関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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どうも、皆様こんばんわ。
関ヶ原です。
なんとか五作目完成。
目標達成です。
しかし今回の小説……ネタに困ったのか、過去最大級でワケのわからない話になった感が否定できません。
書いていて本当思いました。これ大丈夫なのか?と。
しかし時間的にも書き直すのは厳しかったし、かといって良いネタがそうそうホイホイ出てくるわけでもないので(そこまで優秀な頭脳は持ってないので)このまま一気に書き上げました。
どうぞご了承を……。
それでは十一月最後の作品、どうぞ~☆
秋も段々去りはじめ、冬が少し頭を出しはじめた十一月最後の日。
すっかりと舞い散った枯れ葉の上を、私とハヤテ君は歩いている。
足を一歩前に出す度に、数多の枯れ葉たちがくしゃり、くしゃりと音を立てた。
その音を聞きながら、私はふと思う。
枯れ葉とは何だか、人のようだなぁと。
『枯れ葉』
「ねぇハヤテ君」
「はい?」
私の声に、ハヤテ君が立ち止まりこちらを見る。
「どうかしましたか?ヒナギクさん」
「枯れ葉ってさ、人に似てると思わない?」
「は?」
ハヤテ君は私の言った言葉がよく分からないようで、はて、と首を傾げた。
「すいません、言っている事がよく分からないんですが……」
「いいの、分からないのが普通だから」
申し訳なさそうな表情を浮かべるハヤテ君に、苦笑しながら私は言う。
「ただね、枯れ葉ってさ、ようは寿命を迎えたから地面に落ちるわけじゃない?」
「ええ、そうですけど」
「寿命を迎えたから落ちるって、なんか人間みたいじゃない」
私の言葉に、今度はハヤテ君が苦笑する番だった。
「はは……そういうことなんですか」
「言ったじゃない、分からないのが普通って」
寿命を迎えたら、どんな生物も生を失う。
寿命を迎えたから葉も生を失った。
これが人間のようだなんて、よく言えたものだと自分でも思う。
ハヤテ君が苦笑するのも無理はない。
私自身、自分に苦笑してしまったのだから。
本当に何を言っているのだろう、私は。
ハヤテ君に視線をやる。
彼は私の言葉を聞いて、どう思っているのだろう。
私がこんなことを思っているなんて聞いて、変に思っていないのだろうか。
そう考えると、少し不安になる。
「でも……成るほど確かに、言われてみればそうかもしれませんね」
「え?」
しかし、ハヤテ君の口から出たのは意外な言葉だった。
「寿命を迎えたから落ちる。うん、本当に人間みたいに思えてきますね」
「いや、分けわかんないわよ?」
うんうん、と頷いているハヤテ君に、私は若干戸惑ってしまった。
「だって葉っぱと人よ?生物は生物でも、まるで違うし……。私たち、酸素作れないし……」
「でも、葉が散った後の枝には新たな芽が出来ますよね」
「え?」
「葉っぱ自体は確かに枯れて死んでしまうかもしれません。でも、その後にしっかりと新しい芽を残しているわけですから、これはある意味人間と一緒ですよね」
「………あ」
気が付かなかった、そんなこと。
自分が言った言葉なのに、自分でもワケが分からないような言葉だったのに。
ハヤテ君の一言によって、私の言葉は随分と納得のできるような言葉に変わった。
「人間も寿命で死にます。けれど人は、子孫を残して血を繋いでいくわけです。枯れ葉が枝に芽を残していくのも同じことだと思いませんか?」
「お……思う。不思議だけれど、そう思うわ……」
「だから……ヒナギクさんの言葉は凄く詩的で、神秘的だと思いますよ」
「あ、ありがとう……。そんな風に言ってもらえるなんて思ってなかったから、その……嬉しいわ」
「こちらこそ、素敵な言葉をありがとうございます」
ハヤテ君に笑顔で礼を言われ、不覚にも顔に血が上ってしまった。
