関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうもご無沙汰、関ヶ原です。
フォレストページの桜吹雪でリクエストされていた小説が完成したので、こちらにもup。
今回の話はホワイトデーネタですが、前回同様に文章にばらつきが……。
納得のいく文章がかけない自分自身に嫌悪感を抱きつつ、子供っぽいくて自己中心的なアイカとヒナギクがかけたことに少しの満足感。
個人的に、あの二人はもうちょっとわがままになっても良いと思う。
まぁそんなわけで新作ですよ~。
あまり期待されずにお読みください(笑)
もっと勉強して、上手な文章かけるよう頑張りたいです><
では~☆
『女たちのホワイトデー』
「三倍返しってどのくらいの量なのかな」
春も目と鼻の先まで近づいた三月。
暖かな日差しが窓から差し込む綾崎家のリビングで、暇を持て余したアイカが呟くように言った。
「? いきなりどうしたのよ」
その呟きを聞いて、皿を洗っていたヒナギクがアイカに尋ねる。
疑問を浮かべるヒナギクのほうへ視線を向けて、アイカは尋ね返した。
「ママ聞いたことない? ほら、もうすぐホワイトデーだし」
「あぁ、そういうこと」
皿を洗う手を止めアイカの話を聞いていたヒナギクだったが、理解したようだ。
納得したように一つ頷いた後、呆れた表情をアイカに向けた。
「ってアイカ貴女、まさかハヤテにお返しお願いしたの?」
「ほぇ? だってホワイトデーって男の人が女の人に贈り物を贈るんでしょ?」
「はぁ……」
アイカの言葉を聞いて、ヒナギクの口からため息が吐かれる。
「貴女ねぇ…私も貴女も、バレンタインにハヤテからチョコ貰ったじゃない」
「うん、貰ったよ。美味しかったね!」
「ええ美味しかったわ。さすが私のハヤテだって叫びたいくらいにね」
「私のパパだよぅ」、というアイカの主張を無視して、ヒナギクは話を続ける。
「バレンタインでチョコを貰って、その上ホワイトデーでお返し貰おうってちょっと都合が良すぎるわよ」
きっとハヤテはホワイトデー当日、お返しを用意してくる。
アイカの分だけでなく、恐らくヒナギクにも。
ハヤテの人柄を誰よりも理解しているからこそ、申し訳ないな、とヒナギクは思う。
「なんか私たち、ハヤテに貰ってばかりじゃない」
「あー……それはそうかも……」
ヒナギクの話を聞いて、流石にアイカも申し訳ないと感じたのだろう。
言葉を濁すその表情には少しばかり反省の色が見えた。
「でもでも、パパのことだからきっとお返し用意してくるよっ」
そんなアイカの言葉に、ヒナギクは頷く。
そんなこと、初めからわかっている。
「そうね、ハヤテのことだからきっと用意してくるわ。多分、アイカがハヤテにお返しをお願いしなかったとしても」
「………じゃあママが私に説教する必要もなかったんじゃ……」
「あんなの説教に入るわけないじゃない」
「えー」
「……とりあえず、話を続けるわ」
わかっているからこそ、ヒナギクはアイカに提案する。
「だからね、私たちもハヤテにお返しをあげようじゃない」
提案の内容は、至ってシンプル。
「お返しは何でもいいの。ありったけの感謝と愛情を、それに注げれば」
「なんでも?」
「ええ、何でも」
ヒナギクが頷くのを見て、アイカの空色の瞳の輝きが増した。
「じゃあ! ありがとうのキスでも―――」
「殴るわよ? 噛むわよ? 泣かせるわよ?」
「どれもこれも母親の言葉とは思えないっ! ていうか噛むって何!?」
「貴女が変なこと言うからじゃない」
「娘が父親にキスすることって変なことなの!?」
「……とにかく、お返しは『物』で行きましょ」
「ちょっとママ!?」
アイカの言葉を無視して、ヒナギクは自らの提案を自己完結。
国会も顔負けするくらいな強行採決。
「そうと決まればアイカ! 早速取り掛かるわよ!」
「……私は目の前の理不尽を取り締まることから始めたいよ……」
アイカの呟きは、けれどヒナギクの耳には届かない。
…
そんな事があって迎えた三月十四日。
愛する妻子にお返しを用意した綾崎ハヤテは、己の背中に冷たい汗が流れるのを感じていた。
というのも。
「ハヤテ……?」
