいとは思えなくなってるもの、私」
それが今は、こんなにも平然とハヤテ君の飲んだ物を口に含むことが出来る。
随分と進歩したものだ、としみじみ思う。恋愛に進歩があるかどうかは分からないけれど。
「これが慣れっていうのなら、確かにそうかもしれないわ」
「でも慣れるのは良いことだと思います」
「そうなの?」
「はい」
だって、とハヤテ君は言葉を続けた。
「それって今以上にヒナギクさんと仲良く出来るってことじゃないですか」
「へ?」
「今までは手を握っても恥ずかしがられてましたけど、そういうのが大丈夫だってことですし」
「まぁ……そうだけど」
改めて言われると照れる。
慣れたって言ったって恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
「あれ? ヒナギクさん照れてます?」
「……うるさいわね。誰のせいよ」
「ヒナギクさん、可愛いです」
「……ふんだ」
まずそのニヤケ顔をやめてくれないかしら? 腹が立つから。
そんなことを言っても、この赤い顔をどうにかしないと意味がないと思うけれど。
「あれ? もう少し慌てると思ったんですけど」
「……余り私を甘く見ないで貰いたいわね」
意味がないと思うけれど、悔しいから反抗。
ジト目でハヤテ君を睨みながらそう言うと、
「はは、すいません」
「…………」
相変わらずの笑顔で笑っていた。
その顔は正直言って、ずるいと思う。
「ヒナギクさん」
「……何よ」
「キス、しましょうか」
その顔でそんなこと言われたら、嫌なんて言えないじゃない。
「……そういうのは一々確認しないで勝手にしなさいよ」
「え?」
だから。
―――素直に頷きたくないから、こう言ってやるのだ。
「――――恋愛耐性、付いたんでしょ?」
もう少し耐性が付いたのなら、今度はこっちからハヤテ君を照れさせてやろう。
そんなことを思いながら、私は目を閉じてハヤテ君の唇を待つ。
End
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