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関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。 過度な期待はしないでください。
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お久しぶりです。
関ヶ原です。
皆様、数年ぶり。実に数年ぶりに。

ハヤヒナssです。

なんといいますか、ビジネス文章ばかりを書いていたものですから、書き方も内容も「うぼぁあああああああ」って感じです。
七夕だということを思い出し、何か書けるかなと久々にペンを取り、殴り書き。
なんだか昔を思い出して、いい歳してタイピングの最中に口元がにやけたり……。

とまあ、今年の初めにハヤヒナ上げると言っており、有限実行出来てホッとしている自分もいます。

また機会があれば筆を取りたいところです。

では、小話もこのくらいにして。
拙文ではありますが、暇つぶしにどうぞ!






 7月7日は七夕である。
 一般的には、織姫と彦星が一年に一度会うことが出来るという中国の伝説にちなんでいるという。
 また、日本では古く禊の行事として、乙女が着物を織って棚に備え、神を迎えて方策を願ったり、けがれをはらうものだったという。
 現代日本では、日本よりも中国の伝説が広く知られている印象を受けるが、その例はここも違わない。
 そんな、七夕のお話。


……


「暑い」

 7月に入り、段々と蝉の鳴き声も耳に入ってき始めたそんな頃。
 僕の傍らを歩くヒナギクさんは、ハンカチで額の汗を拭いながら呟いた。

「どうしてこんなに暑いの」
「まぁ……湿度もありますしねぇ……」

 6月に梅雨入りが発表されてからというもの、気温の上昇に加えこの湿度である。
 30度後半の気温を目にした時は、思わずカレンダーを確認してしまったくらいだ。
 6月だというのにクーラーの電源を入れてしまったこともそうだが、当たり前のようにニュースで「真夏日」というワードを目にしてしまうあたり、温暖化の影響なのかと思ってしまう程だ。

 流石のヒナギクさんと言えど、この暑さには少々手を焼いている様子で、拭っても拭っても止まらぬ汗に苛立ちを隠せない様子である。

「ハヤテくんは暑くないの?」
「いや、暑いっちゃあ暑いんですけど……」
「どう考えても暑いと感じている人の格好じゃないでしょ」

 ハンカチをパタパタとうちわのように仰ぎながら、ヒナギクさんは僕を見た。
 ヒナギクさんは夏服である。そして僕はというと、いつも通り執事服だ。もちろん上着も着用している。
 そんな僕の格好が、ヒナギクさんを余計に暑く感じさせているようだ。

「絶対暑いでしょ。脱いだら? 上着」
「執事たるもの、如何なる状況であれ、執事らしくしないと」
「執事どーのこーの以前に、季節感間違えてるわよ」

 見てるだけで暑いと言わんばかりに、僕を見るヒナギクさんの目がジト目に変わる。

「まぁ年中執事ということで言えば、季節も何も関係はないんでしょうかね」
「そういうことを言ってるんじゃなくて……」

 はぁ、とヒナギクさんはため息を一つ。

「見てるだけで暑いから、お願いだから上着、脱いでくれない?」
「まぁ、上着くらいなら……」

 実際暑いと感じていたことは事実であるが、脱がなくても何とかなるレベルだったので着たままだけである。
 しかし、傍らを歩くヒナギクさんにそう言われてしまった以上は無理に上着を着る必要も無いだろう。
 ということで上着を脱ぐことにした。

「ふぅ……あー、やっぱり一枚無いだけで大分涼しいですね」
「当たり前よ。今日何度だと思ってるのよ……」

 僕たちが歩く傍では、少しでも暑さを和らげようとミストが散布されていた。
 上着を着ていたからあまり感じなかったが、一枚脱ぐだけでその感じ方は段違いだ。

「もう、相変わらず馬鹿ね。ハヤテくんは」

 隣の暑苦しさが和らいだからなのか、上着を脱いだ僕の率直な感想に呆れた顔をしつつも、ヒナギクさんは小さく笑った。

「ほら、さっさと用を済ませて涼みに行きましょ?」
「了解しました」

 機嫌の直ったヒナギクさんに同意しながら、僕たちは本日の目的を果たすため、少し歩みを早めたのだった。







 7月7日。本日は七夕である。
 これこそ、僕とヒナギクさんが共に歩いている理由であったりする。

「しかし……笹くらいどこでもありそうなものなんですけどね」
「まぁ敷地とかそういう点で、色々面倒だったりするらしいわよ?」

 基本的にイベント系が好きなメンバーが多い僕の周りでは、当然の如く「七夕をやろう!」というご意見が多々出た。
 七夕というイベントにかこつけて、身内で騒ぎたいだけなのかもしれないが。
 となるとまぁ、当然七夕に必要な笹が必要になってくる。そこで今の状況だ。

「しかし、泉達も笹くらい自分で準備すればいいのに……」
「あはは……」

 生徒会の仲良し三人組は当然の如く準備をバックれ、お嬢様たちもまた「このクソ暑いのに外なんか出られるか」と引きこもり。
 結局、僕とヒナギクさんで準備せざるを得なかったのである。