「パパ……?」
「な、何かな? 二人とも」
眼前に立つ愛するべき者たちが、言葉として形容出来ないほどに恐ろしいオーラを放っていたから。
蛇に睨まれた蛙の如く身を竦めているハヤテに、
「「……その袋に入っているものはなにかしら…?」」
二人は、ハヤテの持つ紙袋に視線を(もはや凶眼というべきか)向けながら、言った。
ハヤテの持つ紙袋の中には、包装紙で包まれた長方形状の箱が何箱も入っていた。
「あ……えっと、これはバレンタインデーのお返しなん…だけ…ど」
聞かれたことに素直に答えるハヤテ。
しかし素直に答えたことによって、二人の眼光が強まった気がした。
「「なんでこんなに数が多いのよ…?」」
「えっと…そりゃあ…貰ったから、だけど…。あ、大丈夫だよ、二人へのお返しはちゃんと別にあるから」
「「そういう問題じゃないの――――!!」」
「うわっ!」
突然大声を上げた二人は、さらに、ハヤテに詰め寄る。
「いつの間にこんなにチョコを貰っていたの!?」
「バレンタインの日、パパチョコレート持ってなかったじゃん!」
「い、いやね? バレンタインの翌日に、いろんな人がくれて……」
「「貰うな―――!!」」
「ええっ!?」
そして理不尽をハヤテに突きつけた。
「な、なんでさ?」
「ハヤテは私からだけ貰えばいいの!」
「パパは私からだけ貰えれば幸せでしょ!」
まぁ簡単に言えば嫉妬。愛する夫を、父を他の女の毒牙から守るべく二人に沸き起こった理不尽という名の防衛本能。
「で、でもその人の好意は蔑ろに出来ないといいますか…」
「その人の」
「好意?」
「な、なんでもありません……」
何だろう、言葉に言葉を返すほど、自分が追い込まれている気がする。
ヒナギクはともかく、まさか娘のアイカにまで同様の迫力があるとは思わなかった。
こんな形で、アイカを自分とヒナギクの娘だと再認識することになろうとは。
「わ、わかった。もし来年、二人以外からチョコレートを貰いそうになったら断りますっ!」
思わず敬語口調になっているハヤテは、「だから」と言葉を続けた。
「今回は、皆にホワイトデーのお返しを配らせてくれませんか……?」
「………まぁ」
「……分かってくれたなら、今回は許しちゃおうかな……」
ハヤテの真摯な視線を受けて、ヒナギクとアイカは渋々承諾した。
二人の首が縦に振られるのを確認したハヤテは、ほっと胸を撫で下ろす。
「……良かった。断られたらどうしようかと思った」
「でも! 今回だけなんだから!」
「次回はないんだからねっ!」
「了解です。お姫様方」
威圧感から開放されれば、この二人のこんな言動も可愛いと思う。
自己中心的な感情をぶつけられているような気がするが、それだけこの二人は自分を想ってくれているのだろう、拗ねた表情を浮かべている二人を見ながら、ハヤテは顔をほころばせた。
「じゃあお返しを渡してこようかな……」
「ハ、ハヤテ!」
「パパ!」
拗ねたお姫様たちから、呼び止められる。
「? どうしたの?」
もう一度二人に視線を向けると、
「「……これっ」」
「え……?」
ずいっ、と突きつけられるかのように差し出されたのは、可愛い包装紙が巻かれた、長方形。
二人の手からそれを受け取り、ハヤテは再び問う。
「これってもしかして……」
「い、いつもお世話なってるから…っ」
「なんかこう改まると恥ずかしいわね……」
軽く包みを揺すってみると、カサカサという音が聞こえてきた。
察するに、恐らくクッキーだろうと内心ハヤテが考えていると、
「ハヤテっ」「パパっ」
「「いつもありがとうっ!」」
二人の声が、自分の耳に入ってきた。
「その……今日はホワイトデーなんだけど」
「別に女の子が渡してもいいよね…? パパ」
「……ありがとう、二人とも。本当に嬉しいよ」
まさかホワイトデーに、こんな素敵なものを貰えるなんて誰が想像出来ただろうか。
二人の気持ちが詰まった包みを大事に胸に抱えながら、ハヤテは笑った。
「こんなに素敵なものが貰えるんだったら、やっぱり来年も他の人からチョコ貰おうかな」
「ハヤテ!!」「パパ!!」
「冗談だよ」
笑いながら、軽口で冗談を言う。
