関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
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これも旧サイトの作品です。
ですが添削等をやっていたら、本来のものよりも短くなってしまいました(汗)
そんなほとんど新作に近くなってしまった作品ですが、どうぞ~♪
七色の輝きを放つ虹。
その一色一色がとても綺麗で、虹を見かけるとしばらく魅入っていた。
『虹』
雨上がりの校舎はどこか違って見えた。
地面にはいくつもの水溜りが伺え、そのいくつもの水面には虹が映っている。
その虹を見ながら、傍らを歩く彼女は言った。
「綺麗よね~、虹って」
「そうですねぇ」
水面に映る虹の本体は、夕方のオレンジ色の背景に七色の曲線を描いていて、美しい。
僕は彼女の言葉に空返事をしつつ、彼女を横目で見た。
「………綺麗、です」
虹ではなく、横目で見た彼女に対し、思わず言葉が零れた。
「本当に、綺麗です」
オレンジの光に照らされた彼女は、虹をも凌駕するくらいに美しかったから。
明るい桃色の髪も、白く整った顔も、意思の強い琥珀の瞳も、オレンジに染まっている。
「綺麗…」
「そうですね…」
正直な話、彼女のほうがずっと美しかった。
横目で見たにも拘らず、その姿に見とれてしまった僕は、彼女に相変わらず空返事。
「…なんか、どうでもいいかんじね?」
話しかけられて気が付けば、不満そうな顔が、僕の顔を覗き込んでいた。
彼女はどこか上の空な反応をした僕が不満だったらしい。
その綺麗な琥珀の瞳はデフォルメで三角につりあがっている。
「な…!そ、そんなことないですよ…?」
「…ウソ」
「ホ、ホントですってば」
むむむ、と唸る彼女が可愛くて、胸が高鳴る。
彼女の顔が直視出来ずに目を横にそらしたら、あろうことか、彼女がずいっ、と身を乗り出してきた。
「な……っ。ナナナンデショウカ……!?」
彼女と僕の顔のその距離、数センチ。
僕の目に映る彼女の薄ピンクな唇。
その唇が薄らと開き、言葉を発す。
―――ば か
その直後に飛んできた、小さな痛み。
「痛っ!」
手に痛みを感じたと思ったら、彼女の細い指がぎゅうっと僕の手の皮を抓っていた。
「私の話、聞いてなかった罰よ」
ふふん、としてやったりな表情を浮かべた彼女に、僕は「敵わないなぁ」と苦笑。
「確かに、痛い罰ですね」
「これにこりたらちゃんと話聞きなさい」
「はは。わかってますよ」
でもやられっ放しも面白くないので、最後の最後に反撃しようと、僕は思った。
「ヒナギクさん」
「ん? 何、ハヤテ君?」
そんなわけで、立ち止まり振り返った彼女に、告げる。
「触れない虹よりも、こうして話したり、抱きしめたりできるヒナギクさんの方がずっと綺麗ですよ」
「――――――!!」
彼女にとってもこれは不意打ちに違いなかっただろう。
顔を真っ赤に染め上げた後、先ほどの表情から一転、悔しそうな表情が顔に表れている。
「………ズルイ」
「貴女が言いますか?」
そんな彼女の言葉を笑って返答しながら、僕はその美しい彼女の手をとる。
僕の言った言葉に偽りはない。
本気で思ったからこその言葉だ。
「……帰りましょうか、虹よりも綺麗なヒナギクさん♪」
悪戯っぽく言った言葉には、不機嫌そうな、けれどもどこか嬉しそうな返事が返ってきた。
「………バカ」
その言葉に満足そうに僕は頷いて、僕は言う。
「バカでいいですよ。本心ですから」
「~~~~!!バカバカバカ!!!」
