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関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。 過度な期待はしないでください。
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どうも、懲りずに深夜更新、関ヶ原です。
いやぁ、毎日更新目指したんですが駄目でした(笑)
だって昨日(いや今日か?)は朝五時までカラオケだったんだもん!
寮に帰ってきたのが朝六時。この時点で死にそうでした、ハイ。
そこから風呂に入り、ベットイン。
初音ミクの夕日坂を聞きながら夢の国へ旅行にいってました。
なので今更新します、ハイ。
前はハヤテ一人称のようでしたので、対抗して今回はヒナ一人称で。
私にしては珍しい、ハヤヒナがカップルになる前のお話でございます。
まぁお題小説なんですがネッ☆
それではどうぞ~♪





 五月というのは比較的過ごしやすい季節だと思う。それは気温であったり、気候であったり、と理由は様々なのだが、その中でも特に良い風が吹くから過ごしやすいのだ、と私は思う。





『風の強い日』





 生徒会室は時計塔の最上階にある。そして、そこのテラスから入ってくる風はとても気持ちがいいものだ。
 強すぎず、そして弱すぎない風が私の桃色の髪を靡かせる。
 さらさら、と自慢じゃないが手入れには抜け目のない髪に手を添えながら、私は机越しにテラスを見た。

「いい風ね…」

 本日は天気も良く、暖かな日差しも差し込んでいるテラスは、ちょっとした良い所だと思う(私は怖くていけないが)。
 そのテラスを見てると、ふと『彼』に初めて会った時の事を思い出した。

「そういえば…、ハヤテ君と初めて会った時もこんなに風が吹いていたっけ…」

 あの時は姉がテラスから落ちそうになったところを助けてもらったのだった。
 私の横を凄い速さで通り過ぎ、落ちそうだった姉の手を掴んだ彼は、今思えば『風』のようだった。

「少し…格好良かったかも…」

 姉が無事だったことに気が抜けた私に、優しく微笑んだ彼の顔は今でも忘れられない。
 思い出して、思わず顔が赤くなる。

「わ、私ったら何考えてるのよ!?そんなこと全然思ってなんかないんだから!!」

 軽く呆けていた私はハッとして周りを見回し、そういえば今は一人だった、とホッと息をついた。

「……でも、本当に」

 途中だった仕事を再開しようとしたところで、また考え込む。
 初めて会った時は、ナギの新しい執事がどんな人物か知りたくて声を掛けた。
 第一印象は女の子ぽくて、こんな人が執事なんて務まるのか、と思った。
 でも彼と過ごしていくうちにそんな印象はすっかりなくなって、頼りになる『男の子』として彼を見るようになっていった。
 そして気づけば―――。

「私の男のタイプって、よくわからないわ…」

 ハヤテ君を意識するようになっていた。自分を『女の子』として見てもらいたい願望とともに。
 初めての感情に最初は戸惑った。
 でも今ではこれが『恋』だとはっきりわかる。
 理由なんてわからない。気づけば好きだったのだから。

「本当…、どうにかならないかしら?」

 ハヤテ君のことを考えるだけで高鳴る胸に、苦笑するしかない。
 テストの問題は解けても、この感情の処理のやり方などわからないから。

「あーあ、今日も仕事が捗(はかど)らないわ」

 持っていたペンを机に放り投げ、背もたれに身体を預けながら目を閉じる。


「いい風なのにね」


 頬に当たってくる風は気持ちの良いものなのに、頬の熱を冷ますには些か物足りない。
 今だけは、もっと強い風が吹いてほしかった。

「………」

 強い風が吹いたとしてもこのドキドキは落ち着かないのかもしれないけれど。

「………少し、寝ようかしら……?」

 でも吹いてほしいと願いながら、私は静かに目を閉じた。
 だって。


「おやすみ、ハヤテ君」



 吹いたらきっとハヤテ君の夢が見れる、そんな気がしたから。




 気持ちの良い風が吹く中で、強い風を願った、そんな日。




End

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どうも、相変わらず深夜更新、関ヶ原です。
今回の小説もハヤヒナ小説。お題小説が五月病というタイトルだったんですが、欝気味な二人が想像できずこんな結果に。
ヒナギクはほとんどしゃべりませんので、あしからず。
それではどうぞ~♪




