関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうもお久しぶり、関ヶ原です。
皆様お待たせいたしました。新作です。
相変わらず文章にまとまりがありません。ハヤヒナ小説四年も書いてきてまったく進歩がないとは落ち込みます。
話は変わりますが、それにしてもバイトとは大変ですが面白いものですね。
色々な方と交流できるので、自身の人間的成長につながります。
あぁ……俺もオフ会とかしてみたい。
……ま、まぁ雑談もこの辺にしておいて、一応頑張って書いたので読んでみて下さい。
ちなみに私、タイトルである線香花火に関しての知識がうろ覚えでございます(おい)。
何分花火なんてもの、ここ六、七年やってないもので、忘れかけています(マジです)。
いやー、やりたい、花火。
それではどうぞ~♪
ぱちぱちぱち。
八月の夜の静寂の中に、そんな音が聞こえてくる。
広大な土地の中の一角から、静かに、ひっそりと、小さな火花の音が聞こえてくる。
『線香花火』
花火をしようか、とはハヤテの提案だった。
仕事から帰宅したかと思えばその手にはファミリー用の花火をぶら下げ、アイカがどうしたの、と聞けば、お嬢様から頂いたとハヤテは答えた。
なんでも、三千院家傘下の会社から送られてきたのだという。
「花火なんて久しぶりなんだけれど……綺麗ね」
「そうだね。なんだかこの花火を見てると、凄く落ち着くんだ」
アイカもヒナギクもハヤテの提案に断るはずもなく、早めの夕食を済ませた後に、三千院家の庭を借りて花火をすることにした。
三千院家の傘下というだけあって、花火の種類はかなり豊富であった。
飽きさせることのないように、をコンセプトに作ったというだけあって、確かに飽きることはなかったし、アイカのテンションも下がることはなかった(何をしでかすか心配ではあったのだが)。
しかし子一時間ほどもすると、流石の花火も少なくなっていく。
綾崎家が最後に残した花火は、線香花火だった。
定番といえば定番であるが、やはりこの花火を残しておくのが正解だと思うのは、何故だろうか。
細長い花火の先端に火をつけ、小さな火球が燃えるのをただ、見つめる。
ぱちぱちぱち。
静寂の中に響くその小さな音に、騒がしかったアイカもいつの間にか聞き入っている。
「この静かに燃えている音が、何だか切なくて、優しい感じがして、僕は好きだな」
「私も」
ハヤテの言葉に、ヒナギクも頷いた。
「それで火球が落ちそうになると、頑張れ、頑張れって思っちゃうのよね」
「はは。わかるわかる」
夫婦の会話の間も、小さな火球は燃え続けている。
小さな命を一生懸命燃やすかのように。
「あ……」
優しい気持ちでその火花を眺めていると、やや離れたところからアイカのそんな声が聞こえてきた。
そちらへ視線を向けると、アイカの火球は今にも落ちそうなくらいに膨らみ、比例して火花も激しくなっていた。
線香花火特有の現象である。
「もうすぐ終わるね、あの花火」
「ええ……」
返ってきた相槌に、ハヤテはヒナギクのほうをちら、と見た。
ヒナギクの視線は、アイカと、アイカの花火から離れない。
ぱちぱちぱち。
段々と光を失っていく火球。
やがてそれは小さくなり、音も立てずに地面へと落ちた。
「………」
光を失った自分の花火を見て、アイカは少しの沈黙の後、立ち上がった。
花火を水の溜まったバケツに放り、そしてハヤテとヒナギクの元へと歩いてくる。
「………」
ハヤテとヒナギクの間に挟まれるようにしてしゃがみこみ、まだ燃えている二人の線香花火をじっと見つめた。
「どうしたの?アイカ」
「花火ならまだあるけれど?」
「ううん、いい」
二人の提案に短くそう答え、特に何をする、というわけでもなく、二人の花火をただ見つめる。
