関ヶ原の書いた二次小説を淡々と載せていくブログです。
過度な期待はしないでください。
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俺めげないぜ!
どうも、関ヶ原です。
冒頭から修○ですいません(笑)
どうも先日は取り乱してしまったみたいで、不快に思われた方もいらしたと思います。
どうもすいません。
もう大丈夫です。正常です。
バカテスの新巻といちゃいちゃレール○ン(一応伏字します)読んでたら、だんだん落ち着いてきました。
勢いで書いたハヤヒナ小説、うpしますよ~♪
もう書いてる途中から「これ人に見せれんのか?」と思い始めましたが、折角書いたんでどうか読んでみてください(汗)
それでは、どうぞ~♪
『季節の変わり目のある日』
九月に入った。
あれほど嫌だった熱風も涼しいものへと変わり、過ごしやすい季節がやってきた。
温暖化の影響なのかどうかはわからないが、山ではすでに葉の色が変わり始めているところもあるという話があるくらいだ。
「もう秋ねー」
「そうですね。すっかり肌寒くなってしまいましたね」
その季節の中を、二人の少年少女が、手を繋ぎながら歩いている。
当然といえば当然の、ハヤテとヒナギクであった。
「ここのところ暑い日が続いていたのに……」
「まぁでも、暑いよりは寒いほうがいいですよね」
ハヤテはいつもの執事服。
ヒナギクも白皇の制服姿ではあるが、会話の通り寒いのだろう、紺色のカーディガンを重ねている。
空いている片方の手で襟元を寄せながら、ハヤテの言葉にヒナギクは答えた。
「でも暑いほうが対処の仕様が楽じゃない?」
「といいますと?」
「暑ければ服を脱ぐなり、薄い生地の服を着れば良いじゃない」
「……どちらも変わらないのでは?」
苦笑を浮かべながら言うハヤテに、ヒナギクは不満そうな視線を送る。
「? 何か?」
「はぁ…。男の子には分からないかもしれないけれど、女の子っていろいろと気にするものなの!」
きょとん、とするハヤテに、ヒナギクは声を少し強めていった。
「寒かったら服を重ねるでしょ?重ねたら当然、厚くなるわよね?そうすると、見た感じの身体のラインとかが太めに見えちゃったりするの!!」
「はぁ……。そういうものですか」
「そういうものなのよ!全く、本当鈍感なんだから」
仕方ないわね、とため息をつくヒナギク。
前々から知っていたことだが、ハヤテにはもう少しデリカシーというものを知ってほしい。
そんな願望が込められたため息だった。
「そういうところに気づけるようにしておいたほうが良いわよ、ハヤテ君」
「でもヒナギクさんはもともとスタイルがいいから、少しくらい重ねたって何も変わらないと思いますけど……」
何気なく言われたハヤテの言葉に、ヒナギクの顔が赤くなる。
「う……その言葉は嬉しいけれど、気持ちの問題なんだから!」
「顔、赤いですけど……?」
「きょ、今日は熱っぽいのよ……」
「へ~」
「な、何よ!本当なんだから!!」
あたふたとするヒナギクは、そう言ってそっぽを向く。
明らかに見て取れる照れ隠しに、ハヤテはくす、と小さく笑った。
「(全く、本当に可愛いなぁ)」
面白いくらいに表情が変わるヒナギクは、本当に可愛い。
可愛くて、愛しい。
自分にはもったいないくらいの彼女のことが。
だから、とハヤテは思う。
もっとヒナギクを感じたいと。
「でもそうなら……やっぱり僕は、暑いよりも寒い方がいいですね」
「む……。急にどうしたの?」
「いやだって、ヒナギクさん熱っぽいって言ってたじゃないですか」
「?」
言いたいことが良く分からない、と首をかしげるヒナギクに微笑みかけながら、ハヤテはヒナギクを抱き寄せて、言う。
「だって、寒かったらこうやってヒナギクさんを暖められるでしょ?」
「きゃ……」
突然の行動に、ヒナギクの顔は紅葉のように再び赤く染まる。
「ちょ、ハヤテ君!?」
「なんですか?」
「何ですか…じゃなくて!………もぅ」
大好きな人の腕の中でわたわたするヒナギクだったが、やがて大人しくなり、その温もりに身体を委ねてくる。
その華奢な身体を、ハヤテはぎゅ、と抱きしめる。
「熱っぽいなら寒気もあるでしょうし、風も冷たくて寒いでしょうし。一石二鳥ですね♪」
「もう…………ハヤテ君の馬鹿」
「その顔で馬鹿といわれても、なんともないですね」
「じゃあ……大好き」
「はい、僕も大好きですよ、ヒナギクさん」
「…………………ずるいわ」
しばし二人は見つめあい、やがて互いの温もりを感じながら、どちらともなく二人は唇を重ねた。
暑さが続いた夏が終わり、過ごしやすくも肌寒い季節がやってくる、そんな季節の変わり目の空の下。
身体を寄せ合い抱き合う二人はどこまでも暖かく、そして幸せそうであった。
End
「でもやっぱり暑い方がいいわね」
「? なんでですか?」
「だって修○って暑いじゃない。私、修○が好きなんだもの」
「台なしっ!!」
どうも、関ヶ原です。
冒頭から修○ですいません(笑)
どうも先日は取り乱してしまったみたいで、不快に思われた方もいらしたと思います。
どうもすいません。
もう大丈夫です。正常です。
バカテスの新巻といちゃいちゃレール○ン(一応伏字します)読んでたら、だんだん落ち着いてきました。
勢いで書いたハヤヒナ小説、うpしますよ~♪
もう書いてる途中から「これ人に見せれんのか?」と思い始めましたが、折角書いたんでどうか読んでみてください(汗)
それでは、どうぞ~♪
『季節の変わり目のある日』
九月に入った。
あれほど嫌だった熱風も涼しいものへと変わり、過ごしやすい季節がやってきた。
温暖化の影響なのかどうかはわからないが、山ではすでに葉の色が変わり始めているところもあるという話があるくらいだ。
「もう秋ねー」
「そうですね。すっかり肌寒くなってしまいましたね」
その季節の中を、二人の少年少女が、手を繋ぎながら歩いている。
当然といえば当然の、ハヤテとヒナギクであった。
「ここのところ暑い日が続いていたのに……」
「まぁでも、暑いよりは寒いほうがいいですよね」
ハヤテはいつもの執事服。
ヒナギクも白皇の制服姿ではあるが、会話の通り寒いのだろう、紺色のカーディガンを重ねている。
空いている片方の手で襟元を寄せながら、ハヤテの言葉にヒナギクは答えた。
「でも暑いほうが対処の仕様が楽じゃない?」
「といいますと?」
「暑ければ服を脱ぐなり、薄い生地の服を着れば良いじゃない」
「……どちらも変わらないのでは?」
苦笑を浮かべながら言うハヤテに、ヒナギクは不満そうな視線を送る。
「? 何か?」
「はぁ…。男の子には分からないかもしれないけれど、女の子っていろいろと気にするものなの!」
きょとん、とするハヤテに、ヒナギクは声を少し強めていった。