その言葉にぼひゅっ、と顔を真っ赤にした彼女の手を引いて、虹がかかるオレンジの景色の中を、僕は再び歩き出した。
End
ですが添削等をやっていたら、本来のものよりも短くなってしまいました(汗)
そんなほとんど新作に近くなってしまった作品ですが、どうぞ~♪
七色の輝きを放つ虹。
その一色一色がとても綺麗で、虹を見かけるとしばらく魅入っていた。
『虹』
雨上がりの校舎はどこか違って見えた。
地面にはいくつもの水溜りが伺え、そのいくつもの水面には虹が映っている。
その虹を見ながら、傍らを歩く彼女は言った。
「綺麗よね~、虹って」
「そうですねぇ」
水面に映る虹の本体は、夕方のオレンジ色の背景に七色の曲線を描いていて、美しい。
僕は彼女の言葉に空返事をしつつ、彼女を横目で見た。
「………綺麗、です」
虹ではなく、横目で見た彼女に対し、思わず言葉が零れた。
「本当に、綺麗です」
オレンジの光に照らされた彼女は、虹をも凌駕するくらいに美しかったから。
明るい桃色の髪も、白く整った顔も、意思の強い琥珀の瞳も、オレンジに染まっている。
「綺麗…」
「そうですね…」
正直な話、彼女のほうがずっと美しかった。
横目で見たにも拘らず、その姿に見とれてしまった僕は、彼女に相変わらず空返事。
「…なんか、どうでもいいかんじね?」
話しかけられて気が付けば、不満そうな顔が、僕の顔を覗き込んでいた。
彼女はどこか上の空な反応をした僕が不満だったらしい。
その綺麗な琥珀の瞳はデフォルメで三角につりあがっている。
「な…!そ、そんなことないですよ…?」
「…ウソ」
「ホ、ホントですってば」
むむむ、と唸る彼女が可愛くて、胸が高鳴る。
彼女の顔が直視出来ずに目を横にそらしたら、あろうことか、彼女がずいっ、と身を乗り出してきた。
「な……っ。ナナナンデショウカ……!?」
彼女と僕の顔のその距離、数センチ。
僕の目に映る彼女の薄ピンクな唇。
その唇が薄らと開き、言葉を発す。
―――ば か
その直後に飛んできた、小さな痛み。
「痛っ!」
手に痛みを感じたと思ったら、彼女の細い指がぎゅうっと僕の手の皮を抓っていた。
「私の話、聞いてなかった罰よ」
ふふん、としてやったりな表情を浮かべた彼女に、僕は「敵わないなぁ」と苦笑。
「確かに、痛い罰ですね」
「これにこりたらちゃんと話聞きなさい」
「はは。わかってますよ」
でもやられっ放しも面白くないので、最後の最後に反撃しようと、僕は思った。
「ヒナギクさん」
「ん? 何、ハヤテ君?」
そんなわけで、立ち止まり振り返った彼女に、告げる。
「触れない虹よりも、こうして話したり、抱きしめたりできるヒナギクさんの方がずっと綺麗ですよ」
「――――――!!」
彼女にとってもこれは不意打ちに違いなかっただろう。
顔を真っ赤に染め上げた後、先ほどの表情から一転、悔しそうな表情が顔に表れている。
「………ズルイ」
「貴女が言いますか?」
そんな彼女の言葉を笑って返答しながら、僕はその美しい彼女の手をとる。
僕の言った言葉に偽りはない。
本気で思ったからこその言葉だ。
「……帰りましょうか、虹よりも綺麗なヒナギクさん♪」
悪戯っぽく言った言葉には、不機嫌そうな、けれどもどこか嬉しそうな返事が返ってきた。
「………バカ」
その言葉に満足そうに僕は頷いて、僕は言う。
「バカでいいですよ。本心ですから」
「~~~~!!バカバカバカ!!!」
その言葉にぼひゅっ、と顔を真っ赤にした彼女の手を引いて、虹がかかるオレンジの景色の中を、僕は再び歩き出した。
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