二人から貰ったプレゼントが素敵だということは、冗談などではないけれど。
…
(……良かった)
ハヤテが自分たちが渡したものに喜んでいる様子を見て、ヒナギクもまた、喜びを感じていた。
自分たちが渡したお返しは、ハヤテがくれるもの程立派ではない。
それでもハヤテが喜んでくれた、そのことが嬉しい。
ホワイトデーのお返しを渡すということをアイカと決意し、渡すものはクッキーに決めた。
料理慣れしていないアイカにも簡単に出来るものだと思ったし、ヒナギクでも教えられるからだ。
案の定お返し作りは特に問題も起こらないで順調に進み、市販のものと比べれば劣りを感じるものの、上出来なお返しが完成したと思う。
それを綺麗な包装紙で包み、そして今、こうしてハヤテに渡すことが出来た。
隣のアイカもまた、バレンタインデーとは別の達成感をその胸で感じているに違いない。
「(……アイカ)」
「(なぁに? ママ)」
「(……やったね)」
「(……うん!)」
ハヤテに聞こえない程度の声量でヒナギクが囁くと、アイカは花のような笑顔で大きく頷いた。
「(来年もプレゼント贈ろっか?)」
「(パパがちゃんと他の女の人からチョコを貰わなかったらでどうかな?)」
「(あは。それいいかも♪)」
「ん? 二人して何の話だい?」
「ふふっ。ハヤテには内緒」
「女どーしの秘密だもんねっ!」
不思議な表情を浮かべるハヤテに、乙女二人はもう一度、可笑しそうにクスクスと笑った。
三月十四日のホワイトデーとは、男性が女性に日頃の感謝を込めてプレゼントを贈るといわれている。
しかしそれは一般的に言われていることであって、実際の意味と異なるホワイトデーを過ごす者たちもいる。
例えばこの広大な土地に住む家族のように、女性が男性に感謝の気持ちを贈り物に乗せて渡すように。
「……ねぇハヤテ」
「ん?」
「……これからもその、よろしくね」
「ははっ。こちらこそ」
「……アイカも忘れちゃ駄目なんだよぅ」
「アイカもよろしくね」
そんな風に。
一般のホワイトデーとはちょっと違った綾崎家の三月十四日は、綾崎一家全員の笑顔で彩られていく。
End
フォレストページの桜吹雪でリクエストされていた小説が完成したので、こちらにもup。
今回の話はホワイトデーネタですが、前回同様に文章にばらつきが……。
納得のいく文章がかけない自分自身に嫌悪感を抱きつつ、子供っぽいくて自己中心的なアイカとヒナギクがかけたことに少しの満足感。
個人的に、あの二人はもうちょっとわがままになっても良いと思う。
まぁそんなわけで新作ですよ~。
あまり期待されずにお読みください(笑)
もっと勉強して、上手な文章かけるよう頑張りたいです><
では~☆
『女たちのホワイトデー』
「三倍返しってどのくらいの量なのかな」
春も目と鼻の先まで近づいた三月。
暖かな日差しが窓から差し込む綾崎家のリビングで、暇を持て余したアイカが呟くように言った。
「? いきなりどうしたのよ」
その呟きを聞いて、皿を洗っていたヒナギクがアイカに尋ねる。
疑問を浮かべるヒナギクのほうへ視線を向けて、アイカは尋ね返した。
「ママ聞いたことない? ほら、もうすぐホワイトデーだし」
「あぁ、そういうこと」
皿を洗う手を止めアイカの話を聞いていたヒナギクだったが、理解したようだ。
納得したように一つ頷いた後、呆れた表情をアイカに向けた。
「ってアイカ貴女、まさかハヤテにお返しお願いしたの?」
「ほぇ? だってホワイトデーって男の人が女の人に贈り物を贈るんでしょ?」
「はぁ……」
アイカの言葉を聞いて、ヒナギクの口からため息が吐かれる。
「貴女ねぇ…私も貴女も、バレンタインにハヤテからチョコ貰ったじゃない」
「うん、貰ったよ。美味しかったね!」
「ええ美味しかったわ。さすが私のハヤテだって叫びたいくらいにね」
「私のパパだよぅ」、というアイカの主張を無視して、ヒナギクは話を続ける。
「バレンタインでチョコを貰って、その上ホワイトデーでお返し貰おうってちょっと都合が良すぎるわよ」
きっとハヤテはホワイトデー当日、お返しを用意してくる。
アイカの分だけでなく、恐らくヒナギクにも。
ハヤテの人柄を誰よりも理解しているからこそ、申し訳ないな、とヒナギクは思う。