「寒かったら服を重ねるでしょ?重ねたら当然、厚くなるわよね?そうすると、見た感じの身体のラインとかが太めに見えちゃったりするの!!」
「はぁ……。そういうものですか」
「そういうものなのよ!全く、本当鈍感なんだから」
仕方ないわね、とため息をつくヒナギク。
前々から知っていたことだが、ハヤテにはもう少しデリカシーというものを知ってほしい。
そんな願望が込められたため息だった。
「そういうところに気づけるようにしておいたほうが良いわよ、ハヤテ君」
「でもヒナギクさんはもともとスタイルがいいから、少しくらい重ねたって何も変わらないと思いますけど……」
何気なく言われたハヤテの言葉に、ヒナギクの顔が赤くなる。
「う……その言葉は嬉しいけれど、気持ちの問題なんだから!」
「顔、赤いですけど……?」
「きょ、今日は熱っぽいのよ……」
「へ~」
「な、何よ!本当なんだから!!」
あたふたとするヒナギクは、そう言ってそっぽを向く。
明らかに見て取れる照れ隠しに、ハヤテはくす、と小さく笑った。
「(全く、本当に可愛いなぁ)」
面白いくらいに表情が変わるヒナギクは、本当に可愛い。
可愛くて、愛しい。
自分にはもったいないくらいの彼女のことが。
だから、とハヤテは思う。
もっとヒナギクを感じたいと。
「でもそうなら……やっぱり僕は、暑いよりも寒い方がいいですね」
「む……。急にどうしたの?」
「いやだって、ヒナギクさん熱っぽいって言ってたじゃないですか」
「?」
言いたいことが良く分からない、と首をかしげるヒナギクに微笑みかけながら、ハヤテはヒナギクを抱き寄せて、言う。
「だって、寒かったらこうやってヒナギクさんを暖められるでしょ?」
「きゃ……」
突然の行動に、ヒナギクの顔は紅葉のように再び赤く染まる。
「ちょ、ハヤテ君!?」
「なんですか?」
「何ですか…じゃなくて!………もぅ」
大好きな人の腕の中でわたわたするヒナギクだったが、やがて大人しくなり、その温もりに身体を委ねてくる。
その華奢な身体を、ハヤテはぎゅ、と抱きしめる。
「熱っぽいなら寒気もあるでしょうし、風も冷たくて寒いでしょうし。一石二鳥ですね♪」
「もう…………ハヤテ君の馬鹿」
「その顔で馬鹿といわれても、なんともないですね」
「じゃあ……大好き」
「はい、僕も大好きですよ、ヒナギクさん」
「…………………ずるいわ」
しばし二人は見つめあい、やがて互いの温もりを感じながら、どちらともなく二人は唇を重ねた。
暑さが続いた夏が終わり、過ごしやすくも肌寒い季節がやってくる、そんな季節の変わり目の空の下。
身体を寄せ合い抱き合う二人はどこまでも暖かく、そして幸せそうであった。
End
「でもやっぱり暑い方がいいわね」
「? なんでですか?」
「だって修○って暑いじゃない。私、修○が好きなんだもの」
「台なしっ!!」
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どうもご無沙汰、関ヶ原です。
なかなか新作が完成しないことに歯痒さを覚えます。
だって…、バイト疲れで九時には寝ちゃってるんだもん(理由になってない)!
ですから余りにも申し訳ないので、過去作だけでもうpしようと思います。
本当に待たせてしまって申し訳ないですorz
それではどうぞ~♪
『幸朝』
「ハヤテ君」
朝。
綺麗な声に起こされて眼を開けば、そこには僕の愛しい人がいた。
「…ヒナギクさん」
「ふふ…。ぐっすり寝てたわよ」
カーテンからもれる光に照らされる彼女の笑顔に、寝ぼけ眼の僕は眼を細める。
「……そうでしたか?」
「そうでしたよ」
くすくすと笑う彼女。
それを眺める僕。
二人用ベットの上で僕たちはしばし見つめ合い、笑った。
なんと穏やかで、平和なのだろうか。
「ねぇハヤテ君」
「はい?なんですか」
平穏たる時間を噛み締めていると、ヒナギクさんがずい、と顔を突き出して来た。
「いつものー」
そして、上目で僕を見上げ、どこか猫のような甘えた声を出す。
「…はいはい」
それが本当に可愛くて。
僕は桜色の唇に、ゆっくり唇を重ねるのだ。
「ん……」
「………」
唇を離して僕たちは再び見つめ合い、
「おはよう、ハヤテ君」
「おはようございます、ヒナギクさん」
そして、今日も大好きな人が傍にいてくれる幸せを感じれる。
「ね?もう一回」
「……はい。喜んで」
そんなことを思いながら、僕たちはもう一度唇を重ねた。
それは、この先ずっと過ごしていく、幸せな日々の一コマ。
end
なかなか新作が完成しないことに歯痒さを覚えます。
だって…、バイト疲れで九時には寝ちゃってるんだもん(理由になってない)!
ですから余りにも申し訳ないので、過去作だけでもうpしようと思います。
本当に待たせてしまって申し訳ないですorz
それではどうぞ~♪
『幸朝』
「ハヤテ君」
朝。
綺麗な声に起こされて眼を開けば、そこには僕の愛しい人がいた。
「…ヒナギクさん」
「ふふ…。ぐっすり寝てたわよ」
カーテンからもれる光に照らされる彼女の笑顔に、寝ぼけ眼の僕は眼を細める。
「……そうでしたか?」
「そうでしたよ」
くすくすと笑う彼女。
それを眺める僕。
二人用ベットの上で僕たちはしばし見つめ合い、笑った。
なんと穏やかで、平和なのだろうか。
「ねぇハヤテ君」
「はい?なんですか」
平穏たる時間を噛み締めていると、ヒナギクさんがずい、と顔を突き出して来た。
「いつものー」
そして、上目で僕を見上げ、どこか猫のような甘えた声を出す。
「…はいはい」
それが本当に可愛くて。
僕は桜色の唇に、ゆっくり唇を重ねるのだ。
「ん……」
「………」
唇を離して僕たちは再び見つめ合い、
「おはよう、ハヤテ君」
「おはようございます、ヒナギクさん」
そして、今日も大好きな人が傍にいてくれる幸せを感じれる。
「ね?もう一回」
「……はい。喜んで」
そんなことを思いながら、僕たちはもう一度唇を重ねた。
それは、この先ずっと過ごしていく、幸せな日々の一コマ。
end
どうも、最近”化物語”にはまってる関ヶ原です。
いやぁ、西尾維新さんの小説は以前から読みたいと思っていたのですが、まさかこれほど面白いものだとは……。
八九寺のような妹が欲しかった…。いや、実際の妹も可愛いんですが、最近思春期のようでして……。
皆さん、妹に甘い幻想を抱くことはいけませんよ(笑)
さて、今回の話ですが、宣言通り七夕の話です。
といっても、相変わらず文章がおかしいところがありますがorz
そうそう、今回は少し、西尾維新さんの作風表現を真似してみたところがあるんですよ。
本当、俺みたいな若輩者なんかが使っていいのか分かりませんが、というか本当に真似すら出来ているか分かりませんが!!