そんな笑顔、反則よ……。
「あ……。もうこんな時間なのね」
恥ずかしくなってハヤテ君から視線を逸らした私はそこで、辺りがだんだん暗くなり始めていることに気づいた。
思った以上に話し込んでいたらしい。
ハヤテ君もそのことに気づいたようで、冷えると悪いから、と私に手を差し出した。
「本当だ。だんだん冷えてきますよ、これから」
「そうね。急に気温が下がると思う」
「じゃあ……そろそろ帰りましょうか」
「えぇ」
細いけれど、長くて綺麗な手。
執事をやっているとは思えないように、綺麗で繊細な手を私は手に取った。
「ふふ。ハヤテ君の手、あったかい」
「ヒナギクさんの手も、凄く暖かいですよ」
互いに見つめあい、にっこりと笑い合いながら私たちは歩き出した。
「ねぇハヤテ君」
枯れ葉たちが立てる音を聞きながら、私は口を開く。
今度は足を止めずに、ハヤテ君が問い返す。
「はい、何ですか?」
優しい声色で返されたハヤテ君の言葉に、私は、呟くようにその言葉を言った。
「私たちも……この枯れ葉みたいになれるのかしら」
「………さて、どうでしょうか?それは僕たちしか分からないんじゃないですか?」
ちょっと楽しそうにハヤテ君は応えて、「ただ」と言葉を繋げる。
「僕としてはその未来は大歓迎なんですけれど」
「枯れ葉のような未来?」
「ええ。枯れ葉のような未来です。勿論、一人で枯れて散っていくのはゴメンですけどね」
その言葉に少しだけ噴き出してしまった。なるほど、確かにそれはゴメンだ。
「そうね、私もそう思うわ」
「だから……枯れ落ちるまで、一緒にいましょう」
一人で散るのは嫌だから、ハヤテ君の言葉に私は笑顔で頷いた。
この先ずっと、二人枯れて落ちるまで一緒にいよう、と。
繋ぐ手に力を少しだけ込めて、私たちはまた一歩、また一歩と枯れ葉道を歩き出す。
十一月最後の日。
枯れ落ちた葉っぱたちが作る道がヴァージンロードに見えてしまった、そんなどうしようもない私だった。
本当に今日は、苦笑が止まることはなさそうである。
End
関ヶ原です。
なんとか五作目完成。
目標達成です。
しかし今回の小説……ネタに困ったのか、過去最大級でワケのわからない話になった感が否定できません。
書いていて本当思いました。これ大丈夫なのか?と。
しかし時間的にも書き直すのは厳しかったし、かといって良いネタがそうそうホイホイ出てくるわけでもないので(そこまで優秀な頭脳は持ってないので)このまま一気に書き上げました。
どうぞご了承を……。
それでは十一月最後の作品、どうぞ~☆
秋も段々去りはじめ、冬が少し頭を出しはじめた十一月最後の日。
すっかりと舞い散った枯れ葉の上を、私とハヤテ君は歩いている。
足を一歩前に出す度に、数多の枯れ葉たちがくしゃり、くしゃりと音を立てた。
その音を聞きながら、私はふと思う。
枯れ葉とは何だか、人のようだなぁと。
『枯れ葉』
「ねぇハヤテ君」
「はい?」
私の声に、ハヤテ君が立ち止まりこちらを見る。
「どうかしましたか?ヒナギクさん」
「枯れ葉ってさ、人に似てると思わない?」
「は?」
ハヤテ君は私の言った言葉がよく分からないようで、はて、と首を傾げた。
「すいません、言っている事がよく分からないんですが……」
「いいの、分からないのが普通だから」
申し訳なさそうな表情を浮かべるハヤテ君に、苦笑しながら私は言う。
「ただね、枯れ葉ってさ、ようは寿命を迎えたから地面に落ちるわけじゃない?」
「ええ、そうですけど」
「寿命を迎えたから落ちるって、なんか人間みたいじゃない」
私の言葉に、今度はハヤテ君が苦笑する番だった。
「はは……そういうことなんですか」
「言ったじゃない、分からないのが普通って」
寿命を迎えたら、どんな生物も生を失う。
寿命を迎えたから葉も生を失った。
これが人間のようだなんて、よく言えたものだと自分でも思う。
ハヤテ君が苦笑するのも無理はない。