 夏に向けて緑の葉が茂る五月、有名進学校である白皇学院は、重大深刻な事態に陥っていた。

「ヒナ」
「ん~…」
「…ヒナ」
「ん~…」
「……ヒナギク!!」
「ん~…?」
「はぁ……、駄目か」

 学院内に聳(そび)え立つ時計塔の頂上、生徒会室の会話だ。
 綺麗に整頓された生徒会室には、花菱美希と桂ヒナギクがいた。
 その生徒会長であるヒナギクの机には、大量のプリントが詰まれ、今にも崩れそうだ。
 その光景を横目に、美希はその席の主に話しかける。

「どうしたんだ、一体?お前がこんなに仕事に精を出さないなんて」
「ん~、なんか、やる気がでないのよねぇ…」

 親友である美希の言葉にも、ヒナギクは空返事だった。
 プリントで埋もれそうな机のわずかなスペースに頬をつけ、ダルそうにしている。

「ヤバイ…。これは、相当だ…!」

 白皇学院が陥った状態、それは、生徒会長が無気力になってしまったことだった。





『五月病』





「ヒナギクさんが五月病!?」

 ヒナギクの状態に危機感を抱いた美希が相談したのは、クラスメイトでヒナギクと唯一親密な関係の男子生徒である綾崎ハヤテだった。
 クラスで三千院ナギや瀬川泉と会話していたところを呼び出し、冒頭のようにヒナギクの様子を伝えた。

「でも、ヒナギクさんに限ってそんな…」
「私だってそう思いたいよ。でも、何度言っても、ヒナは空返事で仕事をしようともしないんだ」

 初めは信じられないといった表情のハヤテだったが、美希の真剣な表情を見て本当だということを知った。

「このままでは仕事が溜まりに溜まって…、私たちが仕事をしなくてはならなくなる!!」
「いや……だったらやりましょうよ」
「ヒナギクがやるような仕事を、私が出来るとでも?」
「……なんで生徒会に入ったんですか」

 ふん、と胸を張る美希に心底呆れつつも、無視できない事態には変わらない。

「(とりあえずヒナギクさんに会いにいくか…)」

 美希に了解したことを伝え、ハヤテは生徒会室へと歩き始めた。



 …



「で、こうして来たわけだけど……」

 エレベーターが最上階を伝え、生徒会室のドアを開けたハヤテが目にした光景は本当に凄かった。
 床一面に散乱したプリント、使ったまま放置された紅茶のカップ、etc…。
 いつもと明らかに違う。

 ハヤテはごくりと喉を鳴らすと、ゆっくりと『生徒会長』の机に向かった。

「ヒナギクさーん…?」
「………」

 その散乱するプリントを除けながら着いたその席の主は、静かな寝息を立てていた。
 机の上で腕を組み枕代わりにしながら、すーすー、と気持ちよく眠っている。
 恐らく枕を作るときに腕がプリントに当たってしまったのだろう。

「…寝てるな…」

 無気力なヒナギクがどんなものか、内心びくびくしていたハヤテはホッと安堵の息をついて、ヒナギクの肩に自分の上着を乗せた。

「仕方ない。僕がやるか…」

 幼さが残る寝顔を見てハヤテは優しく笑って、散らばるプリントに手を伸ばす。

「ん……?」

 一枚、二枚…と拾っていくと、ある一枚のプリントに目が留まりハヤテは動きを止めた。

「…………はは、そういうことか」

 それは雑誌の切り抜きだった。
 ページには『彼氏にもっと好きになってもらう十の法則』とある。
 ハヤテの目がいったのは、中でも『違う一面を見せること』だ。

「こんなことをしなくても…、僕はヒナギクさんのことが大好きですからね」

 そう言って、ハヤテは静かに寝息を立てるヒナギクの髪を撫でた。

 恐らくこうだ。読んでいた雑誌にこの記事を見つけたヒナギクは早速実行に移そうとした。
 しかし違う一面というのも簡単には思いつかない。
 暫く考えて、そこで思いついたのが『五月病』だ。
 ヒナギク自身自分の責任力の強さを理解しているだろうから、その責任力を放棄してみるのはどうだろうか、と考えたに違いない。
 五月病に見せかけた、ハヤテに甘えたいという気持ち。
 それが今の状態の正体だった。

「全く…本当に可愛い人だな…」

 ハヤテとしては嬉しくて仕方がなかった。
 ヒナギクの目が覚めたら、取りあえずキスでもしてやろうと心に思いながら、ハヤテはウキウキとプリント拾いを再開したのだった。



 五月の白皇学院の日常は、こうして平和に過ぎていく。



End

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どうも、急ピッチの作業に軽く死にそうな関ヶ原です。
今回の新作は、あやさきけではなく、ハヤヒナのほのぼの話です。
これもお題だということは内緒なんだからねっ!?
とりあえず、書いていた時間が深夜ということもあり文章が雑かもしれませんが、UPします。
それでは、どうぞ~♪