とにかく、更新でございます。
本当は私の自称・愛弟子(笑)である自由人さんに贈ろうかとも考えたんですが、それはまた今度で…。
スイマセン、自由人さん(汗)
まぁそんな感じですので♪
それではどうぞ~☆
昔の僕は、願いが叶うような話を一切信じてはいなかった。
理由は簡単だ。
願ったところで、叶わないことを知っていたから。
願い過ぎて、裏切られて、諦めてしまっていたから。
だからサンタクロースの話も信じなかったし、どんなことでも、願いが叶うわけなんてない、と。
所詮は夢物語なのだと。
ナギお嬢様に出会い、そして彼女に逢うまでは、ずっとそう思っていた―――。
『七夕の日』
七月七日という日は、彦星と織姫が年に一度出会うことが出来るという、まぁ一般的に言えば七夕である。
道を少し歩けば、それぞれの家庭のベランダから、短冊が吊るされた笹がちらほらと見られる。
そんな日の夜、傍らで短冊を吊るす彼女を見ながら、僕はふと思う。
人生とはわからないな、と。
ほんの数年、いや、数ヶ月前の僕が今の僕を見たら驚くに違いない。
七夕の日に、笑顔で短冊を吊るす僕を見たら。
そう思うと、思わず苦笑してしまう。
「ん?どうしたの、ハヤテ君?」
そんな僕に気づいてか、隣のヒナギクさんが話しかけてきた。
「いえ、人生とはわからないものだなぁ、と思ってただけですよ」
「どうしたの、急に?」
不思議そうな表情を浮かべるヒナギクさん。まぁ、意味はわからないだろう。
しかし僕の過去の話なんて聞いてもいい気持ちになるはずがないので、取り合えず曖昧に誤魔化そう。
「なんとなく、そう思っただけですよ」
「ふうん……」
「まぁ言うなら、可愛げもない男の子に呆れていた、みたいな?」
小さく微笑んで僕がそう答えると、ヒナギクさんは「何よそれ」と言って、笑う。
「言いたいことがあるならはっきり言いなさい、ハヤテ君」
それでも気になるのか、端整な顔をずい、と僕に近づけるヒナギクさん。
そりゃ、彼女の性格からすればこうなることも考えられたのだけれど。
「言いたいこと、ですか」
「そうよ」
僕の言いたいこと、か。
今思えば昔の――少し前の僕は本当に半分人生捨てた風に生きていて、こんな風に好きな人と仲良く七夕を過ごせる日々が来るなんて、頭の片隅にも思い浮かんでこなかった。
願いごとをしても無駄だ、と諦めていた僕に、再び願いごとをする楽しみを教えてくれる人がいるなんて、思わなかった。
「そうですね―――」
だから、そのお礼(なのかどうかはわからないけれど)に、僕が伝えたいこと、願いたいことは。
「―――言いたいことなら、短冊に書きましたから。それを見てください……っと」
彼女に真似て、笹に短冊を吊るす。
七月の夜風に笹が揺らされ、ヒナギクさんの眼前に僕の短冊が晒される。
「どれどれ………え?」
それを手に取り、ヒナギクさんが僕の願いに目を通す。
「これがハヤテ君のお願いごと?」
「はい♪心からのお願いごとですよ」
まじまじとそれを見つめ、僕の言葉を聞いて、やがて―――笑顔になった。
僕の短冊に書かれていたのは“ヒナギクさんとずっと一緒にいられますように”という、まぁありきたりといえばありきたりなものだった。
それでも、僕にとってはこれ以上願い事にふさわしいものはない。
彦星と織姫に願う価値のあるものだと思っている。
億万長者?世界征服?そんなもの、どうだっていいのだ。
ヒナギクさんと一緒にいられれば。
そんな僕の心情を知ってか知らずか、ヒナギクさんは相変わらず笑顔で僕の方を見ている。
「ねぇハヤテ君」
ヒナギクさんは口を開き、そして。
「ハヤテ君の願い、叶うと良いわね♪」
今度はヒナギクさんの短冊を、僕に差し出してきた。
「え?」
「ね♪」
これは、見ろ、ということなのだろう。
ヒナギクさんの笑顔に推され、僕は裏返しにされたヒナギクさんの短冊をひっくり返す。
そこには。
“ハヤテ君との子供は、三人くらい欲しいです♪”
思わず噴出してしまうほどの内容だった!
噴出した僕を見てヒナギクさんは満面の笑顔だし、ひょっとして、狙ってた……のか?
………まぁいい。ともあれ。
「叶うといいわね♪」
どうやら僕の願いは叶うことを約束されているらしいことがわかったから、僕もヒナギクさんに負けないくらいの笑顔で言ってやった。
「ええ。叶うといいですね♪」と。
…
昔の僕は、願いが叶うような話を一切信じてはいなかった。
理由は簡単だ。
願ったところで、叶わないことを知っていたから。
願い過ぎて、裏切られて、諦めてしまっていたから。
だからサンタクロースの話も信じなかったし、どんなことでも、願いが叶うわけなんてない、と。
所詮は夢物語なのだと、ずっと思っていた。
でも、大好きな人と七夕の夜空に願った願い事は、絶対に叶うことがわかったから、昔の僕に一言言ってやることにする。
―――願い事も悪くないぞ、と。
夜空を緩やかに流れている天の川で、彦星と織姫が「このお調子者め」と、苦笑を浮かべているような気がした、そんな七夕の日。
End
いやぁ、西尾維新さんの小説は以前から読みたいと思っていたのですが、まさかこれほど面白いものだとは……。
八九寺のような妹が欲しかった…。いや、実際の妹も可愛いんですが、最近思春期のようでして……。
皆さん、妹に甘い幻想を抱くことはいけませんよ(笑)
さて、今回の話ですが、宣言通り七夕の話です。
といっても、相変わらず文章がおかしいところがありますがorz
そうそう、今回は少し、西尾維新さんの作風表現を真似してみたところがあるんですよ。
本当、俺みたいな若輩者なんかが使っていいのか分かりませんが、というか本当に真似すら出来ているか分かりませんが!!
