関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうも皆様関ヶ原です。
明日からテストなので更新、ちょっと出来そうにないです。
申し訳ない!
せめてと言いますか、昔書いた小説を完全リメイクしたものを載せようと思います。
読んだ人もいるかもしれませんが……。
テストが終わり次第、どんどん小説書いていきたい……。
それではこの辺で!
ではどうぞ~☆
『White date』
3月14日、ホワイトデーとなる本日の遊園地は、大勢のカップルたちで賑わっていた。
「凄い人ね……」
「やっぱり皆、考えることは同じでしたね……」
数多のカップル、その一組であるハヤテとヒナギクも、その人で溢れる入り口に立っていた。
手にはフリーパス券。
「うぅぅ……すいません、考えが安直すぎました」
「大丈夫よ。 さ、中に入りましょ?」
ホワイトデーのお返しに何かしたいと考えたハヤテが目にしたのは、新聞の広告に挟まっていたこの遊園地の一日フリーパス券だった。
なんでも最近リニューアルしたらしく、そのお祝いとしてフリーパス券が宣伝チラシとともに同封されていたのだ。
最も根底にあるのは顧客確保のためだろうが、ハヤテにとって損はないので存分にフリーパスを使わせていただこうと思ったのだが。
「……やっぱり中も人だらけですね」
その結果がこれだった。
肩を落とすハヤテに、ヒナギクが苦笑を浮かべながら慰めの言葉をかける。
「で、でも遊園地ならこのくらい人がいないと面白くないわよきっと!」
「そうですか…? 無理してませんか?」
沈んだ目をヒナギクに向けるハヤテだったが、ヒナギクは「そんなことない!」と首を横に振り、言った。
「全然! だってハヤテ君とのデートなんだもん!」
本心からの言葉だった。
ここまで人がいるとは流石に考えていなかったが、ヒナギクにしてみればそんなことは些細なことでしかなかった。
電話を貰い、デートをしようと言われた時の衝撃に比べれば。
嬉しさの余り、ハヤテとの電話の後ベッドで思い切り跳ね回った位なのだ。
「だから、一緒に楽しんで……? ……駄目?」
「―――っぶぐ……!?」
だからお願い、と上目でハヤテを見上げると、ハヤテが突然鼻を押さえてそっぽを向いた。
「? ハヤテ君?」
「い、いやなんでもないです……」
「え? で、でも」
「何でもないです! デートを楽しむための対価だと考えればこんなもの……!」
「?」
なんだか良く分からないが、とりあえずデートは続いてくれるようなのでヒナギクはホッとした。
「それじゃあ、思い切り遊びましょうか」
「うん!」
ハヤテと手をとって、ヒナギクは子供のように園内を走りだした。
…
人で溢れる園内で、果たして満足に遊べるのだろうかと思ったが、意外にも多くのアトラクションを楽しめた。
パンフレットを覗けば、どうやらこの遊園地のアトラクションの数の多さは日本でも指折りらしく、それが幸いして一つのアトラクションに集客することがあまりなかったようだ。
「いや~遊びましたねぇ」
「やっぱり遊園地は楽しいわ」
「そうですね。僕も予想以上に楽しめました」
「特にあれ……なんだっけ? あのお馬さんが回るやつ!」
「……ひょっとしてメリーゴーランドですか?」
「そうそれ! あれ凄く面白かった!」
何より高度が低いアトラクション(子供用等)も数が多くて、高所恐怖症のヒナギクにとってこれほどありがたいこともなかった。
今まで乗ってきたアトラクションについて、瞳を輝かせながら楽しそうに話すヒナギク。
小さな子供のようにはしゃぐ彼女の姿を見て、ハヤテは連れて来て良かったと思う。
「さて……あと一つくらいは乗れますね」
「え? もうそんな時間?」
辺りを見ればすっかり日は落ちていて、帰る客の姿もちらほら見られ始めた。
自分たちのそろそろ帰らなければならないだろう。
「うぅ……もう少し遊びたいなぁ」
「また来ましょう、ヒナギクさん」
物足りなさそうな表情を浮かべるヒナギクに、苦笑しながらハヤテが答える。
