関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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おはこんばんわ、関ヶ原です。
六月初めての更新です。
今回はなんと、ハヤヒナではなくとらドラ!です。
実に一年ぶりのとらドラ!ss。
CPはもちろん竜亜美です。
なんでとらドラ!かと聞かれると、あまり理由はないのですが、フォレストの方で竜亜美が面白かったという書き込みをしてくださった方がいまして……嬉しくなって勢いで書いちゃいました。
でも後悔はしていない。
久しぶりということもあり、私自身書いてて楽しかったです。
CP要素自体は薄めですが、けっこう気に入っている作品になりました。
よろしかったら皆さん、読んでみてください。
誤字脱字、文法等おかしいところあるかも知れませんが、気にしないでもらえると助かります(笑)
ではどうぞ~☆
六月初めての更新です。
今回はなんと、ハヤヒナではなくとらドラ!です。
実に一年ぶりのとらドラ!ss。
CPはもちろん竜亜美です。
なんでとらドラ!かと聞かれると、あまり理由はないのですが、フォレストの方で竜亜美が面白かったという書き込みをしてくださった方がいまして……嬉しくなって勢いで書いちゃいました。
でも後悔はしていない。
久しぶりということもあり、私自身書いてて楽しかったです。
CP要素自体は薄めですが、けっこう気に入っている作品になりました。
よろしかったら皆さん、読んでみてください。
誤字脱字、文法等おかしいところあるかも知れませんが、気にしないでもらえると助かります(笑)
ではどうぞ~☆
『いつもと違う夕暮れ』
そういえば今日はスーパーで特売だった。
放課後の教室で、高須竜児はそんな重要事項を思い出していた。
「おう……っ! お、俺としたことが……」
自分の机にバン、と手を置き、がっくりとうなだれる。
先生に頼まれごとをされ、その作業に没頭していたせいだろうか。
気づいたときにはもう遅い。
今の時間ではもう何も特売の商品は残っていないだろう。
刺身ならば細切大根一本、野菜ならばトマトの『へた』一個だって残されない。
もしかしたら奇跡的に……そんな幻想を抱くほど、竜児は主夫(実際は息子なのだが)をやっていない。
「今日は大河も泰子も飯いらないって言ってたのが救いか……?」
打ちひしがれた心境で、そんなことを呟く。
大河は実乃梨たちと夕飯を食べると言っていたし、康子も店の仲間と食事をするらしい。
久しぶりの一人の夕飯なので、そこまでメニューを深く考えていなかったのは事実だ。
「いや、駄目だ。きっとそう思っていたから今回の失態を生んだんだ……」
生まれ持った三白眼を存分にぎらつかせながら、竜児は幽鬼のように言う。
「これは……甘さが生んだ敗北だ……」
「さっきから何一人でぶつぶつ言ってるの? マジキモいんだけど」
「おうっ!?」
そんな竜児に追い討ちを掛けるような言葉が返ってきて、竜児の肩が跳ね上がった。
「教室誰もいないと思ったら、犯罪者の目ぇしてる奴いるんだもん。流石のアタシもびびったわ」
「川嶋!」
声の方へ視線を向けると、クラスメイトの川嶋亜美が虫を見るような目でこちらを見ていた。
「お前、こんな時間にまだ残ってたのか」
「お互い様でしょ?」
よっ、と亜美は小さく声を上げ、竜児の机に腰を降ろした。
いきなり眼前に形の良い小尻が現れ、気恥ずかしくなって竜児は視線をそらす。
「で? なんでアンタはこんなところで打ちひしがれているわけ?」
「別に……ちょっと気の緩みを悔やんでただけだよ」
「はぁ? 何それ?」
「そういうお前はどうしたんだよ。いつもならとっくに帰ってる時間じゃないのか?」
意識してそういう行動をしているのか分からないが、竜児はとりあえず亜美に問い返した。