とにかく、更新でございます。
本当は私の自称・愛弟子(笑)である自由人さんに贈ろうかとも考えたんですが、それはまた今度で…。
スイマセン、自由人さん(汗)
まぁそんな感じですので♪
それではどうぞ~☆
昔の僕は、願いが叶うような話を一切信じてはいなかった。
理由は簡単だ。
願ったところで、叶わないことを知っていたから。
願い過ぎて、裏切られて、諦めてしまっていたから。
だからサンタクロースの話も信じなかったし、どんなことでも、願いが叶うわけなんてない、と。
所詮は夢物語なのだと。
ナギお嬢様に出会い、そして彼女に逢うまでは、ずっとそう思っていた―――。
『七夕の日』
七月七日という日は、彦星と織姫が年に一度出会うことが出来るという、まぁ一般的に言えば七夕である。
道を少し歩けば、それぞれの家庭のベランダから、短冊が吊るされた笹がちらほらと見られる。
そんな日の夜、傍らで短冊を吊るす彼女を見ながら、僕はふと思う。
人生とはわからないな、と。
ほんの数年、いや、数ヶ月前の僕が今の僕を見たら驚くに違いない。
七夕の日に、笑顔で短冊を吊るす僕を見たら。
そう思うと、思わず苦笑してしまう。
「ん?どうしたの、ハヤテ君?」
そんな僕に気づいてか、隣のヒナギクさんが話しかけてきた。
「いえ、人生とはわからないものだなぁ、と思ってただけですよ」
「どうしたの、急に?」
不思議そうな表情を浮かべるヒナギクさん。まぁ、意味はわからないだろう。
しかし僕の過去の話なんて聞いてもいい気持ちになるはずがないので、取り合えず曖昧に誤魔化そう。
「なんとなく、そう思っただけですよ」
「ふうん……」
「まぁ言うなら、可愛げもない男の子に呆れていた、みたいな?」
小さく微笑んで僕がそう答えると、ヒナギクさんは「何よそれ」と言って、笑う。
「言いたいことがあるならはっきり言いなさい、ハヤテ君」
それでも気になるのか、端整な顔をずい、と僕に近づけるヒナギクさん。
そりゃ、彼女の性格からすればこうなることも考えられたのだけれど。
「言いたいこと、ですか」
「そうよ」
僕の言いたいこと、か。
今思えば昔の――少し前の僕は本当に半分人生捨てた風に生きていて、こんな風に好きな人と仲良く七夕を過ごせる日々が来るなんて、頭の片隅にも思い浮かんでこなかった。
願いごとをしても無駄だ、と諦めていた僕に、再び願いごとをする楽しみを教えてくれる人がいるなんて、思わなかった。
「そうですね―――」
だから、そのお礼(なのかどうかはわからないけれど)に、僕が伝えたいこと、願いたいことは。
「―――言いたいことなら、短冊に書きましたから。それを見てください……っと」
彼女に真似て、笹に短冊を吊るす。
七月の夜風に笹が揺らされ、ヒナギクさんの眼前に僕の短冊が晒される。
「どれどれ………え?」
それを手に取り、ヒナギクさんが僕の願いに目を通す。
「これがハヤテ君のお願いごと?」
「はい♪心からのお願いごとですよ」
まじまじとそれを見つめ、僕の言葉を聞いて、やがて―――笑顔になった。
僕の短冊に書かれていたのは“ヒナギクさんとずっと一緒にいられますように”という、まぁありきたりといえばありきたりなものだった。
それでも、僕にとってはこれ以上願い事にふさわしいものはない。
彦星と織姫に願う価値のあるものだと思っている。
億万長者?世界征服?そんなもの、どうだっていいのだ。
ヒナギクさんと一緒にいられれば。
そんな僕の心情を知ってか知らずか、ヒナギクさんは相変わらず笑顔で僕の方を見ている。
「ねぇハヤテ君」
ヒナギクさんは口を開き、そして。
「ハヤテ君の願い、叶うと良いわね♪」
今度はヒナギクさんの短冊を、僕に差し出してきた。
「え?」
「ね♪」
これは、見ろ、ということなのだろう。
ヒナギクさんの笑顔に推され、僕は裏返しにされたヒナギクさんの短冊をひっくり返す。
そこには。
“ハヤテ君との子供は、三人くらい欲しいです♪”
思わず噴出してしまうほどの内容だった!
噴出した僕を見てヒナギクさんは満面の笑顔だし、ひょっとして、狙ってた……のか?