そんな娘にハヤテは眼をやる。
花火を見つめる横顔は、先ほど見たヒナギクによく似ていた。
「この花火ってさ」
この子は何を思っているのだろうか、そんなことをハヤテが考えていると、アイカが口を開いた。
「見てると、凄く切ない気持ちになったんだ。燃えているときは凄く綺麗だなって思ってたんだけど、火の玉が落ちちゃった後は凄く寂しい気持ちになったの」
「うん。それで?」
「寂しくなっちゃった」
ハヤテの問いに、アイカが苦笑を浮かべながら答えた。
「だからパパとママのところに来たの」
「そっか」
「うん、そうなんだ」
「ふーん。アイカって結構、寂しがりやなのねぇ……」
「な、何よママ?何か言いたいことでもあるの?」
「別に~~」
自分とハヤテの間でもじもじするアイカ。
気恥ずかしいのだろう、その顔は少し赤い。
そんなアイカに、ヒナギクは、
「寂しいならもっと近くに来なさいと言いたかっただけよ」
アイカを抱き寄せながら、言う。
「ほら。一緒に花火やりましょ?線香花火を見てるだけなんて、楽しくないわよ」
「………いらないって言ったのに」
「あら?じゃあやっぱりいらないのかしら?」
「…………いる」
「ん。素直でよろしい♪」
再びアイカの手には、線香花火が握られた。
ヒナギクが火を点し、細身の柄の先から光が発せられ始める。
小さな火の花が、三つになった。
寄り添うように輝く光。
「ねぇパパ、ママ」
その光を見つめながら、アイカが呟くように言った。
「花火って、いいものなんだね」
その言葉に答える声はない。
けれど、アイカを抱き寄せる腕に力が込められたのは、きっと両親の賛同の証だった。
静寂な夜。星空の下で。
家族三人寄り添って、線香花火を見つめながら。
ぱちぱちぱち、と燃える三つの火の玉。
綾崎家の今年の夏の終わりは、線香花火の光に照らされながら、静かに、ゆっくりと過ぎていくのであった。
End
皆様お待たせいたしました。新作です。
相変わらず文章にまとまりがありません。ハヤヒナ小説四年も書いてきてまったく進歩がないとは落ち込みます。
話は変わりますが、それにしてもバイトとは大変ですが面白いものですね。
色々な方と交流できるので、自身の人間的成長につながります。
あぁ……俺もオフ会とかしてみたい。
……ま、まぁ雑談もこの辺にしておいて、一応頑張って書いたので読んでみて下さい。
ちなみに私、タイトルである線香花火に関しての知識がうろ覚えでございます(おい)。
何分花火なんてもの、ここ六、七年やってないもので、忘れかけています(マジです)。
いやー、やりたい、花火。
それではどうぞ~♪
ぱちぱちぱち。
八月の夜の静寂の中に、そんな音が聞こえてくる。
広大な土地の中の一角から、静かに、ひっそりと、小さな火花の音が聞こえてくる。
『線香花火』
花火をしようか、とはハヤテの提案だった。
仕事から帰宅したかと思えばその手にはファミリー用の花火をぶら下げ、アイカがどうしたの、と聞けば、お嬢様から頂いたとハヤテは答えた。
なんでも、三千院家傘下の会社から送られてきたのだという。
「花火なんて久しぶりなんだけれど……綺麗ね」
「そうだね。なんだかこの花火を見てると、凄く落ち着くんだ」
アイカもヒナギクもハヤテの提案に断るはずもなく、早めの夕食を済ませた後に、三千院家の庭を借りて花火をすることにした。
三千院家の傘下というだけあって、花火の種類はかなり豊富であった。
飽きさせることのないように、をコンセプトに作ったというだけあって、確かに飽きることはなかったし、アイカのテンションも下がることはなかった(何をしでかすか心配ではあったのだが)。
しかし子一時間ほどもすると、流石の花火も少なくなっていく。
綾崎家が最後に残した花火は、線香花火だった。