「なんか私たち、ハヤテに貰ってばかりじゃない」
「あー……それはそうかも……」
ヒナギクの話を聞いて、流石にアイカも申し訳ないと感じたのだろう。
言葉を濁すその表情には少しばかり反省の色が見えた。
「でもでも、パパのことだからきっとお返し用意してくるよっ」
そんなアイカの言葉に、ヒナギクは頷く。
そんなこと、初めからわかっている。
「そうね、ハヤテのことだからきっと用意してくるわ。多分、アイカがハヤテにお返しをお願いしなかったとしても」
「………じゃあママが私に説教する必要もなかったんじゃ……」
「あんなの説教に入るわけないじゃない」
「えー」
「……とりあえず、話を続けるわ」
わかっているからこそ、ヒナギクはアイカに提案する。
「だからね、私たちもハヤテにお返しをあげようじゃない」
提案の内容は、至ってシンプル。
「お返しは何でもいいの。ありったけの感謝と愛情を、それに注げれば」
「なんでも?」
「ええ、何でも」
ヒナギクが頷くのを見て、アイカの空色の瞳の輝きが増した。
「じゃあ! ありがとうのキスでも―――」
「殴るわよ? 噛むわよ? 泣かせるわよ?」
「どれもこれも母親の言葉とは思えないっ! ていうか噛むって何!?」
「貴女が変なこと言うからじゃない」
「娘が父親にキスすることって変なことなの!?」
「……とにかく、お返しは『物』で行きましょ」
「ちょっとママ!?」
アイカの言葉を無視して、ヒナギクは自らの提案を自己完結。
国会も顔負けするくらいな強行採決。
「そうと決まればアイカ! 早速取り掛かるわよ!」
「……私は目の前の理不尽を取り締まることから始めたいよ……」
アイカの呟きは、けれどヒナギクの耳には届かない。
…
そんな事があって迎えた三月十四日。
愛する妻子にお返しを用意した綾崎ハヤテは、己の背中に冷たい汗が流れるのを感じていた。
というのも。
「ハヤテ……?」
「パパ……?」
「な、何かな? 二人とも」
眼前に立つ愛するべき者たちが、言葉として形容出来ないほどに恐ろしいオーラを放っていたから。
蛇に睨まれた蛙の如く身を竦めているハヤテに、
「「……その袋に入っているものはなにかしら…?」」
二人は、ハヤテの持つ紙袋に視線を(もはや凶眼というべきか)向けながら、言った。
ハヤテの持つ紙袋の中には、包装紙で包まれた長方形状の箱が何箱も入っていた。
「あ……えっと、これはバレンタインデーのお返しなん…だけ…ど」
聞かれたことに素直に答えるハヤテ。
しかし素直に答えたことによって、二人の眼光が強まった気がした。
「「なんでこんなに数が多いのよ…?」」
「えっと…そりゃあ…貰ったから、だけど…。あ、大丈夫だよ、二人へのお返しはちゃんと別にあるから」
「「そういう問題じゃないの――――!!」」
「うわっ!」
突然大声を上げた二人は、さらに、ハヤテに詰め寄る。
「いつの間にこんなにチョコを貰っていたの!?」
「バレンタインの日、パパチョコレート持ってなかったじゃん!」
「い、いやね? バレンタインの翌日に、いろんな人がくれて……」
「「貰うな―――!!」」
「ええっ!?」
そして理不尽をハヤテに突きつけた。
「な、なんでさ?」
「ハヤテは私からだけ貰えばいいの!」
「パパは私からだけ貰えれば幸せでしょ!」
まぁ簡単に言えば嫉妬。愛する夫を、父を他の女の毒牙から守るべく二人に沸き起こった理不尽という名の防衛本能。
「で、でもその人の好意は蔑ろに出来ないといいますか…」
「その人の」
「好意?」
「な、なんでもありません……」
何だろう、言葉に言葉を返すほど、自分が追い込まれている気がする。
ヒナギクはともかく、まさか娘のアイカにまで同様の迫力があるとは思わなかった。
こんな形で、アイカを自分とヒナギクの娘だと再認識することになろうとは。
「わ、わかった。もし来年、二人以外からチョコレートを貰いそうになったら断りますっ!」
思わず敬語口調になっているハヤテは、「だから」と言葉を続けた。
「今回は、皆にホワイトデーのお返しを配らせてくれませんか……?」
「………まぁ」
「……分かってくれたなら、今回は許しちゃおうかな……」
