関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうも、関ヶ原です。
何とか四作目完成しました。
今回、こんな話になったのはツンデレが書きたい、と私が衝動的に思ったからでして……。
あれ?ツンデレってこれでいいの?
とか結構書き終わった後に思っていたり(汗
ヒナギクってぶっちゃけツンデレなのか?
俺にはもう可愛い生き物にしか見えな(ry
とまぁ、今回もgdgdな話になっていると思いますが、どうか読んでくださいまし^^
あと一作。何を書こうか絶賛お悩み中です。
それではどうぞ~☆
ツンデレ、という言葉をは皆さんは知っているだろうか。
普段はツンツンしているが、二人きりの時などには急にしおらしくなってデレる。
大雑把に言えば、そういうものをツンデレと呼ぶ。
もっと分かりやすく言えば、好きな子には素直になれない可愛い生物のことである。
つまり―――
「な、何よ?」
「いや……」
「べ、別にハヤテ君のためにこんな格好してるわけじゃないんだから!」
僕の目の前で、何故かナース服を着ているヒナギクさん。
そんな彼女のことを、世間一般にはツンデレと呼ぶのだ。
『ツンデレな彼女』
「どうしてナースなんでしょうか?」
生徒会室の扉を開けた僕の目の前に突然現れたナースさんに、僕はとりあえず尋ねる。
ヒナギクさんは常識人。
思いつきでナース服を生徒会室で着用する趣味は持っていないはずなのだから。
そもそも、ヒナギクさんがナース服を持っているわけなどないのである。
「(これは誰かにからかわれたなぁ……)」
ということは、自然と答えは絞られてくる。
というか、ヒナギクさんをこうも上手く騙せる人間など、思い当たる人物は検討が付くのだが。
さて、今回は誰に騙されたのだろう、と僕が考えていると、ヒナギクさんが慌てた様子で弁解してきた。
「こ、これは美希たちが勝手に……!動画撮影のためにどうしても必要だって言われたからで……決してハヤテ君がナース服が大好きだって聞かされたから着てるわけじゃないのよ!?」
「はぁ……」
成る程、やはり花菱さんたちだったか。
予想が見事的中した所で、僕がナース服を好きだとか、どこからその話を聞いたのか花菱さんたちに小一時間問い詰めたい。
いや、別に嫌いというわけじゃないのだけれども。
「しかし……」
恥ずかしそうに言葉を発すヒナギクさんに、僕は苦笑した。
ヒナギクさんは案外その場に流されやすい人だと思っていたが、ここまでとは。
恐らく最初は拒否していたのだろうが、花菱さんたちにゴリ押しされたのだろう。
少しくらいなら……と思い始めたら、その時点でヒナギクさんの敗北は決定したようなものだ。
段々と花菱さんたちに言い包められていく彼女の姿が、目に浮かぶ。
でもまぁ、しかし。
「可愛いですね、ヒナギクさん」
「なっ!?」
しかしだ。
僕の言葉に顔を真っ赤にしたヒナギクさんに、僕は言葉を続ける。
「だって、僕がナース服が好きだからという理由で、その服を着てくれているわけでしょう?」
「だ、だから違うって言ってるじゃない!美希たちに騙されて……」
「僕がナース服が好きだ、と聞かされたから着たんでしょ?」
うっ、と言葉に詰まるヒナギクさん。
一応僕はナース服が好きなので、花菱さんたちの言葉は間違っていないのだけれども、そんなことはこの際どうでもいい。
問題は、僕のためにヒナギクさんがナース服を着てくれたことにある。
「なんというか、本当にヒナギクさんが可愛くて仕方がないんですけど」
「ううううう~~~~」
しかも、素直に肯定しないところがまた、なんとも言いがたい彼女の可愛さだ。
相変わらずお顔が真っ赤なヒナギクさんを、僕は思わずぎゅうっと抱きしめる。
「ありがとうございます」
ヒナギクさんは、抵抗しなかった。
抵抗せず僕の腕に大人しく収まって、しかし顔はそっぽに向けて小さく呟く。
「………別に、ハヤテ君のために着たわけじゃないんだから」
わかっているくせに、と僕はそんなヒナギクさんに苦笑した。
ここまできて、まだ言うか。
本当、素直じゃない人である。
「本当に……可愛い人ですね」
そろそろ素直になってもいいんじゃないですか?と目で訴えるが、ヒナギクさんは目を合わせてくれない。
でも。
「心の底から、そんなヒナギクさんが大好きです」
「………ハヤテ君のバカ」
僕が寄せた唇にしっかりと自分の唇を重ねてきたヒナギクさんは、本当にツンデレな、僕の愛する彼女。
End
何とか四作目完成しました。
今回、こんな話になったのはツンデレが書きたい、と私が衝動的に思ったからでして……。
あれ?ツンデレってこれでいいの?
