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関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。 過度な期待はしないでください。
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どうも関ヶ原です、お久しぶりです。
今回はハヤヒナ短短編を上げたいと思います。
本当なら、12月24日まで上げないつもりだったのですけど、バイト帰りに今週のハヤテを見ていたら書かずにはいられなかったので(笑)

何のテーマも決めずに勢いだけで書いたので、話としてオチ所が設けられたかすらわからないですw

そのくらい今週のハヤテは良かったのだと思います。
毎週ありがとうございます、畑先生。

まさかクリスマス前に短短編が一本書けるとは思ってもなかったので、嬉しい気持ちもあります。

では話が長くなるといけないので、この辺りで。
予定では、次回の更新は24日ですのでよかったらまた来てくださいね。

では~ ノシ



前回の返信



>ベディアンさん
ですね OTL
私も前の携帯で同じことを何度も繰り返しました。それがよりにもよってヒナ魔だったりするんですよ!
ヒナ魔には色々不憫な思いをさせていますので、胸が痛い……!


>かさだ丸さん
かさだ丸さんもバイトですか。お互いお疲れ様です(´・ω・`)
私のバイト先は飲食店での接客や調理です。
といっても私自身はそこまで料理は出来ないのですけどね(苦笑)




拍手[5回]



『素直じゃない彼女』



 お嬢様のお母様の所有物だったという物件へ引っ越してから、少し経った。
 始めは使い勝手に戸惑っていた部分もあったけれど、今では昔から住んでいたかのように、すっかり住み慣れてしまった。

「ハヤテ君、新しい住居の方はどう?」

 そんなことを何故いきなり思ったかというと、帰り道にヒナギクさんが僕に尋ねてきたからだ。

「どう、といいますと?」
「ほら、今まであんなに広い屋敷暮らしだったじゃない? だから色々暮らしにくい所もあるんじゃないかなって」
「あぁなるほど」

 今言った通り、始めのころは時折不便を感じてはいたが、今では全く気にならなくなった。
 何より、広い屋敷に基本四人暮らしだった昔と比べて、今の住まいの方が人の温もりを強く感じられるように思っている。
 と、僕は今思ったことをありのままヒナギクさんに伝える。

「確かに前の屋敷ほど広くはないですけど、千桜さんが住んでくれたのでお嬢様も遊び相手が増えましたし……人の温もりと言うか何と言うか、今の住まいの方がずっと、お嬢様にとっては良い環境だと思いますよ」
「そういえばハル子、部屋を借りていたんだっけ」
「はい。僕としては凄く有難いお話です」
「そっか……」

 顎に手を当てながら、ヒナギクさんは何やら考え事を始めたようだ。
 そんな彼女の横顔を眺めつつ、僕たちは帰路を歩いていく。

「……ねぇハヤテ君」

 と、少しだけ無言の時間が過ぎて、ヒナギクさんが口を開いた。


「はい、何でしょうか?」
「もしも、の話なんだけど」
「はい」

 ヒナギクさんの方へ顔を向けると、ヒナギクさんの頬は少しばかり赤い。
 どうしたのだろう、と思いながらヒナギクさんの言葉を待っていると、ヒナギクさんは視線を横に反らしながら、言った。


「もしも……私がナギの家に住む、って言ったら、どうする?」
「え?」

 一瞬何を言われたのか分からなかった。
 言葉の意味を理解してヒナギクさんを再び見ると、先ほどよりも顔が赤い。

「それって……」
「も、もしもの話よ!?」

 僕の言葉を遮って、ヒナギクさんが声を少し荒げた。

「ハル子だけじゃなくて私も住めば、ナギにとってもっと良い環境になるのかしら、って思っただけなんだから!」

 なるほど、先ほどから顔が赤いのは、言ってて恥ずかしくなったからか。
 でも、あくまで『仮の話』であることを強調してヒナギクさんは言うけれど、ヒナギクさんの言うことは至極最もだと思う。
 ヒナギクさんほど真面目な人がお嬢様の傍に居てくれれば、お嬢様にとっても僕にとっても、メリット尽くしだ。
 学校をサボれない、という点ではお嬢様にとってかなりのデメリットなのかもしれないけれど。

「確かにヒナギクさんが住んでくださるなら、それは願ってもない事ですよ」
「そ、そうかしら? 私、変なこと言ってない?」
「どこも変じゃありませんよ。寧ろこちらからお願いしたいくらいですよ」
「そう……」

