関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうも、関ヶ原です。
五月は関ヶ原が頑張る月。
というわけであやさきけ更新です。
実はこれ、event stageで今開催されているハヤテss祭りのお題であってりもします。
そして『GWの前日』の続編(っぽいもの)でもあります。
なので、綾崎家のほのぼのとしたGWの初日の話をどうかお楽しみくださいませ。
文章は相変わらず構成などはめちゃくちゃなのですが(汗)
それではどうぞ~♪
木一杯に桃色を広げていた桜の葉もすっかり緑を彩っているGWの朝は、気持ちのよいくらい快晴だった。
そしてこの高尾山も例外ではない。
ランチボックスを左手に、鼻歌を口ずさみながら、綾崎アイカは元気良くその山道を登っていた。
『黄金週間』
GWの初日は、高尾山へ山登りすることになっていた。
というのも、アイカの両親であるハヤテとヒナギクが学生時代に高尾山へ山登りをしたことを話したところ、『じゃあ私も登る!!』と言ったからだ。
白皇学院でも初等部のアイカには、GW前の高尾山登山が日程に組まれていなかった事も理由としてあげられる。
そんなわけで、迎えたGWの初日、こうして綾崎家は高尾山にきていたわけだ。
幸い天候にも恵まれ、上機嫌で高尾山についたアイカは、早々ハヤテとヒナギクの手を引きながら頂上へ目指し歩き始めた。
その時の時刻が午前十時を少し回ったところ。
「ほらほら、早く早く!」
そして、今の時刻が十二時を少し回ったお昼頃。
アイカを先頭に、綾崎家は頂上目指し未だに猛進していた。
…といっても、のんびりと森林浴を楽しみながら、なのだが。
「頂上はもう少しなんでしょ!? だったら急ごうよ!!」
早く頂上へ行きたいアイカに、両親は苦笑しながら言う。
「あと少しなんだから、こうしてのんびりしてるんじゃない」
「こうやって周りの木々を見ながら歩くのも楽しみ方のひとつなんだよ」
「むぅ~。でもでも、そんなの帰るときも見れるじゃん!」
アイカのその言葉に、今度は二人してくすくす笑った。
「な、何よ二人して!?」
「いや……」
「だって貴女、帰りなんて疲れてどうせ眠ってるんだから」
「な――――!!」
真っ赤になるアイカに、二人はさらに笑う。
「ふ、ふんだ!! 絶対寝ないんだからね!? 覚悟しときなさい!!」
「はいはい」
「わかったよアイカ。わかったから、今はパパとママと一緒に歩こう?少しは疲れただろ?」
「う……。そ、そこまで言うんだったら一緒に歩いてやらないこともないよ!?」
ハヤテとヒナギクが差し出した手を、アイカは握って歩き出した。
その顔はとても嬉しそうだった。
…
「さ、頂上到着だよ」
「頑張ったじゃない、アイカ」
三人で歩き始めてから大体三十分くらい経って、ハヤテとヒナギクにとって懐かしい風景が目に入ってきた。
「本当!? やったぁ!!」
二人の言葉に、アイカは繋いでいた手を離し、景色が見渡せる場所へと駆け出した。
「あ!落ちると危ないから!!」
「全く…、ああいうところ、誰に似たんだか…」
「ヒナギクだろ?」
「バカっ!」
その後ろを、ハヤテとヒナギクも軽口を叩きながら追いかける。
「うわぁ……」
身長よりも幾分か高い手すり越しから見えた景色に、アイカは感嘆した。
それは、アイカが今まで見てきたどんな景色よりも美しく、壮大だった。
「どう? すごいでしょ?」
眼前に広がる景色に言葉を失っているアイカに、ヒナギクが語りかける。
「これが、パパとママが見た景色よ」
「………」
返事はない。本当に見入っているのだ。
ヒナギクはその様子に、クスリ、と小さく笑いを零すと、傍らにいたハヤテに視線を送った。
ハヤテもヒナギクの言いたいことがわかったらしく、一つ頷いて、