確かにハヤテももっと遊びたかったが、あまり遅くなるとヒナギクの両親も心配するだろう。
「何回でも来れるんですから」
「……本当? 約束なんだから」
「ええ。勿論です」
その言葉に笑顔で頷くと、ヒナギクは「わかった」と言って立ちあがった。
「じゃあ……最後はあれに乗りたいな」
そして彼女は指差す。
定番といえば定番の、観覧車を。
「え? でもヒナギクさん、大丈夫なんですか?」
「大丈夫、ずっとハヤテ君に抱きついてるから。だから行きましょ?」
高所恐怖症の彼女を気遣うハヤテだったが、どうやら自分の理性に気を使う必要がありそうだった。
…
「うわぁ……」
観覧車から見下ろす街並みは、絶景だった。
家々、街々から溢れる光が一つの景色を作っている。
ハヤテの腕に包まれながら、ヒナギクはその光景に感嘆の言葉を漏らした。
「本当に綺麗ですね……」
「うん……」
ヒナギクはしばらくその光景に目を奪われていたが、観覧車が最高度に達しそうな頃、ふと呟いた。
「ハヤテ君と見る景色って、本当に綺麗なの」
「え?」
「ハヤテ君が隣で私に見せてくれる景色は本当に綺麗で、全然色褪せないの」
顔をハヤテの方へと向けて、ヒナギクは笑顔で言う。
「だから、ありがとう」
「ヒナギクさ―――」
ハヤテの言葉は言い終わる前に、ヒナギクの唇によって遮られる。
「……いきなりは反則だと思います」
「えへへ…だってしたかったんだもの」
唇を離し向けられた、ヒナギクの幸せそうな表情。
それが何だか照れくさくて、車窓から見える絶景へとハヤテは視線を移す。
「ふふっ…。ハヤテ君、照れてる」
「……うるさいです」
外では街が彩るイルミネーションが相変わらず輝いている。
その光一つ一つを背景に。
「ヒナギクさん」
「ん」
今度はハヤテの方から、ヒナギクの唇へと口付けしたのだった。
恋人たちの3月14日は、鮮やかな光たちに包まれて、まるで観覧車が回るかのように、静かにゆっくりと過ぎていく。
End
明日からテストなので更新、ちょっと出来そうにないです。
申し訳ない!
せめてと言いますか、昔書いた小説を完全リメイクしたものを載せようと思います。
読んだ人もいるかもしれませんが……。
テストが終わり次第、どんどん小説書いていきたい……。
それではこの辺で!
ではどうぞ~☆
『White date』
3月14日、ホワイトデーとなる本日の遊園地は、大勢のカップルたちで賑わっていた。
「凄い人ね……」
「やっぱり皆、考えることは同じでしたね……」
数多のカップル、その一組であるハヤテとヒナギクも、その人で溢れる入り口に立っていた。
手にはフリーパス券。
「うぅぅ……すいません、考えが安直すぎました」
「大丈夫よ。 さ、中に入りましょ?」
ホワイトデーのお返しに何かしたいと考えたハヤテが目にしたのは、新聞の広告に挟まっていたこの遊園地の一日フリーパス券だった。
なんでも最近リニューアルしたらしく、そのお祝いとしてフリーパス券が宣伝チラシとともに同封されていたのだ。
最も根底にあるのは顧客確保のためだろうが、ハヤテにとって損はないので存分にフリーパスを使わせていただこうと思ったのだが。
「……やっぱり中も人だらけですね」
その結果がこれだった。
肩を落とすハヤテに、ヒナギクが苦笑を浮かべながら慰めの言葉をかける。
「で、でも遊園地ならこのくらい人がいないと面白くないわよきっと!」
「そうですか…? 無理してませんか?」
沈んだ目をヒナギクに向けるハヤテだったが、ヒナギクは「そんなことない!」と首を横に振り、言った。
「全然! だってハヤテ君とのデートなんだもん!」
本心からの言葉だった。
ここまで人がいるとは流石に考えていなかったが、ヒナギクにしてみればそんなことは些細なことでしかなかった。
電話を貰い、デートをしようと言われた時の衝撃に比べれば。
嬉しさの余り、ハヤテとの電話の後ベッドで思い切り跳ね回った位なのだ。
「だから、一緒に楽しんで……? ……駄目?」