竜児の問いに亜美は「ちょっと」と一言おいて、
「進路のことでゆりちゃん先生に……ね」
「進路?」
帰ってきた意外な言葉に、竜児は三白眼をできる限り丸くする。
それ、しゃれなんない目よ、と亜美はジト目で睨んでいたが、
「ふぅ……。進路調査の紙きたでしょ?」
「ん? あぁ、そういや配られてたな」
先週か先々週辺りにそんなものが配られたような気がする。
自分は何を書いたかよく覚えていないが。
「その紙、何も書かないで白紙で出したら怒られちゃった」
「はは。白紙ならそりゃあ先生も怒るわな」
「まぁね」
苦笑する亜美を見ながら、竜児は意外に思った。
「でも川嶋が白紙で出すなんて意外だよ。俺はてっきり『芸能界入り』とか『女優』とか『ハリウッド』とか書くと思ってた」
「高須君、アンタアタシを何だと思ってるのよ……」
竜児の言葉に、亜美は呆れと疲れが混じった大きなため息を吐いた。
「まぁそんなこと書いて出そうとも思ったわよ」
「そうなのか?」
「うん。でも、なんか違うなって思ったのよ」
「へぇ……」
「私って今はモデルやってるけど、この先もモデルやるかどうかは分からないのよ」
亜美は話を続ける。
「このままモデルやるかもしれないし、もしかしたらOLやってるかもしれない」
「そんなもんなのか?」
「そんなもんなのよ。将来なんて」
「ふぅん……お前にも色々あるんだな」
そう相槌をうって、竜児は亜美を見た。
夕日に照らされるその横顔は、なんだか寂しい。
「……なぁ川嶋」
別に、その表情を見たから、というわけではない。
「ん? なぁに、高須君」
ただ、なんとなく思ったから、その言葉が口から出たのだ。
こちらを向いた亜美に、竜児は言った。
「今日、これから暇か?」
「へ? 別に予定はないけど……どうして?」
「お前さえ良ければでいいんだけど、俺ん家で晩飯食っていかないか?」
「……晩飯?」
「おう」
竜児の言葉に、亜美の目が驚きで少し開かれた。
「急にどうしたのよ?」
「いや、今日俺の家、大河も康子もいなくてな。一人で晩飯を食うのにためらいを覚えていたところだったんだよ」
「はぁ? 一人の食事なんて普通じゃん」
「まぁそうなんだけど」
竜児自身、何故今こうして亜美を夕飯に誘っているのかよく分からない。
けれど、もう少しだけ、亜美と話がしたいと思ったのは本当のことだった。
「無理にとは言わねぇが」
「…………」
亜美は竜児の顔をまじまじと見ていたが、ため息を一つ吐いて頷いた。
「……まぁ、別にいいけど」
「本当か!」
「でも、美味しくなかったら即行で帰るからね」
「おう! そこら辺は心配すんな!」
そうと決まれば、と竜児は鞄を手にとった。
「じゃあスーパーよって帰ろうぜ」
「スーパー?」
「食材買わなくちゃいけねぇからな」
「……人食事誘っといて、今から食材買うのかよ」
「細かいことは気にするなって」
外を見れば、茜色の空も段々と暗くなり始めている。
もう少しで真っ暗になるだろう。
急に嬉々とし始めた竜児に亜美はもう一度ため息をつくと、「やっぱり高須君って変だわ」と苦笑を浮かべた。
「そんなに変か?」
「変よ。大変」
「何だよ大変って」
「別に? でも……嫌いじゃないわ、そういうところ」
そう呟いて、亜美も竜児の机から腰を上げた。
自分の鞄を手に持ち、二人は夕暮れの外へと向かい始める。
「じゃ、行きましょうか。美味しいの期待してるわよ、強面のコックさん」
「強面は余計だっつーの」
沈みかけた夕日が照らす、並んで歩く二人の影。
「……ねぇ高須君」
「ん?」
「あのさ……今日みたいに、私をまた夕飯に誘ってくれる?」
「…………おう」
その二つの影が手を繋いでいるように見えたのは、きっと二人の距離が近くなった証明だろう。
End
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