関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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大変お待たせしました、新作です。
当然CPはハヤヒナですよみなさーん!
今回は春が近い、ということで、新学年になるヒナギクの心境を書いてみました。
まぁ、原作のヒナはそんな事思わないんですけどね(汗)
ほのぼのとした雰囲気は出せてるかな?と思っていたり…。
良かったら感想お願いしますね、次回への参考になりますから。
それでは、どうぞ~♪
三月も終わりだというのに、東北地方では雪が降った地域があるらしい。
そんな新聞の記事に目を通しながら、ずずず、と私にしては珍しく、朝のコーヒーを啜る。
朝の白皇学院の時計塔――生徒会室の大きな窓からは、そんな新聞記事とは全く正反対に、春の訪れを感じさせる暖かな日差しが射している。
もうすぐ、春がやってくる。
『生徒会長の憂鬱』
「春……か」
暖かな季節が来ることに喜びを覚える反面、少しメランコリな気分になって、私――桂ヒナギクは小さくため息をついた。
「もう受験なのよねぇ…」
憂鬱な気分の原因は、それ。『受験』だ。
春――即ち新年度が始れば、私たちは三年生になる。
ここ白皇学院は進学校故、九割強の生徒が進学へ向けて今以上に勉強に励むことになる。
現に、違う学校の歩も、勉学に集中して予備校に通うらしい。
ともなれば、今までのように楽しく友人と遊ぶ機会も減ってしまうだろう。
「……なんか、寂しいな」
それが、寂しい。
いつも仕事をサボっていた馬鹿三人も、ハル子や愛歌さんも、ナギも、そして……ハヤテ君も。
己の道を進むために、皆それぞれ頑張っていく(ナギは違うかもしれないが)。
あの三人が頑張る姿を見れるのならば、それは嬉しいことだ。
「…あ~もう!」
そんな、嬉しさと寂しさの狭間に立たされ、私はがしがしと髪をかき回した。
そして、この見慣れた生徒会室を見回す。
「ここも…寂しくなるのかしら」
もう少しで今の生徒会は任期を終える。
新しい生徒会に向けての仕事も、これからやってくるはずだ。
となれば、私がこの席でコーヒーを啜る日々も、もう少ししかない。
別の寂しさが広がる。
「はぁ……」
二度目の、ため息。
そう、新年度になれば、変わっていく。
生活も、勉強も、生徒会も、何もかも。
それが当たり前なのだ、とは頭ではわかっていても、
「…本当、私って子供だわ…」
それが嫌だった。
わかっている、これは単なる私の我侭でしかないことくらい。
それでも、嫌だった。
「――まぁ確かに、ヒナギクさんは子供っぽいですけど」
「!?」
そんなことを考えて自己嫌悪に陥っていたものだから、突然掛けられた声に、私はひどく驚いた。
首を痛めそうな勢いで声の方を向くと、たった今考えていた、大好きな彼の姿があった。
「ハヤテ君!?どうしたのこんな朝早くに!?」
「いえ…なんとなくですけど、時計塔に登りたくなりまして」
登ってみたらヒナギクさんが思いつめた顔をしていましたので、と私の問いにハヤテ君は笑顔で答える。
「(み、見られた……!!)」
羞恥で顔に熱が上る。悪戯がばれた子供のような心境だった。
見られたくない部分を、よりにもよって、好きな人に見られるとは――!!