「―――っぶぐ……!?」
だからお願い、と上目でハヤテを見上げると、ハヤテが突然鼻を押さえてそっぽを向いた。
「? ハヤテ君?」
「い、いやなんでもないです……」
「え? で、でも」
「何でもないです! デートを楽しむための対価だと考えればこんなもの……!」
「?」
なんだか良く分からないが、とりあえずデートは続いてくれるようなのでヒナギクはホッとした。
「それじゃあ、思い切り遊びましょうか」
「うん!」
ハヤテと手をとって、ヒナギクは子供のように園内を走りだした。
…
人で溢れる園内で、果たして満足に遊べるのだろうかと思ったが、意外にも多くのアトラクションを楽しめた。
パンフレットを覗けば、どうやらこの遊園地のアトラクションの数の多さは日本でも指折りらしく、それが幸いして一つのアトラクションに集客することがあまりなかったようだ。
「いや~遊びましたねぇ」
「やっぱり遊園地は楽しいわ」
「そうですね。僕も予想以上に楽しめました」
「特にあれ……なんだっけ? あのお馬さんが回るやつ!」
「……ひょっとしてメリーゴーランドですか?」
「そうそれ! あれ凄く面白かった!」
何より高度が低いアトラクション(子供用等)も数が多くて、高所恐怖症のヒナギクにとってこれほどありがたいこともなかった。
今まで乗ってきたアトラクションについて、瞳を輝かせながら楽しそうに話すヒナギク。
小さな子供のようにはしゃぐ彼女の姿を見て、ハヤテは連れて来て良かったと思う。
「さて……あと一つくらいは乗れますね」
「え? もうそんな時間?」
辺りを見ればすっかり日は落ちていて、帰る客の姿もちらほら見られ始めた。
自分たちのそろそろ帰らなければならないだろう。
「うぅ……もう少し遊びたいなぁ」
「また来ましょう、ヒナギクさん」
物足りなさそうな表情を浮かべるヒナギクに、苦笑しながらハヤテが答える。
確かにハヤテももっと遊びたかったが、あまり遅くなるとヒナギクの両親も心配するだろう。
「何回でも来れるんですから」
「……本当? 約束なんだから」
「ええ。勿論です」
その言葉に笑顔で頷くと、ヒナギクは「わかった」と言って立ちあがった。
「じゃあ……最後はあれに乗りたいな」
そして彼女は指差す。
定番といえば定番の、観覧車を。
「え? でもヒナギクさん、大丈夫なんですか?」
「大丈夫、ずっとハヤテ君に抱きついてるから。だから行きましょ?」
高所恐怖症の彼女を気遣うハヤテだったが、どうやら自分の理性に気を使う必要がありそうだった。
…
「うわぁ……」
観覧車から見下ろす街並みは、絶景だった。
家々、街々から溢れる光が一つの景色を作っている。
ハヤテの腕に包まれながら、ヒナギクはその光景に感嘆の言葉を漏らした。
「本当に綺麗ですね……」
「うん……」
ヒナギクはしばらくその光景に目を奪われていたが、観覧車が最高度に達しそうな頃、ふと呟いた。
「ハヤテ君と見る景色って、本当に綺麗なの」
「え?」
「ハヤテ君が隣で私に見せてくれる景色は本当に綺麗で、全然色褪せないの」
顔をハヤテの方へと向けて、ヒナギクは笑顔で言う。
「だから、ありがとう」
「ヒナギクさ―――」
ハヤテの言葉は言い終わる前に、ヒナギクの唇によって遮られる。
「……いきなりは反則だと思います」
「えへへ…だってしたかったんだもの」
唇を離し向けられた、ヒナギクの幸せそうな表情。
それが何だか照れくさくて、車窓から見える絶景へとハヤテは視線を移す。
「ふふっ…。ハヤテ君、照れてる」
「……うるさいです」
外では街が彩るイルミネーションが相変わらず輝いている。
その光一つ一つを背景に。
「ヒナギクさん」
「ん」
今度はハヤテの方から、ヒナギクの唇へと口付けしたのだった。
恋人たちの3月14日は、鮮やかな光たちに包まれて、まるで観覧車が回るかのように、静かにゆっくりと過ぎていく。
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