「よいしょ」
「キャッ―――」
その小さな体を抱えて、己の肩に乗せた。
「ほら、これでもっとよく見えるでしょ?」
「……もう、いきなりはやめてよね」
悪戯っぽく笑うハヤテに頬を膨らませつつも、そう言ったアイカの顔は嬉しそうだ。
視線の高さが違うところから、アイカは再び、その景色に目を向ける。
「………やっぱり、凄い……!!」
「はは。 満足してくれた?」
「…うん!」
その景色を、アイカはきっと忘れないだろう。
昼食を食べることも忘れて、少女はただ、眼前のその光景をじっと見つめていた。
…
太陽も傾く時間、つまり帰り道。
綾崎一家は来た道をゆっくりと歩いていた。
「今日はきて良かったわね」
オレンジ色の光が葉の合間から零れるのを眺めながら、ヒナギクが口を開く。
その顔はとても優しい。
「まさかあんなに喜んでくれるとは思わなかったわ」
「そうだね。どうせなら泊まっても良かったかも」
「ふふ。じゃあ来年はそうする?」
「考えておこうか」
「考えておきましょう」
そこで、夫婦の会話は途切れた。
かわりに、二人の視線はハヤテの背中に向けられた。
「……とりあえず、今はゆっくり歩こうか」
「そうね。 ……あは、やっぱり言った通りだったじゃない」
視線の先には、静かに寝息を立てる娘の寝顔があった。
昼食を食べた後、やはり疲れたのだろう。ヒナギクの膝を枕にして、アイカは寝てしまったのだ。
「気持ちよさそうに眠ってるね」
「本当、なんだかんだ言っても子供なんだから」
そんなわが子の頭を優しく撫でながら、ハヤテとヒナギクはゆっくりと歩き続ける。
優しいオレンジ色が照らす道を、ゆっくり、ゆっくりと。
「ねぇハヤテ」
「ん?」
「来年もいこうね」
「…そうだね」
GW。黄金週間の初日は、夫婦のそんな会話と、アイカの幸せな寝息によって終わりを迎えようとしていた。
End
五月は関ヶ原が頑張る月。
というわけであやさきけ更新です。
実はこれ、event stageで今開催されているハヤテss祭りのお題であってりもします。
そして『GWの前日』の続編(っぽいもの)でもあります。
なので、綾崎家のほのぼのとしたGWの初日の話をどうかお楽しみくださいませ。
文章は相変わらず構成などはめちゃくちゃなのですが(汗)
それではどうぞ~♪
木一杯に桃色を広げていた桜の葉もすっかり緑を彩っているGWの朝は、気持ちのよいくらい快晴だった。
そしてこの高尾山も例外ではない。
ランチボックスを左手に、鼻歌を口ずさみながら、綾崎アイカは元気良くその山道を登っていた。
『黄金週間』
GWの初日は、高尾山へ山登りすることになっていた。
というのも、アイカの両親であるハヤテとヒナギクが学生時代に高尾山へ山登りをしたことを話したところ、『じゃあ私も登る!!』と言ったからだ。
白皇学院でも初等部のアイカには、GW前の高尾山登山が日程に組まれていなかった事も理由としてあげられる。
そんなわけで、迎えたGWの初日、こうして綾崎家は高尾山にきていたわけだ。
幸い天候にも恵まれ、上機嫌で高尾山についたアイカは、早々ハヤテとヒナギクの手を引きながら頂上へ目指し歩き始めた。
その時の時刻が午前十時を少し回ったところ。
「ほらほら、早く早く!」
そして、今の時刻が十二時を少し回ったお昼頃。
アイカを先頭に、綾崎家は頂上目指し未だに猛進していた。
…といっても、のんびりと森林浴を楽しみながら、なのだが。
「頂上はもう少しなんでしょ!? だったら急ごうよ!!」
早く頂上へ行きたいアイカに、両親は苦笑しながら言う。
「あと少しなんだから、こうしてのんびりしてるんじゃない」
「こうやって周りの木々を見ながら歩くのも楽しみ方のひとつなんだよ」