 僕の言葉を聞いて、ヒナギクさんはほっと息を吐いた。

「でもそれはあくまで『もしも』の話なんですよね」
「ふぇ? ……あ、そ、そうよ。仮に私が住むとしたら、の話」
「ですよね……」

 僕やマリアさんにとっては魅力的な話であり、住んでくれるのなら是が非でもお願いしたい。
 でもヒナギクさんにだって立派な家があるし、それは言葉の通り『仮の話』。

「な、なんでため息なんてついてるのよ……?」
「いえ……」

 仮の話と分かっているから、ため息が出るんですよ、ヒナギクさん。
 お嬢様の引きこもり精神は一筋縄じゃ直らないらしく、千桜さんという真面目な方がいても、少しばかりの改善はされても克服はされない。

「……なんで『もしも』の話なんだろうなぁ、と思いまして」
「え?」

 きょとん、としているヒナギクさんに視線を向けつつ、軽くため息を吐きながら僕は言う。

「本当にヒナギクさんが住んでくれたらどれ程嬉しいことか、と思ったもので」
「な―――!」
「ヒナギクさんが住んでくれたなら今以上にお嬢様には良い刺激になりますし、生活習慣も大きく変えられると思うんですよね」

 ヒナギクさんが居る生活を想像してみる。
 嫌々ながらも朝は早く起き、渋々学校へ登校するお嬢様の姿が見える。
 ……なんと素晴らしい光景なのだろうか。

 余りにも魅力的なその光景に、思わず言葉が口から出てしまった。

「……本当に住みませんか? 一緒に」
「い、一緒!?」
「そりゃ僕も住んでるわけですから」

 それはヒナギクさんだって分かっているはず。
 何をそんなにうろたえているのか。

「……ハヤテ君は」
「はい?」

 迷いがあるような表情を浮かべながら、ヒナギクさんが言う。

「ハヤテ君は、どうなの?」
「何がです?」
「だから……私がもし一緒に暮らすっていうことになったら」
「嬉しいですよ」

 ヒナギクさんの問いに、僕は即答した。

「だって、好きな人が近くに居るというのは、誰にとっても嬉しいことなんですから」
「好きな……っ!?」
「? 僕何か変なこと言いましたか?」
「だからその……! す、好きな人って」

 ヒナギクさんは目を見開いて驚いていた。
 恥ずかしがったり、迷ったり、驚いたり、今日のヒナギクさんはなんだか百面相をしているみたいだ。

「千桜さんもですけど、お嬢様が好きな人が一緒に住んでくれるのは執事として嬉しいことですので」
「あ、そういうこと……」
「そうですけど、それがどうかしましたか?」
「何でもないわ……紛らわしいんだから」
「え?」
「何でもない! バカ!」

 ヒナギクさんは何だか拗ねた様子で、そっぽを向いてしまった。
 何か怒らせるようなこと言ったのかな……。

「あ、あのヒナギクさ――」
「で、でも!」

 恐る恐るヒナギクさんに話しかけようとすると、またもやヒナギクさんに遮られた。
 顔は相変わらずそっぽを向いてたけれど、横目でこちらを見ながら、ヒナギクさんは言葉を続ける。


「……そ、その、たまになら顔を出す、けど」
「え? 本当ですか?」
「生徒会の仕事とかがない日なら」

 ただ、精神的に住むことは難しいけどね、と苦笑するヒナギクさん。
 でも、僕はそれだけでも十分だと思う。
 住んでくれることが一番良いのだけど、お嬢様のことを思って足を運んでくれるというのは本当に有難い話だから。

「ヒナギクさんならいつでも大歓迎ですよ」

 だから、お礼の気持ちを込めてヒナギクさんへ笑いかけると、

「……べ、別に毎日行くわけじゃないんだからね!?」

 ヒナギクさんは、照れ隠しにそう言った。
 そっぽを向いている顔の頬が赤いのは、そういうことなのだろう。

「分かってますよ。でも、僕は待ってますので」
「ふ、ふんだ」

 素直じゃないヒナギクさんは、まさにヒナギクさんらしくて、可愛かった。

「さ、さぁ! 早く帰るわよ!?」
「かしこまりました♪」

 笑顔を崩さない僕を見て更に照れながら、ヒナギクさんは足早に歩き出した。
 その後ろを、やはり僕は笑顔でついていく。
 何故なら。


「はは……。全く、本当に素直じゃないんだから」
「何か言った!?」
「いえいえ、滅相もありません」



 ヒナギクさんが向かうその先は、僕たちの家なのだから。

「ほら、早く」
「分かってますって」

 もしもの話だ、仮の話だ、と何だかんだ言って常にお嬢様を気にかけてくれているヒナギクさんに感謝しながら、僕はヒナギクさんへ肩を並べるべく、歩む足を速めるのだった。





End
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今週
今週のハヤテはなかなかでしたからねぇ……
私もテンションあがりまくりんぐwww
ベディアン 2010/12/23(Thu)08:38:12 編集
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ハヤヒナ小説とかイラスト書いてます。
皆様の暇つぶし程度の文章が今後も書ければいいなぁ。

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