………まぁいい。ともあれ。
「叶うといいわね♪」
どうやら僕の願いは叶うことを約束されているらしいことがわかったから、僕もヒナギクさんに負けないくらいの笑顔で言ってやった。
「ええ。叶うといいですね♪」と。
…
昔の僕は、願いが叶うような話を一切信じてはいなかった。
理由は簡単だ。
願ったところで、叶わないことを知っていたから。
願い過ぎて、裏切られて、諦めてしまっていたから。
だからサンタクロースの話も信じなかったし、どんなことでも、願いが叶うわけなんてない、と。
所詮は夢物語なのだと、ずっと思っていた。
でも、大好きな人と七夕の夜空に願った願い事は、絶対に叶うことがわかったから、昔の僕に一言言ってやることにする。
―――願い事も悪くないぞ、と。
夜空を緩やかに流れている天の川で、彦星と織姫が「このお調子者め」と、苦笑を浮かべているような気がした、そんな七夕の日。
End
どうも、関ヶ原でございます。
昨日スランプだと書きましたが、どうやらマジでスランプのようです。
まず文章にまとまりがなく、矛盾が生じてしまうのです。
それでも一応書きました。
当然ハヤヒナです。
しかし内容がわけ分かりません。本当すいません(泣
でも、頑張って書きましたので、読んでほしいと思います。
今回の話はちょっと時期が早いネタでございます。
それではどうぞ~♪
近所で夏祭りがあることをヒナギクが知ったのは、祭り当日だった。
公園を通る際、何かしら準備をしていたことは知っていたのだが、帰り道に公園の方に寄ってみると人で溢れていたのだ。
それを見て、「今日…夏祭りなんだ」とヒナギクは呟く。
そして思う。
愛しの彼を誘ってみよう、と。
「忙しくなければいいのだけれど……」
携帯を覗き、目当ての名前をプッシュ。
少しのコール音の後。
「あ、ハヤテ君?実は―――」
『ガラス細工と夏祭り』
その夏祭りは、公園で行う祭りにしてはなかなか賑わっていた。
溢れる人ごみの中を、ハヤテとヒナギクは手を繋ぎながら歩く。
「いやー、賑わってますねー」
「本当ねー」
ハヤテから二つ返事でokをもらったヒナギクは、浴衣姿である。
ハヤテは執事服を脱ぎ、私服姿。
外見は中の良い恋人同士。しかし中身はラブラブ熱々カップルであるこの二人。
とりあえず回ってみよう、というハヤテの提案により、一通り祭りを回っているところだった。
「あ、綿菓子!」
気になるものがあったら足を止める。
綿菓子を見たヒナギクは、ハヤテの手を引いて店主のほうへと向かっていく。
「いらっしゃい!」威勢の良い店主に負けじと、ヒナギクも元気な声で答えた。
「おじさん!綿菓子一つください!!」
「はいよ、ありがとね!」
店主から綿菓子を受け取り、表情を輝かせているヒナギクを見て、ハヤテは笑みを浮かべる。
「(クス……。こうして見ると本当に子供っぽいな)」
白皇学院の生徒たちは、ヒナギクの生徒会長の顔しか知らない。ヒナギクにこんな一面があったことを知れば驚くにちがいない。
そんな表情を自分だけに見せてくれていると思うと、ハヤテは嬉しく、誇らしかった。
「ん?どうしたの、ハヤテ君?」
ハヤテの視線に気づいたヒナギクが不思議そうにハヤテを見ていた。
こんな表情も、愛おしい。
「いいえ、なんでも。綿菓子おいしいですか?」
「うん!」
子供っぽく、はにかみながら笑うヒナギクに、ハヤテは再び笑みを零した。
…
その後も二人は祭りを回っていった。焼きそばやたこ焼きを食べたり、射的をしたり、と祭りならではの出店を楽しんでいた。
「あ」
祭りも大半を回り終えたかという時、ヒナギクの隣を歩いていたハヤテが小さく言葉を発した。
「どうしたの?」
「あれ……」
ハヤテがとある場所を指差す。
ヒナギクもハヤテが指差した方向に目を向けて、「あ……」と呟いた。
ハヤテの指先がしめした方向にあったものは、ガラス細工の小さな出店だった。
様々な動物がガラスで象(かたど)られ、光に反射して美しく輝いている。
「綺麗…」
「ええ。ヒナギクさん、ちょっと寄ってみませんか?」
ハヤテの言葉に異論などあるはずなく、ヒナギクは大きく頷いた。
「いらっしゃい。いろいろあるからゆっくり見ていってくれ」
店主に軽く返事を返し、ハヤテとヒナギクは美しく輝くガラス細工たちを眺める。
本当に様々な動物たちがあり、どれを選ぶかなど難しいくらいだ。
「本当色々あるんですね……」
「多くて選べないわね……」
「はっは。数がなくちゃ売れないからね。これでも苦労してるんだぜ」
「うーむ……お?」
店主の言葉に相槌をうちつつ、品物たちをじっくりと眺めていると、あるモノがハヤテの目に止まった。
「これ……」
それを手にとりヒナギクに見せると、
「可愛い!!」
と、ヒナギクの目がガラス細工に負けじと輝く。
それは、猫のガラスだった。
青とピンクの二色あり、ハヤテが持っているのはピンク色である。
「お、目の付け所がいいね」
「え?」
「それはカップル用に用意したもんなんだよ」
店主が言うには、この猫は二匹で一つ、という設定らしく、青色を女性に、ピンク色を男性に持たせることで、その二人は決して離れない強い愛情で結ばれるという。
「へぇ……」
ハヤテはそう言葉を漏らす。見れば値段も手ごろ。携帯用として作られたからか、それほど大きくなく、コンパクトである。
「どうだい?」
ハヤテはヒナギクに目をやる。ヒナギクはそれが気に入ったらしく、その猫のガラスをじーっと見つめていた。
「これにします」
そうなれば買わない理由などなかった。
お代を払い、商品を受け取ったハヤテは、ヒナギクを連れて店を後にする。
今もまだ賑わう祭の会場から少し離れた場所で、ハヤテは先ほど買ったガラス細工をヒナギクに渡した。
「はい、ヒナギクさん」
「ありがと、ハヤテ君」
ヒナギクに青の猫を、そしてハヤテはピンクの猫を。
青色に輝く猫を受け取ったヒナギクは、嬉しそうに微笑んだ。
「大事にするから」
「はい。大事にしてくださいね」
ヒナギクが喜んでいるのを見て、ハヤテの顔にも笑みが浮かぶ。
買ったものは、彼女に渡すにしては安すぎるガラス細工。
そんなものでも、ヒナギクは本当に嬉しそうに笑っている。
「(普通のカップルなら、もう少し高いものをプレゼントすると思うんだけど……)」
もっと気持ちのこもった高価なものを与えられない自分の甲斐性が恨めしく、ハヤテは思わず口を開いていた。
「ヒナギクさん」
「ん?何、ハヤテ君?」
ガラスに向けていた視線をハヤテに移し、ヒナギクは尋ねる。
その琥珀の瞳を見つめて、ハヤテは言った。
「――――指輪は、もっと高価なものにしますから」
「………え?」
ハヤテの言葉の意味が良く理解出来ていないのか、ヒナギクの表情には少しの戸惑いが見られた。
「え?あの……ハヤテ君?今の言葉って……」
「言葉の通りですよ」
そんなヒナギクに、ハヤテはくす、と小さく笑いを零すと、ヒナギクの手を握って言った。