とか結構書き終わった後に思っていたり(汗
ヒナギクってぶっちゃけツンデレなのか?
俺にはもう可愛い生き物にしか見えな(ry
とまぁ、今回もgdgdな話になっていると思いますが、どうか読んでくださいまし^^
あと一作。何を書こうか絶賛お悩み中です。
それではどうぞ~☆
ツンデレ、という言葉をは皆さんは知っているだろうか。
普段はツンツンしているが、二人きりの時などには急にしおらしくなってデレる。
大雑把に言えば、そういうものをツンデレと呼ぶ。
もっと分かりやすく言えば、好きな子には素直になれない可愛い生物のことである。
つまり―――
「な、何よ?」
「いや……」
「べ、別にハヤテ君のためにこんな格好してるわけじゃないんだから!」
僕の目の前で、何故かナース服を着ているヒナギクさん。
そんな彼女のことを、世間一般にはツンデレと呼ぶのだ。
『ツンデレな彼女』
「どうしてナースなんでしょうか?」
生徒会室の扉を開けた僕の目の前に突然現れたナースさんに、僕はとりあえず尋ねる。
ヒナギクさんは常識人。
思いつきでナース服を生徒会室で着用する趣味は持っていないはずなのだから。
そもそも、ヒナギクさんがナース服を持っているわけなどないのである。
「(これは誰かにからかわれたなぁ……)」
ということは、自然と答えは絞られてくる。
というか、ヒナギクさんをこうも上手く騙せる人間など、思い当たる人物は検討が付くのだが。
さて、今回は誰に騙されたのだろう、と僕が考えていると、ヒナギクさんが慌てた様子で弁解してきた。
「こ、これは美希たちが勝手に……!動画撮影のためにどうしても必要だって言われたからで……決してハヤテ君がナース服が大好きだって聞かされたから着てるわけじゃないのよ!?」
「はぁ……」
成る程、やはり花菱さんたちだったか。
予想が見事的中した所で、僕がナース服を好きだとか、どこからその話を聞いたのか花菱さんたちに小一時間問い詰めたい。
いや、別に嫌いというわけじゃないのだけれども。
「しかし……」
恥ずかしそうに言葉を発すヒナギクさんに、僕は苦笑した。
ヒナギクさんは案外その場に流されやすい人だと思っていたが、ここまでとは。
恐らく最初は拒否していたのだろうが、花菱さんたちにゴリ押しされたのだろう。
少しくらいなら……と思い始めたら、その時点でヒナギクさんの敗北は決定したようなものだ。
段々と花菱さんたちに言い包められていく彼女の姿が、目に浮かぶ。
でもまぁ、しかし。
「可愛いですね、ヒナギクさん」
「なっ!?」
しかしだ。
僕の言葉に顔を真っ赤にしたヒナギクさんに、僕は言葉を続ける。
「だって、僕がナース服が好きだからという理由で、その服を着てくれているわけでしょう?」
「だ、だから違うって言ってるじゃない!美希たちに騙されて……」
「僕がナース服が好きだ、と聞かされたから着たんでしょ?」
うっ、と言葉に詰まるヒナギクさん。
一応僕はナース服が好きなので、花菱さんたちの言葉は間違っていないのだけれども、そんなことはこの際どうでもいい。
問題は、僕のためにヒナギクさんがナース服を着てくれたことにある。
「なんというか、本当にヒナギクさんが可愛くて仕方がないんですけど」
「ううううう~~~~」
しかも、素直に肯定しないところがまた、なんとも言いがたい彼女の可愛さだ。
相変わらずお顔が真っ赤なヒナギクさんを、僕は思わずぎゅうっと抱きしめる。
「ありがとうございます」
ヒナギクさんは、抵抗しなかった。
抵抗せず僕の腕に大人しく収まって、しかし顔はそっぽに向けて小さく呟く。
「………別に、ハヤテ君のために着たわけじゃないんだから」
わかっているくせに、と僕はそんなヒナギクさんに苦笑した。
ここまできて、まだ言うか。
本当、素直じゃない人である。
「本当に……可愛い人ですね」
そろそろ素直になってもいいんじゃないですか?と目で訴えるが、ヒナギクさんは目を合わせてくれない。
でも。
「心の底から、そんなヒナギクさんが大好きです」
「………ハヤテ君のバカ」
僕が寄せた唇にしっかりと自分の唇を重ねてきたヒナギクさんは、本当にツンデレな、僕の愛する彼女。
End
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皆さんどうも、関ヶ原です。
新作が一応出来ました。今月三作目です。
今回もハヤヒナで、久しぶりに甘い小説を書いたつもりです。
しかし今回書いてみると、案外甘めの小説って書くのが難しい……。
キャラを保ちつつ、しっかり甘えさせる。
残念ながら私には難しい。
でも何とか形にはできたのかな、と思っています。
そしてオチの弱さに私涙目。誰か綺麗に話を締める方法を教えてください……!