「でも、意外と近くに笹があって良かったですね」
「そうね。イベントに感謝しないと」

 準備せざるを得ないといっても、七夕だ。そこまで準備するものもない。
 短冊と笹。基本的にはこのくらいだ。
 さあ、どこで物を揃えようかと二人で考えていたところ、丁度商店街近くのホームセンターで七夕セットが売られているという話を耳にした。
 そこまで離れているわけでもなく、じゃあ二人で行きましょうかというのが現状である。

「しかし……分かってはいましたが、本当に七夕一色ですね」
「そうね。イベントってやっぱり気合が入るのかしらね」

 二人で商店街を歩いていると、所々で七夕の装飾が施されている。
 それこそ笹を飾っている店舗もあれば、ウィンドウに彦星と織姫の可愛らしいイラストが貼られたものまで、様々だ。

「まぁ近年、商店街も集客性が落ち込んでいると聞きますし、こういった活動は大切なんでしょうね」
「そうよねえ……昔に比べたら確かに、人は減ってるかも」

 そんな言葉を交わしつつ、僕とヒナギクさんは商店街を歩く。
 目的のホームセンターはもう目と鼻の先である。
 と、ヒナギクさんが何かを見つけ、足を止めた。

「? どうしました?」
「いや、あそこなんだけど」
「おお、短冊ですね。実に七夕らしい」

 ヒナギクさんが指を指した先には、これまたご立派な笹があった。
 笹の前にはベンチとテーブルが置かれ、短冊が置かれてある。
 いわゆる「ご自由にお書きください」というものだ。

「やっぱり子供が多いですね」
「好きだからね、子供ってああいうの」

 テーブルでは、小さな子どもたちが親と一緒に短冊に願い事を書いていた。
 その他にも老齢の夫婦やカップルと、それなりの人数が思い思いにペンを走らせている。

「…………折角ですし、僕たちもやっていきます?」
「……ええ、そうしましょうか」

 人がやっているのを自分もやってみたくなる。
 そんな心理にも似た感じで、思わず口から出てしまった言葉に、ヒナギクさんも微笑みながら同意してくれた。







「さて、では帰りますか」
「意外と時間かかったわねー」


 時と場面は変わり。
 現在、無事にミッションを終え帰路につくところ。

 丁度良い大きさの短冊セットをぶら下げながら、改めて商店街を歩く僕とヒナギクさんである。
 あの後、二人だけで短冊を吊るした。ちなみに願い事は互いに教えていない(ヒナギクさんが恥ずかしがった)。

「わ。凄いハヤテ君。あれ見てあれ」
「おお! 結構増えてますね」

 先程、僕とヒナギクさんが短冊を吊るした笹は、大勢の人で溢れていた。
 18時を周り、帰宅時間と重なったからだろうか。先程よりも親子連れが多い気がする。

 両親に挟まれながら、心から楽しそうに短冊に願い事を書く子供たちの顔を、ヒナギクさんは何も言わずにじっと見ている。

「ヒナギクさん? どうかしましたか?」
「え? ……ああ、ごめんなさい。ちょっと昔の事を思い出しちゃって」

 昔、というのは恐らく子供時代のことだろう。
 ヒナギクさんがまだ、本当の両親と一緒に居た時の記憶。
 思い出したから、何がということはないのだろう。だからこそ、僕も何も言わない。

「……そうですか」

 ただそう一言、返事をするだけだ。
 僕の返事に、ヒナギクさんは「やっぱりハヤテくんって優しいね」と小さく呟いた。
 どこか嬉しそうに。

「うん、そう。 ……それじゃ、帰ろっか!」
「ええ。皆さんも待っているでしょうし」
「遅い! なんて言われても癪だしね」

 そして僕たちは、親子連れで賑わう笹を横目に再び歩きだした。
 七夕をすべく、皆のもとへ。

 商店街を歩きながら、ヒナギクさんが少し前に出て、僕に振り返った。

「ねえハヤテくん」
「なんです?」
「短冊のお願い事なんだけどね?」

 短冊のお願い事。先程二人で書いた願い事は、まぁありきたりなものだった。

「健康祈願」「無病息災」

 わざわざ七夕にするお願いではないのかも知れないが、人の目もあるしということで、無難な、僕たちらしいものを書いたのだ。

「お願い事がどうしました?」


 僕の言葉に、今度は今日一番の笑顔でヒナギクさんは答えた。




「皆と短冊を吊るす時は、本当のお願い事書くからね」



 それがどういう意味なのか、と問い返すことは僕はしなかった。
 言いたいことだけを言って、繋がれた手がその答えだったからである。



「……暑いんじゃなかったんですか?」
「もう夕方だし、平気よ?」
「今度は僕が熱いんですが」




 気温とは違う体温の上昇を感じながらも、その手を離すことはしない。
 ただ、まぁ。



「さ、早く帰りましょ?」
「了解です」



 僕の吊るす短冊も本当の願い事を書かなければならないなと、彼女の体温を感じながら思ったのだった。






終われ

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