「婚約指輪が安物では、あまりに失礼ですからね♪」
今はこんな身分で高価なものは何一つあげられないけれど、せめて人生の晴れ舞台だけは、と誓いをたてて。
言葉の意味を漸く理解し、かぁ…っと赤面したヒナギクをハヤテは抱きしめる。
「なのでもう少しだけ……待っていてもらえますか?」
「……………うん、待ってる。いつまでも、ずっと……」
二人は見つめあい、そして唇を重ねた。
来たるべき未来を誓い合うかのように。
「ねぇハヤテ君?」
「はい、何でしょう?」
「なんだか御利益ありそうじゃない」
「え?」
「猫の作り物」
月に照らされる、二つの影。
青とピンクのガラス細工の猫たちが、二人の未来を示しているかのように、それぞれの色を放って輝く。
「確かに、決して離れないわね、私たちは」
「別に買わなくても離れることはありえないですけれどね」
「何よ?買ったのはハヤテ君じゃない」
「ええ、その通りです。これは婚約指輪の代わり、ということで……」
「っ――――バ、バカ。期待してるんだからね!?高い指輪じゃないと許さないんだから!!」
ガラス細工が運んだ小さな幸せ。
そんな幸せをヒナギクたちが感じている夏祭りの夜は、まだしばらく賑やかな空気が続きそうであった。
End
昨日スランプだと書きましたが、どうやらマジでスランプのようです。
まず文章にまとまりがなく、矛盾が生じてしまうのです。
それでも一応書きました。
当然ハヤヒナです。
しかし内容がわけ分かりません。本当すいません(泣
でも、頑張って書きましたので、読んでほしいと思います。
今回の話はちょっと時期が早いネタでございます。
それではどうぞ~♪
近所で夏祭りがあることをヒナギクが知ったのは、祭り当日だった。
公園を通る際、何かしら準備をしていたことは知っていたのだが、帰り道に公園の方に寄ってみると人で溢れていたのだ。
それを見て、「今日…夏祭りなんだ」とヒナギクは呟く。
そして思う。
愛しの彼を誘ってみよう、と。
「忙しくなければいいのだけれど……」
携帯を覗き、目当ての名前をプッシュ。
少しのコール音の後。
「あ、ハヤテ君?実は―――」
『ガラス細工と夏祭り』
その夏祭りは、公園で行う祭りにしてはなかなか賑わっていた。
溢れる人ごみの中を、ハヤテとヒナギクは手を繋ぎながら歩く。
「いやー、賑わってますねー」
「本当ねー」
ハヤテから二つ返事でokをもらったヒナギクは、浴衣姿である。
ハヤテは執事服を脱ぎ、私服姿。
外見は中の良い恋人同士。しかし中身はラブラブ熱々カップルであるこの二人。
とりあえず回ってみよう、というハヤテの提案により、一通り祭りを回っているところだった。
「あ、綿菓子!」
気になるものがあったら足を止める。
綿菓子を見たヒナギクは、ハヤテの手を引いて店主のほうへと向かっていく。
「いらっしゃい!」威勢の良い店主に負けじと、ヒナギクも元気な声で答えた。
「おじさん!綿菓子一つください!!」
「はいよ、ありがとね!」
店主から綿菓子を受け取り、表情を輝かせているヒナギクを見て、ハヤテは笑みを浮かべる。
「(クス……。こうして見ると本当に子供っぽいな)」
白皇学院の生徒たちは、ヒナギクの生徒会長の顔しか知らない。ヒナギクにこんな一面があったことを知れば驚くにちがいない。
そんな表情を自分だけに見せてくれていると思うと、ハヤテは嬉しく、誇らしかった。
「ん?どうしたの、ハヤテ君?」
ハヤテの視線に気づいたヒナギクが不思議そうにハヤテを見ていた。
こんな表情も、愛おしい。
「いいえ、なんでも。綿菓子おいしいですか?」
「うん!」
子供っぽく、はにかみながら笑うヒナギクに、ハヤテは再び笑みを零した。
…
その後も二人は祭りを回っていった。焼きそばやたこ焼きを食べたり、射的をしたり、と祭りならではの出店を楽しんでいた。
「あ」
祭りも大半を回り終えたかという時、ヒナギクの隣を歩いていたハヤテが小さく言葉を発した。
「どうしたの?」
「あれ……」
ハヤテがとある場所を指差す。
ヒナギクもハヤテが指差した方向に目を向けて、「あ……」と呟いた。
ハヤテの指先がしめした方向にあったものは、ガラス細工の小さな出店だった。
様々な動物がガラスで象(かたど)られ、光に反射して美しく輝いている。
「綺麗…」
「ええ。ヒナギクさん、ちょっと寄ってみませんか?」
ハヤテの言葉に異論などあるはずなく、ヒナギクは大きく頷いた。
「いらっしゃい。いろいろあるからゆっくり見ていってくれ」
店主に軽く返事を返し、ハヤテとヒナギクは美しく輝くガラス細工たちを眺める。
本当に様々な動物たちがあり、どれを選ぶかなど難しいくらいだ。
「本当色々あるんですね……」
「多くて選べないわね……」
「はっは。数がなくちゃ売れないからね。これでも苦労してるんだぜ」
「うーむ……お?」
店主の言葉に相槌をうちつつ、品物たちをじっくりと眺めていると、あるモノがハヤテの目に止まった。
「これ……」
それを手にとりヒナギクに見せると、
「可愛い!!」
と、ヒナギクの目がガラス細工に負けじと輝く。
それは、猫のガラスだった。
青とピンクの二色あり、ハヤテが持っているのはピンク色である。
「お、目の付け所がいいね」
「え?」
「それはカップル用に用意したもんなんだよ」
店主が言うには、この猫は二匹で一つ、という設定らしく、青色を女性に、ピンク色を男性に持たせることで、その二人は決して離れない強い愛情で結ばれるという。
「へぇ……」
ハヤテはそう言葉を漏らす。見れば値段も手ごろ。携帯用として作られたからか、それほど大きくなく、コンパクトである。
「どうだい?」
ハヤテはヒナギクに目をやる。ヒナギクはそれが気に入ったらしく、その猫のガラスをじーっと見つめていた。
「これにします」
そうなれば買わない理由などなかった。
お代を払い、商品を受け取ったハヤテは、ヒナギクを連れて店を後にする。
今もまだ賑わう祭の会場から少し離れた場所で、ハヤテは先ほど買ったガラス細工をヒナギクに渡した。
「はい、ヒナギクさん」
「ありがと、ハヤテ君」
ヒナギクに青の猫を、そしてハヤテはピンクの猫を。
青色に輝く猫を受け取ったヒナギクは、嬉しそうに微笑んだ。
「大事にするから」
「はい。大事にしてくださいね」
ヒナギクが喜んでいるのを見て、ハヤテの顔にも笑みが浮かぶ。
買ったものは、彼女に渡すにしては安すぎるガラス細工。
そんなものでも、ヒナギクは本当に嬉しそうに笑っている。
「(普通のカップルなら、もう少し高いものをプレゼントすると思うんだけど……)」
もっと気持ちのこもった高価なものを与えられない自分の甲斐性が恨めしく、ハヤテは思わず口を開いていた。
「ヒナギクさん」
「ん?何、ハヤテ君?」
ガラスに向けていた視線をハヤテに移し、ヒナギクは尋ねる。
その琥珀の瞳を見つめて、ハヤテは言った。
「――――指輪は、もっと高価なものにしますから」