今回一番悩んだのは何よりタイトルです。
タイトルとして強調したい部分がないもので、『無題』というタイトルにしようかと思ったくらいです(汗)
だから何とか頭を動かしてこんな感じになりました。
ちょっと中身のない話になってしまいましたが、どうか皆様お許しを……!!
さぁ後二作。果たして私は書けるのか。
それではどうぞ~☆
『Hot Kiss』
学校からの帰り道の空は、茜色に染まっていた。
十一月も半ば、暗くなるに連れて肌に当たる風も冷たくなってきている。
「うわ、寒い」
「確かに……これはちょっと寒すぎですね」
結構な厚着をしているにも拘わらず、寒風が体に当たる。
その寒さに身を震わせながら、私とハヤテ君は学校帰りの道を歩いていた。
「もう冬がやってくるって感じよね、こうも寒いと」
「東北地方ではもう雪が降っている所もあるくらいですしね」
ハヤテ君は私の言葉にそう答えると、白い息を吐きながらもう一度身を震わせた。
今日は珍しく、生徒会の仕事がなかった。
この所ハヤテ君と二人で仕事をしていたからなのか、予定以上の仕事をこなしていたらしく、本日は仕事が残っていなかったのだ。
「流石東北ね~。ここ以上に寒いのよね、きっと」
「でも行ってみたい気持ちはありますね」
「そうね~」
して、その帰り道。
いつもとは違い、今日の帰り道は他の生徒たちと一緒だ。
毎日生徒会で遅くなるので、生徒の姿が見えない帰り道は寂しいものだった。
「じゃあいつか行こっか、東北」
「え?」
「いつか、機会があったら二人っきりで、ね?」
だから、とハヤテ君の腕を私は抱える。
「ちょ、ヒナギクさんっ。皆見てますって」
「いいのよ、それで」
そしてニヤリ、と私は笑った。
「見せ付けてるのよ♪」
「………」
私の言葉に、ハヤテ君が固まる。
「あの……その」
「何を今更照れてるのよ。もう皆知っているでしょ?」
「それは、そうなんですが」
ハヤテ君が言葉を濁すのも分かる。
だってほら、ハヤテ君に敵意ある視線が集中しているから。
それでも私はハヤテ君の腕を離すことはない。
普段見せ付けられない分、こういった貴重な機会に見せ付けなければ。
私がハヤテ君をどれだけ好きかということを。
ちら、とハヤテ君を見れば、恥ずかしそうに頬を赤く染めていた。
どうやら彼には、まだまだ覚悟が足りないらしい。
「ねえハヤテ君?」
「……は、はい」
「ハヤテ君は私の彼氏よね?」
「へ?そ、それはもちろん!僕はヒナギクさんの彼氏ですよ」
「そうよね、彼氏よね。じゃあそれがどういうことなのか分かるかしら?」
「え―――――」
だから、思い知らせてあげることにした。
周りの生徒たちに、ハヤテ君に。
私から、桂ヒナギクから好かれるというのがどういうことなのか。
私の方を向いた彼の唇に、自分のそれを重ねた。
やわらかく暖かい感触が伝わって、唇から身体全体に心地よさが広がる。
帰宅途中。
しかも多くの生徒たちがいる中で、私とハヤテ君はキスをしていた。
「………えへへ、これで分かった?」
「ええ…もう十分というくらいに」
数秒、数十秒と時間が過ぎ、私たちは唇を離した。
名残惜しい気持ちもあるが、ハヤテ君の顔が尋常じゃない位に真っ赤だったので仕方がない。
それに、どうやらハヤテ君も分かってくれたようで、トマトのように顔を真っ赤にしながらも、唇を離すと私をぎゅっと抱きしめてくれた。
真っ赤な顔で私を抱きしめたまま、ハヤテ君は言う。
「………肝っ玉は強い方だと思っていましたけど、ヒナギクさんの彼氏を務めるにはまだまだ努力が必要みたいです」
「ふふ。分かればいいのよ」
「本当に……。ヒナギクさんがここまで甘えん坊だとは思いませんでした」
「良いじゃない、別に。私はただ、自分の気持ちに素直になっただけよ」
ハヤテ君の腕の中は、本当に幸せな気持ちになる。
キスとは違った温かさ。
その温かさを体全体で感じながら、私は「それに」と言葉を続けた。
「私は甘えん坊だけじゃなくて、寂しがりやでもあるのよ?」
周りをみれば、あれ程いた生徒たちの姿はなくなっていた。
私たちの姿を見て恥ずかしくなったのだろうか?
