関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
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Prologue
――死んでもいいと思っていた。
迫りくるトラック。
それを眼前にしながら、僕の心境は、驚くほど穏やかであった。
『最後に幸せになるのは、働いている奴だ』
十数年前のクリスマス・イブの、サンタ(今となってはあいつがサンタかどうかも怪しいが)から言われたこの言葉を信じ、今日まで我武者羅に働いてきた。
休む間も惜しんで、一生懸命、働きもしない親と、生活のために。
自転車便でリミットギリギリの書類を無事届け終え、その帰り道のことだった。
――ハンドル操作を誤ったトラックが、僕に突っ込んできたのは。
(……あ、僕、死んだな…)
驚いた運転手の顔が目に映る。
そりゃそうか、今にも人を撥ねようとしているのだから。
でも、ごめんよ。
(……別にいいか)
運転手はきっと、僕を撥ねたくないと思っているに違いない。
それは、当然のことだと思うし、撥ねられたくないと思うのも当然だ。
でも僕は、撥ねられてもいいと思ったんだ。
自分のためではなく、働かない両親のために延々と働く毎日よりだったら、いっその事、撥ねられて一生を終えたほうがいい……そんな風に思ったから。
どうせあの両親は僕に相当な保険金をかけているだろうし、僕が働かなくてもあの二人のこと、何とかしていくはずだろう。
(……って、何考えてるんだか)
死に際になっても、ヒトデナシの両親のことを考える自分に苦笑する。
……ああ、自分は結局、人のための人生を歩んでいたんだなぁ、なんて。
でも、ま、いいか。これで終わりなんだし。
トラックが僕に迫るまで、えらく時間がかかっているように思えた。
これが『走馬灯』というやつだろうか。
そう思って僕は目を瞑る。
これで、もう何もしなくていいんだ……。
目を瞑り、目の前は真っ暗なはずなのに。
―――僕はこのとき、目の前が暖かく、明るい光に包まれた感じがしたんだ……。
ドン、という衝撃の後、僕の意識はブラックアウトした。
to be continued
――死んでもいいと思っていた。
迫りくるトラック。
それを眼前にしながら、僕の心境は、驚くほど穏やかであった。
『最後に幸せになるのは、働いている奴だ』
十数年前のクリスマス・イブの、サンタ(今となってはあいつがサンタかどうかも怪しいが)から言われたこの言葉を信じ、今日まで我武者羅に働いてきた。
休む間も惜しんで、一生懸命、働きもしない親と、生活のために。
自転車便でリミットギリギリの書類を無事届け終え、その帰り道のことだった。
――ハンドル操作を誤ったトラックが、僕に突っ込んできたのは。
(……あ、僕、死んだな…)
驚いた運転手の顔が目に映る。
そりゃそうか、今にも人を撥ねようとしているのだから。
でも、ごめんよ。
(……別にいいか)
運転手はきっと、僕を撥ねたくないと思っているに違いない。
それは、当然のことだと思うし、撥ねられたくないと思うのも当然だ。
でも僕は、撥ねられてもいいと思ったんだ。
自分のためではなく、働かない両親のために延々と働く毎日よりだったら、いっその事、撥ねられて一生を終えたほうがいい……そんな風に思ったから。
どうせあの両親は僕に相当な保険金をかけているだろうし、僕が働かなくてもあの二人のこと、何とかしていくはずだろう。
(……って、何考えてるんだか)
死に際になっても、ヒトデナシの両親のことを考える自分に苦笑する。
……ああ、自分は結局、人のための人生を歩んでいたんだなぁ、なんて。
でも、ま、いいか。これで終わりなんだし。
トラックが僕に迫るまで、えらく時間がかかっているように思えた。
これが『走馬灯』というやつだろうか。
そう思って僕は目を瞑る。
これで、もう何もしなくていいんだ……。
目を瞑り、目の前は真っ暗なはずなのに。
―――僕はこのとき、目の前が暖かく、明るい光に包まれた感じがしたんだ……。
ドン、という衝撃の後、僕の意識はブラックアウトした。
to be continued
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