 夏の初めころの、若葉のつややかな緑色。
 人々はそれを『新緑』という。
 本日は晴天で、暖かな太陽に照らされた葉たちは、その言葉通り美しい緑を輝かせている。
 つまり。

「良い天気だなぁ…」


 僕たちのところにも、夏の足音が聞こえ始めてきたのだった。





『新緑に包まれて』





 GWも明けて、休みモードだった生活習慣も戻り始めた五月の中旬は、気持ちの良い晴れの日が続いていた。
 どこまでも青い空に思わず口元を緩めながら、通学路を僕は歩く。

「いやいや…本当、いい天気だな」

 お嬢様はまだ休みボケが抜けないらしく、今日は一人での登校だった。
 ベッドから抜け出せないお嬢様の姿を思い出し、思わず苦笑してしまう。

「お嬢様も、もう少しだけ朝に強くなってくれないかなぁ」

 夜のゲームをやめさせればいいのだろうけど、恐らくそれは不可能に近い。
 マリアさんでさえ不可能なのに、自分が言ったところで、話にならないことは目に見えているのだから。

「あ…。そう考えると頭痛くなってきたなぁ…」
「なーに朝から辛気臭い顔してるのよ?」

 せっかくの気持ちの良い朝なのに、と肩を軽く落としていた僕の耳に、よく知った声が聞こえてきた。

「ヒナギクさん…、おはようございます」
「おはよう。で?今日は何を悩んでいたの?」

 声の方に顔を向けると、そこにいたのはヒナギクさんだった。
 端正な顔に呆れの表情を浮かばせながら、彼女は僕の隣に並ぶ。

「ま、たぶん貴方のご主人様でしょうけど」
「はは…。流石ヒナギクさん、わかりますか?」

 僕がそういうと、ヒナギクさんは「やっぱり」とため息をついた。

「ハヤテ君が一人で歩いている時点で検討はつくわよ。で?その様子だと、ナギはまだ休みボケが抜けてないのね?」
「凄い…。そこまでわかってるなんて」
「伊達にあの子と友人やってないわよ」

 僕以上にお嬢様をわかっているヒナギクさんには感嘆するしかなかった。
 執事としてそれはいけないことだけど、それ以上にお嬢様のことをわかってくれているヒナギクさんがありがたく、嬉しい。

「ヒナギクさん……ありがとうございます」

 だから、自然とそんな言葉が出た。

「お嬢様のこと、わかってくれていて」
「別に…、たいしたことじゃないんだから」

 ヒナギクさんはそう言ってそっぽを向いたけど、きっと恥ずかしいに違いない。
 だって彼女はそういう人だから。


「……でも、私だってナギには感謝してるのよ…?」

 少しして、ヒナギクさんが呟くように言葉を発した。

「それは…、執事としては嬉しい限りです」

 言葉の真意を考えず、ヒナギクさんに微笑みながらそう返事すると、返ってきた言葉は――。


「だってナギが休んだから、私は今ハヤテ君と二人っきりで歩けるんだから」


 それは、冗談でもなく、本気の言葉だった。
 言葉の意味を理解して、僕の顔に血が集まる。

「ヒ、ヒナギクさん…っ!?な、何を…」
「本当よ?」
「だって…」
「あは。ハヤテ君、顔真っ赤よ?」
「ヒナギクさんの所為でしょう!?」
「知らなーい」

 くすくすと笑いながら、ヒナギクさんは駆け出した。

「ふふふ。ハヤテ君、可愛いわね♪」
「なっ…!もう、許しませんよ!?」

 僕もムキになってその後姿を追う。
 けれど、きっと僕の顔は笑っている。

「そう言うのは、私を捕まえてからにしなさいねー!!」
「っ…。わかりましたよ、三千院家の執事を甘く見ないでくださいね…!?」

 彼女も笑っている。
 楽しそうに、幸せそうに。


 新緑に包まれながら、僕たちは朝の通学路を駆けていく。



End

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 久しぶりの更新が過去作品という申し訳なさ。
 新作を早く完成させたいな…。
 ついでに、ハヤテss祭に参加予定なので、そっちの方も頑張っちゃいます。
 ヒナ魔、あやさきけもUPしなくては…。
 大学生はいそがしい、なんて関ヶ原のボヤキは置いといて、それではどうぞ~♪