でも、この方が私にとっては都合がいい。
「だから、ね」
すっかり人気がなくなってしまった帰り道で、私はハヤテ君に唇を差し出した。
「ん」
「え?」
「さっきは人がいたからそんなに長くは出来なかったけど、今なら大丈夫でしょ?」
何を、と聞くことは今更だ。
今度はハヤテ君の方からして欲しい。
そんな私の気持ちを読み取ってくれたのだろう、ハヤテ君は苦笑を浮かべながらも、
「………本当に甘えん坊なんですから、ヒナギクさんは」
その言葉を優しい声色に乗せて、私に二度目のキスをした。
十一月も半ば、暗くなるに連れて肌に当たる風も冷たくなってきている。
もう冬がすぐそこまで来ている、巡る季節の中で。
大好きな人とのキスは、そんな寒さを忘れさせてくれるくらいに、やはり温かなものだった。
End
新作が一応出来ました。今月三作目です。
今回もハヤヒナで、久しぶりに甘い小説を書いたつもりです。
しかし今回書いてみると、案外甘めの小説って書くのが難しい……。
キャラを保ちつつ、しっかり甘えさせる。
残念ながら私には難しい。
でも何とか形にはできたのかな、と思っています。
そしてオチの弱さに私涙目。誰か綺麗に話を締める方法を教えてください……!
今回一番悩んだのは何よりタイトルです。
タイトルとして強調したい部分がないもので、『無題』というタイトルにしようかと思ったくらいです(汗)
だから何とか頭を動かしてこんな感じになりました。
ちょっと中身のない話になってしまいましたが、どうか皆様お許しを……!!
さぁ後二作。果たして私は書けるのか。
それではどうぞ~☆
『Hot Kiss』
学校からの帰り道の空は、茜色に染まっていた。
十一月も半ば、暗くなるに連れて肌に当たる風も冷たくなってきている。
「うわ、寒い」
「確かに……これはちょっと寒すぎですね」
結構な厚着をしているにも拘わらず、寒風が体に当たる。
その寒さに身を震わせながら、私とハヤテ君は学校帰りの道を歩いていた。
「もう冬がやってくるって感じよね、こうも寒いと」
「東北地方ではもう雪が降っている所もあるくらいですしね」
ハヤテ君は私の言葉にそう答えると、白い息を吐きながらもう一度身を震わせた。
今日は珍しく、生徒会の仕事がなかった。
この所ハヤテ君と二人で仕事をしていたからなのか、予定以上の仕事をこなしていたらしく、本日は仕事が残っていなかったのだ。
「流石東北ね~。ここ以上に寒いのよね、きっと」
「でも行ってみたい気持ちはありますね」
「そうね~」
して、その帰り道。
いつもとは違い、今日の帰り道は他の生徒たちと一緒だ。
毎日生徒会で遅くなるので、生徒の姿が見えない帰り道は寂しいものだった。
「じゃあいつか行こっか、東北」
「え?」
「いつか、機会があったら二人っきりで、ね?」
だから、とハヤテ君の腕を私は抱える。
「ちょ、ヒナギクさんっ。皆見てますって」
「いいのよ、それで」
そしてニヤリ、と私は笑った。
「見せ付けてるのよ♪」
「………」
私の言葉に、ハヤテ君が固まる。
「あの……その」
「何を今更照れてるのよ。もう皆知っているでしょ?」
「それは、そうなんですが」
ハヤテ君が言葉を濁すのも分かる。
だってほら、ハヤテ君に敵意ある視線が集中しているから。
それでも私はハヤテ君の腕を離すことはない。
普段見せ付けられない分、こういった貴重な機会に見せ付けなければ。
私がハヤテ君をどれだけ好きかということを。
ちら、とハヤテ君を見れば、恥ずかしそうに頬を赤く染めていた。
どうやら彼には、まだまだ覚悟が足りないらしい。
「ねえハヤテ君?」
「……は、はい」
「ハヤテ君は私の彼氏よね?」
「へ?そ、それはもちろん!僕はヒナギクさんの彼氏ですよ」
「そうよね、彼氏よね。じゃあそれがどういうことなのか分かるかしら?」
「え―――――」
だから、思い知らせてあげることにした。
周りの生徒たちに、ハヤテ君に。
私から、桂ヒナギクから好かれるというのがどういうことなのか。
私の方を向いた彼の唇に、自分のそれを重ねた。