「むぅ~。でもでも、そんなの帰るときも見れるじゃん!」
アイカのその言葉に、今度は二人してくすくす笑った。
「な、何よ二人して!?」
「いや……」
「だって貴女、帰りなんて疲れてどうせ眠ってるんだから」
「な――――!!」
真っ赤になるアイカに、二人はさらに笑う。
「ふ、ふんだ!! 絶対寝ないんだからね!? 覚悟しときなさい!!」
「はいはい」
「わかったよアイカ。わかったから、今はパパとママと一緒に歩こう?少しは疲れただろ?」
「う……。そ、そこまで言うんだったら一緒に歩いてやらないこともないよ!?」
ハヤテとヒナギクが差し出した手を、アイカは握って歩き出した。
その顔はとても嬉しそうだった。
…
「さ、頂上到着だよ」
「頑張ったじゃない、アイカ」
三人で歩き始めてから大体三十分くらい経って、ハヤテとヒナギクにとって懐かしい風景が目に入ってきた。
「本当!? やったぁ!!」
二人の言葉に、アイカは繋いでいた手を離し、景色が見渡せる場所へと駆け出した。
「あ!落ちると危ないから!!」
「全く…、ああいうところ、誰に似たんだか…」
「ヒナギクだろ?」
「バカっ!」
その後ろを、ハヤテとヒナギクも軽口を叩きながら追いかける。
「うわぁ……」
身長よりも幾分か高い手すり越しから見えた景色に、アイカは感嘆した。
それは、アイカが今まで見てきたどんな景色よりも美しく、壮大だった。
「どう? すごいでしょ?」
眼前に広がる景色に言葉を失っているアイカに、ヒナギクが語りかける。
「これが、パパとママが見た景色よ」
「………」
返事はない。本当に見入っているのだ。
ヒナギクはその様子に、クスリ、と小さく笑いを零すと、傍らにいたハヤテに視線を送った。
ハヤテもヒナギクの言いたいことがわかったらしく、一つ頷いて、
「よいしょ」
「キャッ―――」
その小さな体を抱えて、己の肩に乗せた。
「ほら、これでもっとよく見えるでしょ?」
「……もう、いきなりはやめてよね」
悪戯っぽく笑うハヤテに頬を膨らませつつも、そう言ったアイカの顔は嬉しそうだ。
視線の高さが違うところから、アイカは再び、その景色に目を向ける。
「………やっぱり、凄い……!!」
「はは。 満足してくれた?」
「…うん!」
その景色を、アイカはきっと忘れないだろう。
昼食を食べることも忘れて、少女はただ、眼前のその光景をじっと見つめていた。
…
太陽も傾く時間、つまり帰り道。
綾崎一家は来た道をゆっくりと歩いていた。
「今日はきて良かったわね」
オレンジ色の光が葉の合間から零れるのを眺めながら、ヒナギクが口を開く。
その顔はとても優しい。
「まさかあんなに喜んでくれるとは思わなかったわ」
「そうだね。どうせなら泊まっても良かったかも」
「ふふ。じゃあ来年はそうする?」
「考えておこうか」
「考えておきましょう」
そこで、夫婦の会話は途切れた。
かわりに、二人の視線はハヤテの背中に向けられた。
「……とりあえず、今はゆっくり歩こうか」
「そうね。 ……あは、やっぱり言った通りだったじゃない」
視線の先には、静かに寝息を立てる娘の寝顔があった。
昼食を食べた後、やはり疲れたのだろう。ヒナギクの膝を枕にして、アイカは寝てしまったのだ。
「気持ちよさそうに眠ってるね」
「本当、なんだかんだ言っても子供なんだから」
そんなわが子の頭を優しく撫でながら、ハヤテとヒナギクはゆっくりと歩き続ける。
優しいオレンジ色が照らす道を、ゆっくり、ゆっくりと。
「ねぇハヤテ」
「ん?」
「来年もいこうね」
「…そうだね」
GW。黄金週間の初日は、夫婦のそんな会話と、アイカの幸せな寝息によって終わりを迎えようとしていた。
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