穴があったら入りたい、そんな私の様子を見てハヤテ君はくすりと笑った。
「でも…、皆同じだと思います」
「――え…?」
「皆、今ある日常が大好きなんだと思います」
ハヤテ君の言葉に、私は目を見張る。
「皆…?」
「はい、皆。僕も、お嬢様も、瀬川さんたちも」
「ハヤテ君も…?」
私の言葉に、ハヤテ君は笑顔で頷いた。
当たり前じゃないですか、と。
「僕だって今の日常が大好きです。だって、数年前の僕には考えられないくらいに幸せなものですから。失いたくない、と思うのは当然じゃないですか」
「で、でも…三年生になったら、それも変わるわ…!」
「そうですね、そうなります。ですけどそれを拒むことは、できないですよね」
「それは……そう、だけど…」
あぁ、今の私は本当に子供だ。
容姿端麗、文武両道、頼れる生徒会長なんかじゃない。
我侭を親に諭される、小さな小さな子供。
「でも…やっぱり…寂しい」
こんな私を、ハヤテ君は優しく抱きしめてくれた。
身体が、優しい温もりに包まれる。
「じゃあ、僕が傍にいますよ」
「……え?」
掛けられた声は、それよりもさらに優しかった。
何を、と聞き返す言葉は、ハヤテ君の唇によって妨げられた。
「ヒナギクさんが寂しがらないように、僕が一生、傍にいます」
「ハヤテ君……」
「だから寂しがらないでください」
もう一度、ハヤテ君が顔を寄せてくる。
「………うん。約束なんだから」
その言葉を胸に響かせながら、私は静かに目を閉じた。
…
三月も終わりだというのに、東北地方では雪が降った地域があるらしい。
朝の白皇学院の時計塔――生徒会室の大きな窓からは、そんな新聞記事とは全く正反対に、春の訪れを感じさせる暖かな日差しが射している。
もうすぐ、春がやってくる。
春――即ち新年度が始れば、私たちは三年生になる。
新年度が始れば、全てが変わっていく。
それが、嫌『だった』。
――でも。
「あ、メール…。美希たちから」
「なんて?」
「残り少ない二年生を楽しまないか…って…」
「それはいいですね♪」
「………」
今では、こう思う。
「…あはは!何これ」
「? どうかしましたか?」
「『三年なっても、遊びまくろう』だって!」
変わるものもあるけれど、変わらないものがある。
「はは、花菱さんたちらしいじゃないですか」
「うん!本当に…馬鹿なんだから」
「ええ。ですからしっかり、返信しましょうね」
「もちろん」
それはきっと―――。
「『その前に仕事をしなさい!』……っと」
「あれ?そんなんでいいんですか?」
「いいの。……だって寂しくないから」
三月も下旬の、生徒会室で。
大好きな人の隣で、私は笑顔で送信ボタンを押した。
――もうすぐ春が、やってくる。
End
ハヤテ「ていうか久しぶりの更新なのに、文章でワケ分からない表現がありますね」
ヒナギク「仕方ないのよ。『久しぶり』なんですもの」
ハヤテ「なるほど……逃げたんですね」
ヒナギク「それは言わないお約束よ。………それより、さ、ハヤテ君」
ハヤテ「はい?」
ヒナギク「『一生傍にいる』…って、その…つまり…」
ハヤテ「―――っ!!あ、あれはですね、その……!!」
ヒナギク「………ふ、ふつつかものですけど……その、よろしくお願いします……あ、『あなた』」
ハヤテ「…………!!!(ぶしゃあぁぁぁぁぁ)」
ヒナギク「あっあなた!?鼻血が……!!」
当然CPはハヤヒナですよみなさーん!
今回は春が近い、ということで、新学年になるヒナギクの心境を書いてみました。
まぁ、原作のヒナはそんな事思わないんですけどね(汗)
ほのぼのとした雰囲気は出せてるかな?と思っていたり…。
良かったら感想お願いしますね、次回への参考になりますから。
それでは、どうぞ~♪
三月も終わりだというのに、東北地方では雪が降った地域があるらしい。
そんな新聞の記事に目を通しながら、ずずず、と私にしては珍しく、朝のコーヒーを啜る。
朝の白皇学院の時計塔――生徒会室の大きな窓からは、そんな新聞記事とは全く正反対に、春の訪れを感じさせる暖かな日差しが射している。
もうすぐ、春がやってくる。
『生徒会長の憂鬱』
「春……か」
暖かな季節が来ることに喜びを覚える反面、少しメランコリな気分になって、私――桂ヒナギクは小さくため息をついた。
「もう受験なのよねぇ…」
憂鬱な気分の原因は、それ。『受験』だ。
春――即ち新年度が始れば、私たちは三年生になる。
ここ白皇学院は進学校故、九割強の生徒が進学へ向けて今以上に勉強に励むことになる。
現に、違う学校の歩も、勉学に集中して予備校に通うらしい。
ともなれば、今までのように楽しく友人と遊ぶ機会も減ってしまうだろう。
「……なんか、寂しいな」
それが、寂しい。
いつも仕事をサボっていた馬鹿三人も、ハル子や愛歌さんも、ナギも、そして……ハヤテ君も。
己の道を進むために、皆それぞれ頑張っていく(ナギは違うかもしれないが)。
あの三人が頑張る姿を見れるのならば、それは嬉しいことだ。
「…あ~もう!」
そんな、嬉しさと寂しさの狭間に立たされ、私はがしがしと髪をかき回した。
そして、この見慣れた生徒会室を見回す。
「ここも…寂しくなるのかしら」
もう少しで今の生徒会は任期を終える。
新しい生徒会に向けての仕事も、これからやってくるはずだ。
となれば、私がこの席でコーヒーを啜る日々も、もう少ししかない。
別の寂しさが広がる。
「はぁ……」
二度目の、ため息。
そう、新年度になれば、変わっていく。
生活も、勉強も、生徒会も、何もかも。
それが当たり前なのだ、とは頭ではわかっていても、
「…本当、私って子供だわ…」
それが嫌だった。
わかっている、これは単なる私の我侭でしかないことくらい。
それでも、嫌だった。
「――まぁ確かに、ヒナギクさんは子供っぽいですけど」
「!?」
そんなことを考えて自己嫌悪に陥っていたものだから、突然掛けられた声に、私はひどく驚いた。
首を痛めそうな勢いで声の方を向くと、たった今考えていた、大好きな彼の姿があった。
「ハヤテ君!?どうしたのこんな朝早くに!?」
「いえ…なんとなくですけど、時計塔に登りたくなりまして」
登ってみたらヒナギクさんが思いつめた顔をしていましたので、と私の問いにハヤテ君は笑顔で答える。
「(み、見られた……!!)」
羞恥で顔に熱が上る。悪戯がばれた子供のような心境だった。
見られたくない部分を、よりにもよって、好きな人に見られるとは――!!