やわらかく暖かい感触が伝わって、唇から身体全体に心地よさが広がる。
帰宅途中。
しかも多くの生徒たちがいる中で、私とハヤテ君はキスをしていた。
「………えへへ、これで分かった?」
「ええ…もう十分というくらいに」
数秒、数十秒と時間が過ぎ、私たちは唇を離した。
名残惜しい気持ちもあるが、ハヤテ君の顔が尋常じゃない位に真っ赤だったので仕方がない。
それに、どうやらハヤテ君も分かってくれたようで、トマトのように顔を真っ赤にしながらも、唇を離すと私をぎゅっと抱きしめてくれた。
真っ赤な顔で私を抱きしめたまま、ハヤテ君は言う。
「………肝っ玉は強い方だと思っていましたけど、ヒナギクさんの彼氏を務めるにはまだまだ努力が必要みたいです」
「ふふ。分かればいいのよ」
「本当に……。ヒナギクさんがここまで甘えん坊だとは思いませんでした」
「良いじゃない、別に。私はただ、自分の気持ちに素直になっただけよ」
ハヤテ君の腕の中は、本当に幸せな気持ちになる。
キスとは違った温かさ。
その温かさを体全体で感じながら、私は「それに」と言葉を続けた。
「私は甘えん坊だけじゃなくて、寂しがりやでもあるのよ?」
周りをみれば、あれ程いた生徒たちの姿はなくなっていた。
私たちの姿を見て恥ずかしくなったのだろうか?
でも、この方が私にとっては都合がいい。
「だから、ね」
すっかり人気がなくなってしまった帰り道で、私はハヤテ君に唇を差し出した。
「ん」
「え?」
「さっきは人がいたからそんなに長くは出来なかったけど、今なら大丈夫でしょ?」
何を、と聞くことは今更だ。
今度はハヤテ君の方からして欲しい。
そんな私の気持ちを読み取ってくれたのだろう、ハヤテ君は苦笑を浮かべながらも、
「………本当に甘えん坊なんですから、ヒナギクさんは」
その言葉を優しい声色に乗せて、私に二度目のキスをした。
十一月も半ば、暗くなるに連れて肌に当たる風も冷たくなってきている。
もう冬がすぐそこまで来ている、巡る季節の中で。
大好きな人とのキスは、そんな寒さを忘れさせてくれるくらいに、やはり温かなものだった。
End
どうもこんばんわ、関ヶ原です。
予定通り、新作をupしたいと思います。
今回はハヤヒナ、前回ヒナを出せなかったので(汗)
文量は少なめ。この所、文量が少なくなってきているのでちょっと問題視orz
でも、折角書きましたので、この小説をハヤテの誕生日記念ということでささげたいと思います。
それではどうぞ~☆
本日の授業の終了を知らせるチャイムが響き、号令係の掛け声が言い終わると同時に、生徒たちは一斉に帰宅の準備を始めた。
そんな様子を見ながら、綾崎ハヤテはふと思う。
名門だろうとなかろうと、生徒たちの思うことは大して変わらないのだなぁ、と。
学校が終われば、早く家に帰りたい。
早く部活に行きたい。
恋人とともに、街へ買い物に出かけたい。
放課後思うことは、そのようなことだ。
そしてそれが正鵠を得ているとハヤテは確信していた。
何故なら喧騒に包まれていた教室は、いつの間にやら静寂な空間へと変わっていたのだから。
「……本当に皆帰るのが早いなぁ」
そんなことを呟きながらも、教科書を鞄へと入れる動作はやけにゆっくりなハヤテだった。
『放課後ライフ』
放課後を有意義に過ごすために、ハヤテは『いつもの場所』へと向かう。
それは、白皇学園において一番の高度を誇る場所『時計塔』だ。
「こんにちはー」
エレベータに乗り、その時計塔の最上階に上る。
そこにあるのは『生徒会室』。
荘厳な扉をノックして、ハヤテは中へと入る。
ここからがハヤテの放課後の始まりなのだ。
「ヒナギクさん、いますか?」
「あ、いらっしゃいハヤテ君」
中へ入ったハヤテを出迎えてくれたのは、この部屋の主である桂ヒナギクだ。
放課後の開始の合図は、いつも彼女の声だった。
ヒナギクはいつものように机の上で大量の書類と格闘していた。
「今日も凄い量ですね……」
「まぁ……でもいつものことよ」
涼しい様子を見せるヒナギクだが、その彼女の手は残像が見えるくらいに素早く動いている。
