関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
Top | ハヤヒナSS | あやさきけ | イラスト | 日記 |
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
どうも皆様あけおめことよろ、関ヶ原です。
一年の計は元旦にあり。というわけで、今年最初の小説です。
今年最初の小説はあやさきけにしました。
結構ばらばらな時間軸も、少しずつ修正しながら今年は書いていきたいな。
なんというか、色々と書き方を変えながら書いていますので変な感じになってしまったかもしれません。
元旦に書けたという事で自身では満足です。
今年もあやさきけとアイカちゃんをよろしくお願いしますm(__)m
ではどうぞ~☆
「一年の計は元旦にあり、だよ!」
新年、明けましておめでとうございます。
我が愛する娘の新年の第一声が、そんな基本的で普遍的な挨拶ではないのは毎年のことで、それは今年も変わることはないようだった。
『新年』
初売りのチラシを見ていた僕は、娘――アイカの言葉を聞いて、傍らで同じくチラシを見ていた妻に視線をやる。
妻であるヒナギクは僕の視線に気づいたようで、「いつものことじゃない」と苦笑を浮かべながら答えて、再びチラシに集中し始めた。
「うーん……」
「一年の計は元旦にあり、だよ!」
「分かってるよ、アイカ……」
僕たちが話を聞いていないと勘違いしたのか、アイカが冒頭と同じ台詞を口にした。
『一年の計は元旦にあり』、か……。
意味は言葉の如く。要は、目標を立てるなら元旦に立てたほうが何かと都合が良いということだ。
新年の第一声が『目標を立てよう』という非常に向上心溢れた言葉なのは、親として誇るべきなのか。
個人的には『明けましておめでとう』という言葉がほしかったりする。
閑話休題。
とりあえずヒナギクもアイカの言葉は聞いているようで、僕たちは新年早々、娘の一声で目標を立てることになった。
ご丁寧にも習字道具一式を用意し、家族仲良く目標を書初めをする僕たちは、一般的にはどうなのだろうか、と思わなくもない。
そんなことを思いつつ、僕は筆を構える。
「目標……といっても、毎年立てる目標は同じなんだよな……」
息を止め、さらさらっと筆を動かし書かれた僕の半紙には、当たり障りのない字で『家内安全』とある。
家族の一年の幸福と健康を祈るこの目標は毎年同じだ。
「え?ハヤテ今年も目標それなの?」
書初めの出来に結構満足している僕に、ヒナギクが声を掛けてきた。
僕の書初めに視線を向けながら、呆れたような表情を浮かべている。
毎年変わらない僕の目標に、流石に飽きを感じたのだろう。
「今年くらい、他の目標立ててみたら?」
「いいんだよ、僕は」
でも、そんなヒナギクに僕は答える。
「ヒナギクとアイカを幸せにすることが、僕の目標だからね」
「………もう幸せなのに。バカ……」
僕の言葉に頬を染めたヒナギク。
うん。どうやら今年も、僕の妻は凄く可愛い。
そんなことを考えながら、僕はヒナギクの半紙をのぞき見た。
「そういうヒナギクこそ、今年の目標は何にしたんだよ?」
「あ、ちょっと!」
「えーと、何々……?」
驚いた声を出すが、隠そうとはしないヒナギクの半紙。
なので僕はじっくり見ることにする。
僕とは違い、遥かに達筆な文字が筆によって書かれていた。いや、描かれていた。
字が上手だと、何故だろう。
不思議なことに、そんな目標でも偉大で立派なものに見えてくる。
『二人目』
立派過ぎて言葉が出なかった。
「………………」
「頑張ろうね、ハヤテ♪」
「あぁもう!可愛いな全くもう!!」
「ねーママ?どういう意味?」
「家族って意味よ」
「遠まわしすぎて伝わんないよヒナギク……」