穴があったら入りたい、そんな私の様子を見てハヤテ君はくすりと笑った。
「でも…、皆同じだと思います」
「――え…?」
「皆、今ある日常が大好きなんだと思います」
ハヤテ君の言葉に、私は目を見張る。
「皆…?」
「はい、皆。僕も、お嬢様も、瀬川さんたちも」
「ハヤテ君も…?」
私の言葉に、ハヤテ君は笑顔で頷いた。
当たり前じゃないですか、と。
「僕だって今の日常が大好きです。だって、数年前の僕には考えられないくらいに幸せなものですから。失いたくない、と思うのは当然じゃないですか」
「で、でも…三年生になったら、それも変わるわ…!」
「そうですね、そうなります。ですけどそれを拒むことは、できないですよね」
「それは……そう、だけど…」
あぁ、今の私は本当に子供だ。
容姿端麗、文武両道、頼れる生徒会長なんかじゃない。
我侭を親に諭される、小さな小さな子供。
「でも…やっぱり…寂しい」
こんな私を、ハヤテ君は優しく抱きしめてくれた。
身体が、優しい温もりに包まれる。
「じゃあ、僕が傍にいますよ」
「……え?」
掛けられた声は、それよりもさらに優しかった。
何を、と聞き返す言葉は、ハヤテ君の唇によって妨げられた。
「ヒナギクさんが寂しがらないように、僕が一生、傍にいます」
「ハヤテ君……」
「だから寂しがらないでください」
もう一度、ハヤテ君が顔を寄せてくる。
「………うん。約束なんだから」
その言葉を胸に響かせながら、私は静かに目を閉じた。
…
三月も終わりだというのに、東北地方では雪が降った地域があるらしい。
朝の白皇学院の時計塔――生徒会室の大きな窓からは、そんな新聞記事とは全く正反対に、春の訪れを感じさせる暖かな日差しが射している。
もうすぐ、春がやってくる。
春――即ち新年度が始れば、私たちは三年生になる。
新年度が始れば、全てが変わっていく。
それが、嫌『だった』。
――でも。
「あ、メール…。美希たちから」
「なんて?」
「残り少ない二年生を楽しまないか…って…」
「それはいいですね♪」
「………」
今では、こう思う。
「…あはは!何これ」
「? どうかしましたか?」
「『三年なっても、遊びまくろう』だって!」
変わるものもあるけれど、変わらないものがある。
「はは、花菱さんたちらしいじゃないですか」
「うん!本当に…馬鹿なんだから」
「ええ。ですからしっかり、返信しましょうね」
「もちろん」
それはきっと―――。
「『その前に仕事をしなさい!』……っと」
「あれ?そんなんでいいんですか?」
「いいの。……だって寂しくないから」
三月も下旬の、生徒会室で。
大好きな人の隣で、私は笑顔で送信ボタンを押した。
――もうすぐ春が、やってくる。
End
ハヤテ「ていうか久しぶりの更新なのに、文章でワケ分からない表現がありますね」
ヒナギク「仕方ないのよ。『久しぶり』なんですもの」
ハヤテ「なるほど……逃げたんですね」
ヒナギク「それは言わないお約束よ。………それより、さ、ハヤテ君」
ハヤテ「はい?」
ヒナギク「『一生傍にいる』…って、その…つまり…」
ハヤテ「―――っ!!あ、あれはですね、その……!!」
ヒナギク「………ふ、ふつつかものですけど……その、よろしくお願いします……あ、『あなた』」
ハヤテ「…………!!!(ぶしゃあぁぁぁぁぁ)」
ヒナギク「あっあなた!?鼻血が……!!」
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