ハヤテの真摯な視線を受けて、ヒナギクとアイカは渋々承諾した。
二人の首が縦に振られるのを確認したハヤテは、ほっと胸を撫で下ろす。
「……良かった。断られたらどうしようかと思った」
「でも! 今回だけなんだから!」
「次回はないんだからねっ!」
「了解です。お姫様方」
威圧感から開放されれば、この二人のこんな言動も可愛いと思う。
自己中心的な感情をぶつけられているような気がするが、それだけこの二人は自分を想ってくれているのだろう、拗ねた表情を浮かべている二人を見ながら、ハヤテは顔をほころばせた。
「じゃあお返しを渡してこようかな……」
「ハ、ハヤテ!」
「パパ!」
拗ねたお姫様たちから、呼び止められる。
「? どうしたの?」
もう一度二人に視線を向けると、
「「……これっ」」
「え……?」
ずいっ、と突きつけられるかのように差し出されたのは、可愛い包装紙が巻かれた、長方形。
二人の手からそれを受け取り、ハヤテは再び問う。
「これってもしかして……」
「い、いつもお世話なってるから…っ」
「なんかこう改まると恥ずかしいわね……」
軽く包みを揺すってみると、カサカサという音が聞こえてきた。
察するに、恐らくクッキーだろうと内心ハヤテが考えていると、
「ハヤテっ」「パパっ」
「「いつもありがとうっ!」」
二人の声が、自分の耳に入ってきた。
「その……今日はホワイトデーなんだけど」
「別に女の子が渡してもいいよね…? パパ」
「……ありがとう、二人とも。本当に嬉しいよ」
まさかホワイトデーに、こんな素敵なものを貰えるなんて誰が想像出来ただろうか。
二人の気持ちが詰まった包みを大事に胸に抱えながら、ハヤテは笑った。
「こんなに素敵なものが貰えるんだったら、やっぱり来年も他の人からチョコ貰おうかな」
「ハヤテ!!」「パパ!!」
「冗談だよ」
笑いながら、軽口で冗談を言う。
二人から貰ったプレゼントが素敵だということは、冗談などではないけれど。
…
(……良かった)
ハヤテが自分たちが渡したものに喜んでいる様子を見て、ヒナギクもまた、喜びを感じていた。
自分たちが渡したお返しは、ハヤテがくれるもの程立派ではない。
それでもハヤテが喜んでくれた、そのことが嬉しい。
ホワイトデーのお返しを渡すということをアイカと決意し、渡すものはクッキーに決めた。
料理慣れしていないアイカにも簡単に出来るものだと思ったし、ヒナギクでも教えられるからだ。
案の定お返し作りは特に問題も起こらないで順調に進み、市販のものと比べれば劣りを感じるものの、上出来なお返しが完成したと思う。
それを綺麗な包装紙で包み、そして今、こうしてハヤテに渡すことが出来た。
隣のアイカもまた、バレンタインデーとは別の達成感をその胸で感じているに違いない。
「(……アイカ)」
「(なぁに? ママ)」
「(……やったね)」
「(……うん!)」
ハヤテに聞こえない程度の声量でヒナギクが囁くと、アイカは花のような笑顔で大きく頷いた。
「(来年もプレゼント贈ろっか?)」
「(パパがちゃんと他の女の人からチョコを貰わなかったらでどうかな?)」
「(あは。それいいかも♪)」
「ん? 二人して何の話だい?」
「ふふっ。ハヤテには内緒」
「女どーしの秘密だもんねっ!」
不思議な表情を浮かべるハヤテに、乙女二人はもう一度、可笑しそうにクスクスと笑った。
三月十四日のホワイトデーとは、男性が女性に日頃の感謝を込めてプレゼントを贈るといわれている。
しかしそれは一般的に言われていることであって、実際の意味と異なるホワイトデーを過ごす者たちもいる。
例えばこの広大な土地に住む家族のように、女性が男性に感謝の気持ちを贈り物に乗せて渡すように。
「……ねぇハヤテ」
「ん?」
「……これからもその、よろしくね」
「ははっ。こちらこそ」
「……アイカも忘れちゃ駄目なんだよぅ」
「アイカもよろしくね」
そんな風に。
一般のホワイトデーとはちょっと違った綾崎家の三月十四日は、綾崎一家全員の笑顔で彩られていく。
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