伝わらなくてもいいけども。アイカにはまだ早い。
そして出来る限り頑張ろう、と思った。
「さぁアイカ。貴女の目標も私たちに見せなさい」
「へっへー。今年の私は一味違うよ?ママ」
「あら、言うじゃない」
「もう三年生だからね。大人だからね」
気を取り直して、新年も主役、アイカの目標の登場。
ヒナギクに促され、手元の半紙を何故か誇らしげに広げる娘の姿はなんとも微笑ましいものだ。
幼く拙いながらも、その目標を絶対に達成しようとせんかのように力強さが溢れる文字だった。
『略奪』
「誰からよ!誰から何を略奪するのよ!?」
「えっ……そ、そんなママったら……分かってるくせに」
「私かぁぁぁぁぁ!!」
「というかアイカ、よく略奪っていう言葉が書けたね……」
一人騒がしい愛する妻はひとまず置いておいて、涼しい顔をしているアイカに僕は尋ねる。
『略奪』なんて物騒な言葉、小学校低学年の女の子は普通分からない。
「美希姉ちゃんに教えてもらって、ずっと書く練習してたの」
そんな僕の疑問は、アイカの返答ですっかり消え去った。
なるほど確かに。彼女ならアイカにこの言葉を教えかねない。
「で、書けるようになったから今年の目標にしたんだよ!」
「うんうんなるほど。アイカは頑張ったね~」
逆ベクトルに、だが。
だがしかし。
「上手に書けたでしょ!?」
「うん。凄く上手だよ。ヒナギクもそう思ってるよ」
「本当!?えへへ……良かったぁ」
この嬉しそうな笑顔を前に、そんなこの子の努力を否定するような言葉は言えない。
言う気もないので、ヒナギクが危機感を抱くようなこの子の特性は、例年と同じように少しずつ二人で改善へと導いていこう。
そう、書初めに書いた言葉とは別の目標を心の中で立てながら。
「………今年も騒がしい一年になりそうだなぁ」
迎えた新年。
綾崎家の楽しい一年は、妻と娘の喧騒を合図にするかのように始まったのだった。
明けましておめでとう。今年もよろしく。
End
一年の計は元旦にあり。というわけで、今年最初の小説です。
今年最初の小説はあやさきけにしました。
結構ばらばらな時間軸も、少しずつ修正しながら今年は書いていきたいな。
なんというか、色々と書き方を変えながら書いていますので変な感じになってしまったかもしれません。
元旦に書けたという事で自身では満足です。
今年もあやさきけとアイカちゃんをよろしくお願いしますm(__)m
ではどうぞ~☆
「一年の計は元旦にあり、だよ!」
新年、明けましておめでとうございます。
我が愛する娘の新年の第一声が、そんな基本的で普遍的な挨拶ではないのは毎年のことで、それは今年も変わることはないようだった。
『新年』
初売りのチラシを見ていた僕は、娘――アイカの言葉を聞いて、傍らで同じくチラシを見ていた妻に視線をやる。
妻であるヒナギクは僕の視線に気づいたようで、「いつものことじゃない」と苦笑を浮かべながら答えて、再びチラシに集中し始めた。
「うーん……」
「一年の計は元旦にあり、だよ!」
「分かってるよ、アイカ……」
僕たちが話を聞いていないと勘違いしたのか、アイカが冒頭と同じ台詞を口にした。
『一年の計は元旦にあり』、か……。
意味は言葉の如く。要は、目標を立てるなら元旦に立てたほうが何かと都合が良いということだ。
新年の第一声が『目標を立てよう』という非常に向上心溢れた言葉なのは、親として誇るべきなのか。
個人的には『明けましておめでとう』という言葉がほしかったりする。
閑話休題。
とりあえずヒナギクもアイカの言葉は聞いているようで、僕たちは新年早々、娘の一声で目標を立てることになった。
ご丁寧にも習字道具一式を用意し、家族仲良く目標を書初めをする僕たちは、一般的にはどうなのだろうか、と思わなくもない。
そんなことを思いつつ、僕は筆を構える。