「………え?」
ハヤテの言葉の意味が良く理解出来ていないのか、ヒナギクの表情には少しの戸惑いが見られた。
「え?あの……ハヤテ君?今の言葉って……」
「言葉の通りですよ」
そんなヒナギクに、ハヤテはくす、と小さく笑いを零すと、ヒナギクの手を握って言った。
「婚約指輪が安物では、あまりに失礼ですからね♪」
今はこんな身分で高価なものは何一つあげられないけれど、せめて人生の晴れ舞台だけは、と誓いをたてて。
言葉の意味を漸く理解し、かぁ…っと赤面したヒナギクをハヤテは抱きしめる。
「なのでもう少しだけ……待っていてもらえますか?」
「……………うん、待ってる。いつまでも、ずっと……」
二人は見つめあい、そして唇を重ねた。
来たるべき未来を誓い合うかのように。
「ねぇハヤテ君?」
「はい、何でしょう?」
「なんだか御利益ありそうじゃない」
「え?」
「猫の作り物」
月に照らされる、二つの影。
青とピンクのガラス細工の猫たちが、二人の未来を示しているかのように、それぞれの色を放って輝く。
「確かに、決して離れないわね、私たちは」
「別に買わなくても離れることはありえないですけれどね」
「何よ?買ったのはハヤテ君じゃない」
「ええ、その通りです。これは婚約指輪の代わり、ということで……」
「っ――――バ、バカ。期待してるんだからね!?高い指輪じゃないと許さないんだから!!」
ガラス細工が運んだ小さな幸せ。
そんな幸せをヒナギクたちが感じている夏祭りの夜は、まだしばらく賑やかな空気が続きそうであった。
End
自由人さんのHP新設のお祝いに書いた小説です。
俺なんかの小説でよければいくらでも寄贈しますので、皆さんもどうぞ♪
ただし製作期限は無期限で(笑)
長いこと待ってくれた自由人さん、本当にありがとう…(T-T)
それではどうぞ~♪
六月に入り、梅雨の時期になった。
日本列島には梅雨前線がやってきて、全国どこも雨の予報が続いていた。
「最近雨が多いわねぇ……」
生徒会室の窓から覗ける雨空に、桂ヒナギクはため息をついた。
今日も今日とてヒナギクは仕事だが、梅雨だからとはいえ、雨続きの日々では流石にうんざりして仕事に身が入らない。
「あーあ、仕事に手がつかないわ……」
机にぐだー、とヒナギクは机に伏したが、湿度からくるべた付きを頬に感じ、顔を顰(しか)めて起き上がる。
「ああぁぁぁもう!何なのよ―――!!」
そこで漸く、彼女はキレた。
『梅雨の日とフェイスペーパー』
「何なのって…、梅雨なんですから仕方ないじゃないですか」
うがーっと吼えたヒナギクに声が掛けられる。
今日も今日とて、ヒナギクの仕事の手伝いに来ていた綾崎ハヤテだった。
ハヤテは苦笑を浮かべながらヒナギクに近寄ると、彼女の机に束の書類を置いて、言う。
「ほら、仕事をしないと帰れませんよ?」
「……どうせ今仕事を終わらせたって、外は雨だし」
ハヤテの言葉にヒナギクは頬を膨らませながら答えた。
「髪も肌も机も何もかもベタベタだし!!」
「僕に言われましても……」
恐らく美希たちも知らぬであろうヒナギクの姿に、ハヤテはため息をつくしかない。
ヒナギクの気持ちはわかる。
ヒナギクだって女の子なのだし、身嗜みに気を使うのは当然といっても良い。
本当にべた付きが気になるらしく、肌に触れては顔を顰めて手放し、また触れてを繰り返している。
「僕は神様でも何でもないですから、雨なんて止められないですよ?」
だが一端の執事(兼とある生徒会長の彼氏)でしかないハヤテには、雨を止めろなんてお願いは、どうしようもない要望なのだった。
ただこうして、ヒナギクの理不尽な不満を聞くことしかできない。
でも、とハヤテは内心思う。
「(まぁ、そんなところが可愛いんだけど)」
自分の前のヒナギクは、子供っぽい印象を受けさせる。
それが可愛らしく、ため息をつくことしか出来ない内容の理不尽な愚痴も、何とかしてやりたくなってくる。
「う~~。肌気持ち悪い~~」
「そうですねぇ……。雨を止ませる事以外だったらきっと……」
僕でも何かは出来るはず、とポケットに手を入れてみると、
「あ」
ハヤテの願いに答えるかのように、ハヤテはポケットの中に『あるもの』の存在を見つけた。これならヒナギクの不満も、少しは解消できるはずだ。
ハヤテはそう思い、目の前でぐー垂れているヒナギクに『それ』を差し出した。
「ヒナギクさん」
「ん…?何よぉ……」
「これを」
今だしかめっ面をしていたヒナギクだったが、ハヤテの差し出したものを目にした途端、琥珀の瞳を輝かせた。
「こ、これって…!!」
「はい、『アレ』ですよ」
「も、もらっていいの?」
「はい。是非お使いください」
ハヤテがヒナギクに微笑み、そう答えると、ヒナギクはぱぁっと表情を輝かせ、それの袋を開いた。
そして数十秒後―――。
「あ~…、すっきりする……」
ハヤテの目の前には、満面に笑みを浮かべたご機嫌なヒナギクがいた。
「良かったです。フェイスペーパーでそこまで喜んで頂けるなんて」
嬉しそうなヒナギクを見て、ハヤテも嬉しくなって言う。
「買っておいて正解でした」
そう、ハヤテのポケットにあったもの。それは『フェイスペーパー』だった。
顔のべた付きを拭いとり、さらに人によってはそのままボディにも流用出来るという優れものだ。
夏場に備えて一応買っていたのが吉と出た。
「うん、本当嬉しい!ありがとう、ハヤテ君」
「いえいえ。不快感は拭えましたか?」
「うん!」
小さな子供のようにヒナギクは頷いた。
「だから、お礼ね♪」
そして笑顔のまま、ハヤテの頬に口付けを一つ。
「―――っ」
ヒナギクの思わぬ不意打ちに、ハヤテの頬が真っ赤になった。
「ヒ、ヒナギクさん!?」
「ふふ…。ハヤテ君もほっぺがベタベタよ?」
まだ感触が残る頬を押さえ、わたわたと慌てるハヤテをくすくすと笑いながら、ヒナギクは言う。
「そんなに暑いのかしら?」
「……暑いから頬がべた付いてるんですよ」
「あら、そうなんだ♪」
「……ヒナギクさん」
恨めしそうにハヤテはヒナギクを見るが、ふふふ、とヒナギクは笑うだけ。
つい先ほどのヒナギクはなんだったのか、というくらい、今のヒナギクはイキイキとしていた。
そんなヒナギクを見てハヤテはため息をついた。
「もう……本当に敵わないなぁ……」
言動でも、行動でも、自分ではヒナギクに敵わない。
それを再確認させられてしまったから、ハヤテは苦笑するしかない。
「べた付いてるなら、ハヤテ君のほっぺ、私が拭いてあげよっか?」
「……お好きなように」
「ええ、好きにさせていただくわ♪」
それでも、梅雨空の様な表情をしていたヒナギクが笑ってくれているのだから、それで良いとハヤテは思った。
「じゃあ拭くわよー」
「はいはい。仕事もあるんですから、早めにお願いしますね」
「無理よ。だって私の唇で拭くんだから」
「え―――」
フェイスペーパーじゃないの?