定番といえば定番であるが、やはりこの花火を残しておくのが正解だと思うのは、何故だろうか。
細長い花火の先端に火をつけ、小さな火球が燃えるのをただ、見つめる。
ぱちぱちぱち。
静寂の中に響くその小さな音に、騒がしかったアイカもいつの間にか聞き入っている。
「この静かに燃えている音が、何だか切なくて、優しい感じがして、僕は好きだな」
「私も」
ハヤテの言葉に、ヒナギクも頷いた。
「それで火球が落ちそうになると、頑張れ、頑張れって思っちゃうのよね」
「はは。わかるわかる」
夫婦の会話の間も、小さな火球は燃え続けている。
小さな命を一生懸命燃やすかのように。
「あ……」
優しい気持ちでその火花を眺めていると、やや離れたところからアイカのそんな声が聞こえてきた。
そちらへ視線を向けると、アイカの火球は今にも落ちそうなくらいに膨らみ、比例して火花も激しくなっていた。
線香花火特有の現象である。
「もうすぐ終わるね、あの花火」
「ええ……」
返ってきた相槌に、ハヤテはヒナギクのほうをちら、と見た。
ヒナギクの視線は、アイカと、アイカの花火から離れない。
ぱちぱちぱち。
段々と光を失っていく火球。
やがてそれは小さくなり、音も立てずに地面へと落ちた。
「………」
光を失った自分の花火を見て、アイカは少しの沈黙の後、立ち上がった。
花火を水の溜まったバケツに放り、そしてハヤテとヒナギクの元へと歩いてくる。
「………」
ハヤテとヒナギクの間に挟まれるようにしてしゃがみこみ、まだ燃えている二人の線香花火をじっと見つめた。
「どうしたの?アイカ」
「花火ならまだあるけれど?」
「ううん、いい」
二人の提案に短くそう答え、特に何をする、というわけでもなく、二人の花火をただ見つめる。
そんな娘にハヤテは眼をやる。
花火を見つめる横顔は、先ほど見たヒナギクによく似ていた。
「この花火ってさ」
この子は何を思っているのだろうか、そんなことをハヤテが考えていると、アイカが口を開いた。
「見てると、凄く切ない気持ちになったんだ。燃えているときは凄く綺麗だなって思ってたんだけど、火の玉が落ちちゃった後は凄く寂しい気持ちになったの」
「うん。それで?」
「寂しくなっちゃった」
ハヤテの問いに、アイカが苦笑を浮かべながら答えた。
「だからパパとママのところに来たの」
「そっか」
「うん、そうなんだ」
「ふーん。アイカって結構、寂しがりやなのねぇ……」
「な、何よママ?何か言いたいことでもあるの?」
「別に~~」
自分とハヤテの間でもじもじするアイカ。
気恥ずかしいのだろう、その顔は少し赤い。
そんなアイカに、ヒナギクは、
「寂しいならもっと近くに来なさいと言いたかっただけよ」
アイカを抱き寄せながら、言う。
「ほら。一緒に花火やりましょ?線香花火を見てるだけなんて、楽しくないわよ」
「………いらないって言ったのに」
「あら?じゃあやっぱりいらないのかしら?」
「…………いる」
「ん。素直でよろしい♪」
再びアイカの手には、線香花火が握られた。
ヒナギクが火を点し、細身の柄の先から光が発せられ始める。
小さな火の花が、三つになった。
寄り添うように輝く光。
「ねぇパパ、ママ」
その光を見つめながら、アイカが呟くように言った。
「花火って、いいものなんだね」
その言葉に答える声はない。
けれど、アイカを抱き寄せる腕に力が込められたのは、きっと両親の賛同の証だった。
静寂な夜。星空の下で。
家族三人寄り添って、線香花火を見つめながら。
ぱちぱちぱち、と燃える三つの火の玉。
綾崎家の今年の夏の終わりは、線香花火の光に照らされながら、静かに、ゆっくりと過ぎていくのであった。
End
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