私自身、自分に苦笑してしまったのだから。
本当に何を言っているのだろう、私は。
ハヤテ君に視線をやる。
彼は私の言葉を聞いて、どう思っているのだろう。
私がこんなことを思っているなんて聞いて、変に思っていないのだろうか。
そう考えると、少し不安になる。
「でも……成るほど確かに、言われてみればそうかもしれませんね」
「え?」
しかし、ハヤテ君の口から出たのは意外な言葉だった。
「寿命を迎えたから落ちる。うん、本当に人間みたいに思えてきますね」
「いや、分けわかんないわよ?」
うんうん、と頷いているハヤテ君に、私は若干戸惑ってしまった。
「だって葉っぱと人よ?生物は生物でも、まるで違うし……。私たち、酸素作れないし……」
「でも、葉が散った後の枝には新たな芽が出来ますよね」
「え?」
「葉っぱ自体は確かに枯れて死んでしまうかもしれません。でも、その後にしっかりと新しい芽を残しているわけですから、これはある意味人間と一緒ですよね」
「………あ」
気が付かなかった、そんなこと。
自分が言った言葉なのに、自分でもワケが分からないような言葉だったのに。
ハヤテ君の一言によって、私の言葉は随分と納得のできるような言葉に変わった。
「人間も寿命で死にます。けれど人は、子孫を残して血を繋いでいくわけです。枯れ葉が枝に芽を残していくのも同じことだと思いませんか?」
「お……思う。不思議だけれど、そう思うわ……」
「だから……ヒナギクさんの言葉は凄く詩的で、神秘的だと思いますよ」
「あ、ありがとう……。そんな風に言ってもらえるなんて思ってなかったから、その……嬉しいわ」
「こちらこそ、素敵な言葉をありがとうございます」
ハヤテ君に笑顔で礼を言われ、不覚にも顔に血が上ってしまった。
そんな笑顔、反則よ……。
「あ……。もうこんな時間なのね」
恥ずかしくなってハヤテ君から視線を逸らした私はそこで、辺りがだんだん暗くなり始めていることに気づいた。
思った以上に話し込んでいたらしい。
ハヤテ君もそのことに気づいたようで、冷えると悪いから、と私に手を差し出した。
「本当だ。だんだん冷えてきますよ、これから」
「そうね。急に気温が下がると思う」
「じゃあ……そろそろ帰りましょうか」
「えぇ」
細いけれど、長くて綺麗な手。
執事をやっているとは思えないように、綺麗で繊細な手を私は手に取った。
「ふふ。ハヤテ君の手、あったかい」
「ヒナギクさんの手も、凄く暖かいですよ」
互いに見つめあい、にっこりと笑い合いながら私たちは歩き出した。
「ねぇハヤテ君」
枯れ葉たちが立てる音を聞きながら、私は口を開く。
今度は足を止めずに、ハヤテ君が問い返す。
「はい、何ですか?」
優しい声色で返されたハヤテ君の言葉に、私は、呟くようにその言葉を言った。
「私たちも……この枯れ葉みたいになれるのかしら」
「………さて、どうでしょうか?それは僕たちしか分からないんじゃないですか?」
ちょっと楽しそうにハヤテ君は応えて、「ただ」と言葉を繋げる。
「僕としてはその未来は大歓迎なんですけれど」
「枯れ葉のような未来?」
「ええ。枯れ葉のような未来です。勿論、一人で枯れて散っていくのはゴメンですけどね」
その言葉に少しだけ噴き出してしまった。なるほど、確かにそれはゴメンだ。
「そうね、私もそう思うわ」
「だから……枯れ落ちるまで、一緒にいましょう」
一人で散るのは嫌だから、ハヤテ君の言葉に私は笑顔で頷いた。
この先ずっと、二人枯れて落ちるまで一緒にいよう、と。
繋ぐ手に力を少しだけ込めて、私たちはまた一歩、また一歩と枯れ葉道を歩き出す。
十一月最後の日。
枯れ落ちた葉っぱたちが作る道がヴァージンロードに見えてしまった、そんなどうしようもない私だった。
本当に今日は、苦笑が止まることはなさそうである。
End
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