というハヤテの言葉がヒナギクの唇で遮られた、とある梅雨の日のこと。
ヒナギクの、もしくは二人の惚気に中てられたのか、うんざりするほど続いていた雨が、その時ばかりはすっかり止んだのだった。
End
俺なんかの小説でよければいくらでも寄贈しますので、皆さんもどうぞ♪
ただし製作期限は無期限で(笑)
長いこと待ってくれた自由人さん、本当にありがとう…(T-T)
それではどうぞ~♪
六月に入り、梅雨の時期になった。
日本列島には梅雨前線がやってきて、全国どこも雨の予報が続いていた。
「最近雨が多いわねぇ……」
生徒会室の窓から覗ける雨空に、桂ヒナギクはため息をついた。
今日も今日とてヒナギクは仕事だが、梅雨だからとはいえ、雨続きの日々では流石にうんざりして仕事に身が入らない。
「あーあ、仕事に手がつかないわ……」
机にぐだー、とヒナギクは机に伏したが、湿度からくるべた付きを頬に感じ、顔を顰(しか)めて起き上がる。
「ああぁぁぁもう!何なのよ―――!!」
そこで漸く、彼女はキレた。
『梅雨の日とフェイスペーパー』
「何なのって…、梅雨なんですから仕方ないじゃないですか」
うがーっと吼えたヒナギクに声が掛けられる。
今日も今日とて、ヒナギクの仕事の手伝いに来ていた綾崎ハヤテだった。
ハヤテは苦笑を浮かべながらヒナギクに近寄ると、彼女の机に束の書類を置いて、言う。
「ほら、仕事をしないと帰れませんよ?」
「……どうせ今仕事を終わらせたって、外は雨だし」
ハヤテの言葉にヒナギクは頬を膨らませながら答えた。
「髪も肌も机も何もかもベタベタだし!!」
「僕に言われましても……」
恐らく美希たちも知らぬであろうヒナギクの姿に、ハヤテはため息をつくしかない。
ヒナギクの気持ちはわかる。
ヒナギクだって女の子なのだし、身嗜みに気を使うのは当然といっても良い。
本当にべた付きが気になるらしく、肌に触れては顔を顰めて手放し、また触れてを繰り返している。
「僕は神様でも何でもないですから、雨なんて止められないですよ?」
だが一端の執事(兼とある生徒会長の彼氏)でしかないハヤテには、雨を止めろなんてお願いは、どうしようもない要望なのだった。
ただこうして、ヒナギクの理不尽な不満を聞くことしかできない。
でも、とハヤテは内心思う。
「(まぁ、そんなところが可愛いんだけど)」
自分の前のヒナギクは、子供っぽい印象を受けさせる。
それが可愛らしく、ため息をつくことしか出来ない内容の理不尽な愚痴も、何とかしてやりたくなってくる。
「う~~。肌気持ち悪い~~」
「そうですねぇ……。雨を止ませる事以外だったらきっと……」
僕でも何かは出来るはず、とポケットに手を入れてみると、
「あ」
ハヤテの願いに答えるかのように、ハヤテはポケットの中に『あるもの』の存在を見つけた。これならヒナギクの不満も、少しは解消できるはずだ。
ハヤテはそう思い、目の前でぐー垂れているヒナギクに『それ』を差し出した。
「ヒナギクさん」
「ん…?何よぉ……」
「これを」
今だしかめっ面をしていたヒナギクだったが、ハヤテの差し出したものを目にした途端、琥珀の瞳を輝かせた。
「こ、これって…!!」
「はい、『アレ』ですよ」
「も、もらっていいの?」
「はい。是非お使いください」
ハヤテがヒナギクに微笑み、そう答えると、ヒナギクはぱぁっと表情を輝かせ、それの袋を開いた。
そして数十秒後―――。
「あ~…、すっきりする……」
ハヤテの目の前には、満面に笑みを浮かべたご機嫌なヒナギクがいた。
「良かったです。フェイスペーパーでそこまで喜んで頂けるなんて」
嬉しそうなヒナギクを見て、ハヤテも嬉しくなって言う。
「買っておいて正解でした」
そう、ハヤテのポケットにあったもの。それは『フェイスペーパー』だった。
顔のべた付きを拭いとり、さらに人によってはそのままボディにも流用出来るという優れものだ。
夏場に備えて一応買っていたのが吉と出た。
「うん、本当嬉しい!ありがとう、ハヤテ君」
「いえいえ。不快感は拭えましたか?」
「うん!」
小さな子供のようにヒナギクは頷いた。
「だから、お礼ね♪」
そして笑顔のまま、ハヤテの頬に口付けを一つ。
「―――っ」
ヒナギクの思わぬ不意打ちに、ハヤテの頬が真っ赤になった。
「ヒ、ヒナギクさん!?」
「ふふ…。ハヤテ君もほっぺがベタベタよ?」
まだ感触が残る頬を押さえ、わたわたと慌てるハヤテをくすくすと笑いながら、ヒナギクは言う。
「そんなに暑いのかしら?」
「……暑いから頬がべた付いてるんですよ」
「あら、そうなんだ♪」
「……ヒナギクさん」
恨めしそうにハヤテはヒナギクを見るが、ふふふ、とヒナギクは笑うだけ。
つい先ほどのヒナギクはなんだったのか、というくらい、今のヒナギクはイキイキとしていた。
そんなヒナギクを見てハヤテはため息をついた。
「もう……本当に敵わないなぁ……」
言動でも、行動でも、自分ではヒナギクに敵わない。
それを再確認させられてしまったから、ハヤテは苦笑するしかない。
「べた付いてるなら、ハヤテ君のほっぺ、私が拭いてあげよっか?」
「……お好きなように」
「ええ、好きにさせていただくわ♪」
それでも、梅雨空の様な表情をしていたヒナギクが笑ってくれているのだから、それで良いとハヤテは思った。
「じゃあ拭くわよー」
「はいはい。仕事もあるんですから、早めにお願いしますね」
「無理よ。だって私の唇で拭くんだから」
「え―――」
フェイスペーパーじゃないの?
というハヤテの言葉がヒナギクの唇で遮られた、とある梅雨の日のこと。
ヒナギクの、もしくは二人の惚気に中てられたのか、うんざりするほど続いていた雨が、その時ばかりはすっかり止んだのだった。
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