一言で言えば、物凄く忙しそう。
にも拘わらず、この広大な空間にはハヤテを除いてヒナギク一人しかいなかった。
「成る程……。確かに、いつものことですね。いろんな意味で」
「ええ。色んな意味でね」
いつもの如く、あの役員三馬鹿娘はサボりなのだろう。
愛歌や千桜も、何か用事があるのだろうか、来ている様子はない。
やれやれ、とハヤテはため息をついた。
「手伝います」
「いつも悪いわね」
「いえ、いつものことなんで」
ハヤテの申し出に、ヒナギクは申し訳なさそうに苦笑した。
こうして放課後、ハヤテがヒナギクの仕事を手伝うのももはや『いつものこと』。
しかし、まぁ。
「それに、好きな人と一緒に仕事ができるというのは、嬉しいことですし」
「……もぅ、バカ」
ヒナギクに苦労をかける役員にはため息が出るが、ヒナギクと二人きりだということはハヤテにとってはこの上ない喜びであった。
恥ずかしそうに頬を染めたヒナギクを見て満足そうに頷くと、ハヤテは早速仕事に取り掛かった。
「それじゃあ、お仕事、開始っと」
「? どうしたの急に。そんなこと言って」
「いえ、なんとなくですよ。なんとなく」
「?」
いつものように始まり、いつものように終わる。
そんな幸せな恋人たちの、放課後ライフ。
End
予定通り、新作をupしたいと思います。
今回はハヤヒナ、前回ヒナを出せなかったので(汗)
文量は少なめ。この所、文量が少なくなってきているのでちょっと問題視orz
でも、折角書きましたので、この小説をハヤテの誕生日記念ということでささげたいと思います。
それではどうぞ~☆
本日の授業の終了を知らせるチャイムが響き、号令係の掛け声が言い終わると同時に、生徒たちは一斉に帰宅の準備を始めた。
そんな様子を見ながら、綾崎ハヤテはふと思う。
名門だろうとなかろうと、生徒たちの思うことは大して変わらないのだなぁ、と。
学校が終われば、早く家に帰りたい。
早く部活に行きたい。
恋人とともに、街へ買い物に出かけたい。
放課後思うことは、そのようなことだ。
そしてそれが正鵠を得ているとハヤテは確信していた。
何故なら喧騒に包まれていた教室は、いつの間にやら静寂な空間へと変わっていたのだから。
「……本当に皆帰るのが早いなぁ」
そんなことを呟きながらも、教科書を鞄へと入れる動作はやけにゆっくりなハヤテだった。
『放課後ライフ』
放課後を有意義に過ごすために、ハヤテは『いつもの場所』へと向かう。
それは、白皇学園において一番の高度を誇る場所『時計塔』だ。
「こんにちはー」
エレベータに乗り、その時計塔の最上階に上る。
そこにあるのは『生徒会室』。
荘厳な扉をノックして、ハヤテは中へと入る。
ここからがハヤテの放課後の始まりなのだ。
「ヒナギクさん、いますか?」
「あ、いらっしゃいハヤテ君」
中へ入ったハヤテを出迎えてくれたのは、この部屋の主である桂ヒナギクだ。
放課後の開始の合図は、いつも彼女の声だった。
ヒナギクはいつものように机の上で大量の書類と格闘していた。
「今日も凄い量ですね……」
「まぁ……でもいつものことよ」
涼しい様子を見せるヒナギクだが、その彼女の手は残像が見えるくらいに素早く動いている。
一言で言えば、物凄く忙しそう。
にも拘わらず、この広大な空間にはハヤテを除いてヒナギク一人しかいなかった。
「成る程……。確かに、いつものことですね。いろんな意味で」
「ええ。色んな意味でね」
いつもの如く、あの役員三馬鹿娘はサボりなのだろう。
愛歌や千桜も、何か用事があるのだろうか、来ている様子はない。
やれやれ、とハヤテはため息をついた。
「手伝います」
「いつも悪いわね」
「いえ、いつものことなんで」
ハヤテの申し出に、ヒナギクは申し訳なさそうに苦笑した。
こうして放課後、ハヤテがヒナギクの仕事を手伝うのももはや『いつものこと』。
しかし、まぁ。
「それに、好きな人と一緒に仕事ができるというのは、嬉しいことですし」
「……もぅ、バカ」
ヒナギクに苦労をかける役員にはため息が出るが、ヒナギクと二人きりだということはハヤテにとってはこの上ない喜びであった。