「目標……といっても、毎年立てる目標は同じなんだよな……」
息を止め、さらさらっと筆を動かし書かれた僕の半紙には、当たり障りのない字で『家内安全』とある。
家族の一年の幸福と健康を祈るこの目標は毎年同じだ。
「え?ハヤテ今年も目標それなの?」
書初めの出来に結構満足している僕に、ヒナギクが声を掛けてきた。
僕の書初めに視線を向けながら、呆れたような表情を浮かべている。
毎年変わらない僕の目標に、流石に飽きを感じたのだろう。
「今年くらい、他の目標立ててみたら?」
「いいんだよ、僕は」
でも、そんなヒナギクに僕は答える。
「ヒナギクとアイカを幸せにすることが、僕の目標だからね」
「………もう幸せなのに。バカ……」
僕の言葉に頬を染めたヒナギク。
うん。どうやら今年も、僕の妻は凄く可愛い。
そんなことを考えながら、僕はヒナギクの半紙をのぞき見た。
「そういうヒナギクこそ、今年の目標は何にしたんだよ?」
「あ、ちょっと!」
「えーと、何々……?」
驚いた声を出すが、隠そうとはしないヒナギクの半紙。
なので僕はじっくり見ることにする。
僕とは違い、遥かに達筆な文字が筆によって書かれていた。いや、描かれていた。
字が上手だと、何故だろう。
不思議なことに、そんな目標でも偉大で立派なものに見えてくる。
『二人目』
立派過ぎて言葉が出なかった。
「………………」
「頑張ろうね、ハヤテ♪」
「あぁもう!可愛いな全くもう!!」
「ねーママ?どういう意味?」
「家族って意味よ」
「遠まわしすぎて伝わんないよヒナギク……」
伝わらなくてもいいけども。アイカにはまだ早い。
そして出来る限り頑張ろう、と思った。
「さぁアイカ。貴女の目標も私たちに見せなさい」
「へっへー。今年の私は一味違うよ?ママ」
「あら、言うじゃない」
「もう三年生だからね。大人だからね」
気を取り直して、新年も主役、アイカの目標の登場。
ヒナギクに促され、手元の半紙を何故か誇らしげに広げる娘の姿はなんとも微笑ましいものだ。
幼く拙いながらも、その目標を絶対に達成しようとせんかのように力強さが溢れる文字だった。
『略奪』
「誰からよ!誰から何を略奪するのよ!?」
「えっ……そ、そんなママったら……分かってるくせに」
「私かぁぁぁぁぁ!!」
「というかアイカ、よく略奪っていう言葉が書けたね……」
一人騒がしい愛する妻はひとまず置いておいて、涼しい顔をしているアイカに僕は尋ねる。
『略奪』なんて物騒な言葉、小学校低学年の女の子は普通分からない。
「美希姉ちゃんに教えてもらって、ずっと書く練習してたの」
そんな僕の疑問は、アイカの返答ですっかり消え去った。
なるほど確かに。彼女ならアイカにこの言葉を教えかねない。
「で、書けるようになったから今年の目標にしたんだよ!」
「うんうんなるほど。アイカは頑張ったね~」
逆ベクトルに、だが。
だがしかし。
「上手に書けたでしょ!?」
「うん。凄く上手だよ。ヒナギクもそう思ってるよ」
「本当!?えへへ……良かったぁ」
この嬉しそうな笑顔を前に、そんなこの子の努力を否定するような言葉は言えない。
言う気もないので、ヒナギクが危機感を抱くようなこの子の特性は、例年と同じように少しずつ二人で改善へと導いていこう。
そう、書初めに書いた言葉とは別の目標を心の中で立てながら。
「………今年も騒がしい一年になりそうだなぁ」
迎えた新年。
綾崎家の楽しい一年は、妻と娘の喧騒を合図にするかのように始まったのだった。
明けましておめでとう。今年もよろしく。
End
PR
カウンター
カテゴリー
小説は下へ行くほど古いものになります。
最新コメント
リンク
ブログ内検索
最古記事
(02/04)
(02/04)
(02/04)
(02/04)
(02/04)