 …



「そういえば」

 夏休みを控えたある晴れた日のこと。
 鼻歌を口ずさみながら僕の隣を歩いていたヒナギクさんが、ふと声を上げた。

「ハヤテ君は夏休みに予定とかある?」





『ある晴れた日のこと』





「え?」

 僕は歩いていた足を止めてヒナギクさんを見る。

「夏休みの予定…ですか」
「うん」

 かわいらしい笑顔を浮かべて頷いたヒナギクさんを見ながら、僕は頭の中に夏休みの予定表を広げた。

「えーと…。特に予定はないですが」
「本当!?」

 彼女の琥珀色の瞳が輝く。

「はい。お屋敷の仕事だけですからね」
「そう…」
「けど…。それがどうかしましたか?」

 遠出のお誘いでもあるのだろうか、やけに嬉しそうなヒナギクさんに尋ねると、

「どうかするの」

 そう答えながらヒナギクさんは僕より少し前に出る。
 肩が触れ合う距離から、三歩ほど先で彼女は振り返り、


「だって、ハヤテ君との時間が増えるじゃない」


 それは向日葵のような、温かくて優しい笑顔だった。

「……くす。何ですか、それ」
「なによ?ハヤテ君は嫌なの?」


 それが本当に可愛くて、愛おしくて。


「いえ…。それじゃあ――」


 僕は三歩の距離を詰めて、彼女の手を握った。

「ずっと…。ずっと、一緒にいましょう」
「……うん」

 握った手の平は本当に温かくて、ヒナギクさんをもっと感じたくて。

「――今日は本当にいい天気です」



 早く夏休みが来ないものかと、青く澄み渡る空を僕は仰いだ。



End

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パソコンが来ないため、新作はまだです…。
過去作をUPして、時間を稼ぎます。





『可愛さ』





 可愛さとは何か。
 それは例えば、この小説を書いている作者の愛猫であったり、次元を越えた女の子であったり。
 人、物それぞれに違った可愛さがある。
 人によって感じ方も大分異なるから、統一された可愛さなどはないのである。
 だが、それでもいいではないか。
 他人に理解されなくても、自分だけが分かれば良い。


 ――その想いは絶対、間違いではないのだから。


 ……とまぁ、そんな事を書き綴った後に。
 どこぞの借金執事を例に挙げてみる。



 …



「……ヒナギクさんって」

 とあるカラオケボックスの一室。
 薄ぐらい部屋、防音、二人きりというなかなか素敵なシチュエーションの中、借金執事こと綾崎 ハヤテはぼんやりと光る画面を見ながら呟いた。

「ん?何?」

 まぁ画面というのは当然歌う曲が表示されるテレビなわけであるが。
 その画面の前に立ちマイクを握る桂 ヒナギクはハヤテを見る。

「いえ、その…」
「?」

 首を傾げるヒナギクにハヤテはぽつりと一言。

「物凄く可愛いですね」
「――!」

 突然の不意打ちにヒナギクはマイクを落としそうになる。
 その顔は一秒足らずで真っ赤だ。

「い、いきなり何言い出すの!?
 マイク落としそうになったじゃない!!」
「いやぁだって……」
 がーっ、とまくし立てるヒナギクに、ハヤテは顔を破顔させて答えた。

「その選曲、反則でしょ」
「……へ?」

 顔を紅潮させたまま首を傾げるヒナギクの後ろ。
 テレビ画面に浮かぶ曲名にハヤテの視線は行くばかりだった。
 浮かぶ曲名。


 その名も『だんご三兄弟』


「ヒナギクさんが悪いんですからね…」
「え?え?」

 その、カラオケに於ける奇跡の選曲は借金執事の理性を壊すのに十分過ぎたのである。


「ただでさえ可愛すぎるのにそんな選曲……」
「え?ちょ、ハヤテ君!?」
「もう…。――食べちゃいたいです」

 顔を綻ばせたまま近づいてくるハヤテに、ヒナギクは冷や汗をかきながら後退する。
 しかしここは、狭いくせに防音完璧なカラオケルームだった。


「あ、あの……ハヤテ君?」
「いただきます」
「あっ――」


 ――その想いは絶対、間違いではないのだから。


 そんな事を冒頭に書いてしまった所為なのか、ハヤテの理性を簡単に破壊する可愛さを持つヒナギクは、理性を壊されたハヤテに美味しくいただかれたのであった。

 いやはや、可愛いは罪とはよく言ったものである。



End

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関ヶ原
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自己紹介:
ハヤヒナ小説とかイラスト書いてます。
皆様の暇つぶし程度の文章が今後も書ければいいなぁ。

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