恥ずかしそうに頬を染めたヒナギクを見て満足そうに頷くと、ハヤテは早速仕事に取り掛かった。
「それじゃあ、お仕事、開始っと」
「? どうしたの急に。そんなこと言って」
「いえ、なんとなくですよ。なんとなく」
「?」
いつものように始まり、いつものように終わる。
そんな幸せな恋人たちの、放課後ライフ。
End
どうも、関ヶ原です。
予定通り新作upします。
今回の小説はあやさきけ。前回と比べ、かなり文量は少なくなってしまいましたがご了承を……。
そして真司さん、お誕生日おめでとうございます。
いつもお世話になってます。これからもよろしくです!
小説がこんなに短いもので申し訳なかったです……。
あ、ハヤテもお誕生日おめでとう~(わーぱちぱち)
綾崎ハヤテ君には長い間このサイトでヒナと頑張ってくれてるからね、ハヤテの誕生日記念小説も書くよ。
うん、今月二作目は決定。
ハヤテの記念小説だーー!!
次回はアイカはお休みで、ハヤヒナにします。
では、どうぞ~☆
十一月の上旬だというのに、天気予報では全国各地で雪が降るかもしれないと言っていた。
今朝耳にしたそんな天気予報を思い出しながら、父の迎えを少女は教室で待つ。
下校時間が近づいたからか、教室に温かな空気を送っていた暖房は消え、急激に寒さが広がっていく。
「寒い」、と一言呟き、窓を見れば、コートを羽織った見慣れた姿が目に入る。
その姿を窓からじっと見ていると、その人物はこちらに気づいたようで手を振ってきた。
『お待たせ』と。
少女は「遅いぞ、バカ父」と呟きながら、急ぎ足で下へと向かった。
『冬の足音』
外へ出て空を見ると、鉛色をした空が徐に進んでいた。
その空を見て、少女は呟く。
「寒い」と。
青空色の瞳に、桜色の髪を持つ少女は、我等が綾崎アイカである。
アイカは肌に当たる風に体を少し震わせると、「寒い」ともう一度呟いた。
「どうしてこんなに寒いんだろう?」
そんなアイカの問いに、傍らを歩いていたバカ父――綾崎ハヤテは答える。
「雪が降るかもって予報で言ってたからね。アイカも風邪には気をつけるんだよ」
「うん、りょーかい」
ハヤテの言葉にアイカは頷いたところで、
「………」
「どうかした?アイカ」
「ん」
自分の手を見て、それをハヤテの前にずいっと差し出す。
「お手々」
「あぁ、ごめんごめん」
アイカの行動を察したハヤテが手を握る。
「ん。よろしい」
満足げに頷いて、握られた手をアイカの方も握り返した。
外はこんなにも寒いのに、父の手は温かい。
「外はこんなに寒いのに、パパの手はあったかいね」
思ったことを素直に口に出すと、父は「ありがとう」と優しく微笑んだ。
「アイカの手も温かいよ」
「ありがと」
ハヤテの言葉にアイカは笑顔になる。
先ほどまでは外の寒さに顔をしかめていたというのに。
単純な奴だなぁ、とアイカは自身に苦笑してしまう。
大好きな人と手を繋ぐ。
たったそれだけで、こんなにも身体と心は温まるのだから。
「えへへ」
アイカはハヤテの手をもう一度ぎゅ、と握ると、鉛色の空を見上げて、言う。
「今日は暖かいね」
「え?」
「暖かいの」
頭に疑問符を浮かべる父を横目で楽しそうに見ながら、アイカはハヤテに言葉をかけた。
「早く帰ろう?ママが待ってるし」
「……その割にはやけにゆっくりな足取りだね」
「気のせいだよ、きっと」
かけた言葉と裏腹な娘の行動に、ハヤテは苦笑するしかない。
「そっか」
それでも娘の小さな手はしっかりと握って、ハヤテもアイカの歩幅に合わせながら歩きだした。
家まであとどれくらいなのか、よく分からない帰り道を。
父の、娘の暖かさを手の平で感じながら、二人は仲良く進む。
ゆっくり、ゆっくりと進む二人の足音は、だんだんと近づいている、冬の足音に似ている気がした。
End
予定通り新作upします。
今回の小説はあやさきけ。前回と比べ、かなり文量は少なくなってしまいましたがご了承を……。
そして真司さん、お誕生日おめでとうございます。
いつもお世話になってます。これからもよろしくです!
小説がこんなに短いもので申し訳なかったです……。
あ、ハヤテもお誕生日おめでとう~(わーぱちぱち)
綾崎ハヤテ君には長い間このサイトでヒナと頑張ってくれてるからね、ハヤテの誕生日記念小説も書くよ。
うん、今月二作目は決定。
ハヤテの記念小説だーー!!
次回はアイカはお休みで、ハヤヒナにします。
では、どうぞ~☆
十一月の上旬だというのに、天気予報では全国各地で雪が降るかもしれないと言っていた。
今朝耳にしたそんな天気予報を思い出しながら、父の迎えを少女は教室で待つ。
下校時間が近づいたからか、教室に温かな空気を送っていた暖房は消え、急激に寒さが広がっていく。
「寒い」、と一言呟き、窓を見れば、コートを羽織った見慣れた姿が目に入る。
その姿を窓からじっと見ていると、その人物はこちらに気づいたようで手を振ってきた。
『お待たせ』と。
少女は「遅いぞ、バカ父」と呟きながら、急ぎ足で下へと向かった。
『冬の足音』
外へ出て空を見ると、鉛色をした空が徐に進んでいた。
その空を見て、少女は呟く。
「寒い」と。
青空色の瞳に、桜色の髪を持つ少女は、我等が綾崎アイカである。
アイカは肌に当たる風に体を少し震わせると、「寒い」ともう一度呟いた。
「どうしてこんなに寒いんだろう?」
そんなアイカの問いに、傍らを歩いていたバカ父――綾崎ハヤテは答える。
「雪が降るかもって予報で言ってたからね。アイカも風邪には気をつけるんだよ」
「うん、りょーかい」
ハヤテの言葉にアイカは頷いたところで、
「………」
「どうかした?アイカ」
「ん」
自分の手を見て、それをハヤテの前にずいっと差し出す。
「お手々」
「あぁ、ごめんごめん」
アイカの行動を察したハヤテが手を握る。
「ん。よろしい」
満足げに頷いて、握られた手をアイカの方も握り返した。
外はこんなにも寒いのに、父の手は温かい。
「外はこんなに寒いのに、パパの手はあったかいね」
思ったことを素直に口に出すと、父は「ありがとう」と優しく微笑んだ。
「アイカの手も温かいよ」
「ありがと」
ハヤテの言葉にアイカは笑顔になる。
先ほどまでは外の寒さに顔をしかめていたというのに。
単純な奴だなぁ、とアイカは自身に苦笑してしまう。
大好きな人と手を繋ぐ。
たったそれだけで、こんなにも身体と心は温まるのだから。
「えへへ」
アイカはハヤテの手をもう一度ぎゅ、と握ると、鉛色の空を見上げて、言う。
「今日は暖かいね」
「え?」
「暖かいの」
頭に疑問符を浮かべる父を横目で楽しそうに見ながら、アイカはハヤテに言葉をかけた。
「早く帰ろう?ママが待ってるし」
「……その割にはやけにゆっくりな足取りだね」
「気のせいだよ、きっと」
かけた言葉と裏腹な娘の行動に、ハヤテは苦笑するしかない。
「そっか」
それでも娘の小さな手はしっかりと握って、ハヤテもアイカの歩幅に合わせながら歩きだした。
家まであとどれくらいなのか、よく分からない帰り道を。
父の、娘の暖かさを手の平で感じながら、二人は仲良く進む。
ゆっくり、ゆっくりと進む二人の足音は、だんだんと近づいている、冬の足音に似ている気がした。
End
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